当たり前のことですが、本当に大切なことって言葉にできないですね。
それは感覚のようなもの。
ブルース・リーの言った『Don’t think! Feel!!!』(考えるな、感じろ)の世界です。
熟練の職人さんしか持ち得ないコツのようなもの、頭ではなく手足や体で覚えたものは、心の深いところにまで染み込みます。
身近かなところでは鉄棒の逆上がりなんかがそうですね。
最初はなかなかできずに何度も失敗するものの、一度できるとコツが分かり、後は楽々できるようになります。
それはコツということとともに、一度大きなステップを乗り越えることによって、心の中の壁が取り払われるのではないかと思います。
それにはやはり体験すること、これしかありません。
過去の自分にメッセージを送るようになって二週間、昨日は自分にとってひとつの大きな壁を乗り越えた感覚を持ちました。
日々感染が広がるインドにいて、なかなか帰国の便が決まりません。
今は国際線就航は原則禁止で、政府の許可を得た特別機しか飛んでいません。
在チェンナイ日本総領事館からの情報によると、在留邦人の帰国のため、この25日に首都デリーから成田に向かう日航機があるとのことです。
そこで日航に問い合わせてみると、予約前でまだ運賃は未定ですが、14日に出発した先の便は93000ルピー、日本円で13万円ちょっとぐらい、通常料金の約4倍とのことです。
以前コメントをくださったKOHOさんによると、隣国ネパールからの特別機も4倍の料金だったそうで、これが特別機の相場なのでしょう。
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そうすると、インド国内の移動料金も含め、現在手持ちの現金から大幅に足りません。
周りのインド人たちはお金を貸すから心配するなと言ってくれますが、大金を借りるのは極力避けたいところです。
そうしているところに領事館から15日にメールが届きました。
日本に滞在して帰国を望むインド人向けにエアインディアが特別機を飛ばし、その日本に向かう便にインド在留の日本人が搭乗できるとのことです。
20日ムンバイ、21日にデリーからそれぞれ成田に向けて就航します。
これなら日航機よりも低価格だろうと思い、記載されたアドレスにアクセスしてみましたが、メールが届いたすぐの時点で予約不可、unavailableの状態でした。
その日も翌日も翌々日も、何度も予約確認をしてみましたが、状況はまったく変わりません。
その間、親友で超親切なスシルが旅行代理店を通して代替案を探してくれたのですが、今はまったく打つ手がない状態です。
そんな暗澹たる思いを抱えながら過ごしていた17日の夕方、どうせダメだろうと1%の望