目覚めの時

芽生えの時

現在世界を襲っているコロナ禍から抜け出し、人類が新たな秩序を築き上げていくためには、時代が何を求めているのか、それを感じ取っていくことが不可欠です。

過去から現在まで、生命ある歴史の流れを振り返ればそこには明らかな『生命の法則』があり、そこで求められるのは、すべてのものに通じる“生命”を感じること、そしてこれからの時代の価値観の中心となる“東洋の理”を知ることです。

コロナ禍の猛威から脱する知恵として、先に「東洋の知恵」「リンゴの木を植えよう」という二つのページを書きました。
そこで述べたことは極めて重要であり、そのことをより深く理解していただきたいと願い、再び新たなページを書くことにしました。
内容的には一部重複するところもありますが、根本的なところから分かりやすく書いていますので、どうか最後までお読みください。

 

まずは簡単に生命の法則から述べます。
詳しくは「新たなる生命の時代」に書いています。

この時空にあるモノは、すべて周りのものと関係を持ち、互いに影響を与え合っています。
それは完全に独立して存在するものはないということであり、どんなものも時の移ろいとともに形を変えていきます。
これがお釈迦様が説いた『諸行無常』であり、共生の理です。

その移ろうものは、季節の変化、食物連鎖、あるいは地球が規則的に太陽の周りを回転するように、行きつ戻りつひとつの渦のような形を作り出しています。
これが循環の理です。

共生、循環の理はミクロの原子、素粒子の世界からマクロの銀河宇宙まで、スケールを超えてあまねく同じ形で存在し、これを自己相似形、フラクタルと呼んでいます。

共生、循環、フラクタル、この三つが時空(宇宙)の三大法則だと考えられます。

 

天地、男女、動物と植物、・・・共生しているものは何よりそのバランスが大切です。
地球は太陽と引っ張り合う引力と、運動から生じる遠心力が釣り合うことにより、一定速度で太陽の周りを回っています。
人間の男女は女性が男性よりほんのわずか平均寿命が長い分だけ女性の出生率が下回り、男女の比率は常に最適な状態に保たれています。

生命の基本情報を刻んだ遺伝子DNAは、二本の鎖の共生によって成り立ち、構成する四つの塩基によって対等な関係となっています。

遺伝子DNA

この二本の鎖によって形作られた二重らせん構造は生命の基本形であり、この構造はこの時空の特徴を示す多くの場所で見ることができます。

四季の移ろいは一年周期で規則正しく繰り返されますが、その変化は北半球と南半球で真逆であり、それぞれの推移を二本の線で表すと、きれいな二重らせんを描きます。

それと同じ変化が文明にもあり、文明は東と西に二分され、1600年という周期で文明の興亡が繰り返されていることを故村山節先生が発見され、それを文明法則史学と名付けられました。
『文明法則史学』

歴史と気候の二重らせん構造

志賀一生氏の「ガイアの法則」でも文明法則史学と同じ歴史の持つ二重らせん構造について述べていて、そこでは文明の周期を地球の歳差周期(回転軸が振れる周期)の16分の1である1611年と説いています。

 

その歴史の周期性を見て分かるのは、今は文明の覇権が西洋から東洋へと移る極めて大きな文明の転換期であるということで、それは短く見て800年、より長い目で捉えると12888年、25776年に一度の巨大なものと見ることができます。

自然界にある波は、海に打ち寄せる波や森に響く音を見聞きして分かるように、様々な波が複雑に絡み合っています。
今時代に打ち寄せている文明の波は、短周期、長周期ともに西洋から東洋、男性性から女性性、陽から陰への大転換へと向いていて、陰陽で律せられたこの時空の根本リセットの時を示しています。

 

これまで人類は長い期間西洋優位の時代を過ごし、西洋思想、科学こそが真理に迫る本流であり、東洋思想は迷信に近い一歩劣るものであるという考えがありましたが、それは誤りです。

科学の科とは物事を分けるという意味であり、科学はひとつのものをバラバラにして分析し、そこから真実を探求しようとするものです。

けれどこれだけでは完璧ではありません。
物事をバラバラにしてミクロの世界を追い求める科学があり、それとともにその対極の全体を捉え、それぞれの関係性の中から本質を求めるマクロ的、生命観的とも言える東洋の思想があって二つでひとつ、調和の取れたものが生まれます。

男女どちらが欠けても新たな生命は生まれません。
それと同じことが東洋と西洋の関係にも言えるのです。

 

東洋と西洋の特徴は下の表の通りであり、完全に対等な関係です。

東洋と西洋

そして今は、『価値観の中心が西洋から東洋へと移る時』であり、まずひとつ目にこのことをしっかりとご理解ください。

 

時代を動かすエネルギーの変化は着実で規則的です。
それは季節の移ろいと関係する太陽の日の出、日の入り時刻が滑らかな推移であるのと同じです。

けれどその変化のエネルギーを受ける人類や動植物の変化は段階的で、生物の進化はある時の突然変異によって階段状に進んできました。
また過去の文明の大転換期には、その覇権を交代するがための地域紛争や民族大移動が多発し、衰退する文明は壊滅的状態になっています。

これは春に新芽が萌えると同時に南北反対の半球では秋を迎えて落葉し、渡り鳥が新天地を求め一斉に旅立つのと同じです。

しかしながら現在の肥大化した文明を持つ人類が、過去と同じような動乱を引き起こしたら、また西洋文明が潰滅的崩壊ということになったなら、それは人類全体の存亡に関わってくることは明らかであり、それを回避することが今の人類に与えられた最も重要な課題です。

 

今回この新型コロナウイルスによってもたらされた世界的災厄は、明らかに旧時代の価値体系を崩壊していこうとする自然現象、生命現象であり、これに対処していくためには、その根底を流れる『時代の意志』を理解することが必要不可欠です。

旧来の価値観崩壊現象に、旧来の価値観でもって対処してもそれを抑えることはできません。
求められるのは新たなる価値観への転換であり、その目覚めです。

それが『すべてのものに通じる生命の法則を知ることであり、東洋の理を日々の生き方に活かしていくこと』です。
このことを二つ目として深くご理解ください。

これは決して科学を否定するものではありません。
科学だけでは不十分であり、それを活かすためにも科学と対極にあるマクロ的生命観、東洋の理も見つめていくべきで、これからはそちらがより重要になってくると言っているのです。

 

今世界はこの世界大戦にも匹敵するコロナ禍からの脱出の道を必死で模索しています。
医療関係者は懸命に治療にあたり、ウイルス研究者は一刻も早いワクチン完成に向けて取り組み、各国政府もロックダウンや各種規制によってウイルス拡散を防いでいます。

それらはみなとても大切なことですが、その中に残念ながら『時代の意志』を反映した東洋の知恵がまったく含まれておらず、これでは真の問題解決には至りません。

時代の流れは着実に動いていて、民間レベルではSNS等で東洋の知恵に基づいた養生法が紹介されたりしてはいますが、それをマスコミが取り上げたり、政府が本格的に研究をするといったことはまったくありません。

 

なぜ政府、マスコミは東洋の知恵に基づく養生法、治療法に着目しないのか。
なぜ人々は、その動きを当たり前のこととして受け止めてしまうのか。

この二つをよく考えてみてください。
それは多くの人の心の中に、東洋の知恵よりも西洋科学の方が素晴らしい成果をもたらしてくれる、ウイルスの専門家がDNA解析をして得た結果は東洋の知恵よりもより価値がある、そういった頑なな思い込みがあるからです。

今は時代の価値観の中心が、西洋から東洋へと換わっていく大転換期です。
秋に樹々が落葉するように、渡り鳥が旅立つように、またタンスの中身を入れ替えて衣替えをするように、価値観の中心を東洋へと切り替えていかなければなりません。

西洋思想や科学的価値観を捨てる必要はありません。
ただそれを絶対視する思いは手放すべきであり、その手放して空いたスペースに東洋の知恵を入れてあげることが求められています。

 

高度な西洋科学の知識が専門的で難解なのに対し、深い東洋の知恵は汎用性があって誰にでも容易に理解、実践できるものです。

リンゴの木を植えよう」の中に、今こそ東洋の知恵を検証しようということで、発酵食品や咀嚼の勧めとともにこのようなことを書きました。

これを「是非とも検証すべき」と述べる具体的理由は。

ひとつは、東洋の知恵は身近で簡単であり、またお金がほとんどかからないものなので、簡単に実践、検証することができるからです。

二つ目は、西洋医学の薬のように副作用やデメリットがないからです。
日本人が古来から親しんできた発酵文化を取り戻すことによって、何か障害が起こるということは考えられません。
咀嚼も同様で、早食い習慣のある人がよく噛むようになり、それで病気が悪化するということはありえません。

三つ目は、東洋の知恵は根本に作用するものであり、それが武漢肺炎に対処するために行ったものであったとしても、心と体全般、他のものにも幅広くいい影響を与える可能性があるからです。

四つ目は、腸内細菌が免疫力と密接に結びついていることはよく知られていて、このように、東洋の知恵は誰にでも簡単に理解できる仕組みの上にあり、人に納得してもらいやすいからです。

 

今こそ『時代の意志』を受け、この東洋の知恵を広く伝えていく時です。

東洋への価値観転換の流れを受けて起こっている現在のコロナ禍は、東洋の知恵に目覚めることでしか解決することはできません。

時代の流れを受け、東洋の知恵は日々進化しています。
これは咀嚼の大切さを訴える天城流湯治法創始者である杉本練堂氏の言葉です。

何故なんだろう?
コロナウイルスで
重篤になってしまった
人の顔に特徴がある
ひょっとしたら
糖尿病の特徴の顔
左頬が右頬より小さくなって
硬直している
これは咀嚼不足によって起こる
大腸のストレスと膵臓のストレスの顔
自粛をしながら
食べ物を……よく噛み
唾液腺ほぐし
左太腿やお腹をほぐして
大腸のストレスと膵臓のストレスを
解消してみよう

杉本練堂氏 杉本練堂氏

 

東洋の知恵の深さは理屈ではなく、自ら実践して感じ取るものです。

食べ物をしっかりと咀嚼しましょう。
良質の植物性発酵食品を摂って、お腹(腸)を健やかに保ちましょう。
15分に一度水を飲み、気管にウイルスを入れないようにしましょう。
免疫力を高めるため、体を冷やす食品はなるべく控えましょう。
足湯などで体をしっかり温めましょう。
いつも笑顔で明るい気持ちで過ごしましょう。

等々・・・東洋の知恵は身近にたくさんあり、どれも簡単に実践でき、効果もすぐに感じられるものです。

コロナ禍の向こうには、明るい東洋の時代、生命の時代が待っていることを信じます。

 

最後に三つのお願いをします。

  1. もしここに書かれたことを正しいと思われたなら、是非多くの人にこの真実をお伝えください。シェアしてください。
    ページ最後にシェアするためのボタンがあり、それが世界を救う道だと考えます。

  2. 逆に、ここに書いていることはおかしい、論理の飛躍であると感じられたなら、その意見をお聞かせください。
    真摯に耳を傾け、より深い真理を探っていきます。
    「問合せフォーム」 

  3. 何か行動を起こしてください。
    一人一人はエブリシング・グレートです。すべてを変える力を持っています。
    『愛の反対は無関心である』、このマザーテレサの言葉を胸に置いてください。

 

長文を最後までお読みいただきありがとうございます。

みんなの力で新たな時代を築いていきましょう。

これからの時代の教育 芽生えの時

4件のコメント

酒井さん 素晴らしい記事をありがとうございました。いよいよ西洋思想から東洋思想に
転換するときがやってきました。インドのかなたから新しい時代の変化をありがとうございました。コロナのことで世界が変わりますね。早く広島へ帰れますようにお祈りいたします。お会いする日を楽しみにしております。森山照子

コメントありがとうございます。
日々時代の大きな胎動を感じ、この時代に生を受けた喜びを噛み締めています。
今は人類飛躍の時、これからもともに歩みましょう。

酒井さん、お元気ですか。インドに旅立たれてから随分時が経ちました。コロナ禍のために、インドから出国出来いないのではないかと心配しています。
瞑想と哲学の国インドの地より、文明の大転換機にあたり、西洋の科学文明から東洋の生命文化に目覚めよとの素晴らしメッセージをありがとうございます。
30余年前、林英臣先生より初めて文明法則史学を学び、その時は一つの文明史観として受けとめていたのですが、今は人類の英知として実感しています。
林先生は、今、綜学を説き、日本の再生と人類の救いを祈っておられます。
私は、今、ご縁があって松下幸之助の哲学に学び、「新しい人間観の提唱、真の人間道」を読んでいます。同時に、縁あって、ユヴァル・ノア・ハラリの、『サピエンス全史』、『21Lessons』を読んでいます。
今は、文明の大転換期で、西洋から東洋へ時勢は大きく転換しつつありますが、大局的には陰陽相待原理が働いており、西洋の科学的思考と東洋の生命思想が調和し、宇宙根源の力によって人類の繁栄と世界の平和と各国民の幸福が実現することを祈念しています。
酒井さんが一日も早く広島に帰って来られ、積極人間の集いでお会いできることを心より願っています。

コメントいただきありがとうございます。
平成元年に文明法則史学を知った時には、文明転換現象は遠い話だったのが、今その最中にいて、身の引き締まる思いです。
日本も世界も今は大きな試練の時ですね。
けれどこれは必ず乗り越えられるものと信じています。
インドのロックダウンはいまだ続いていて、国際線就航もまだ少し先になりそうです。
また積極人間のみんなで集える日を楽しみにしています。

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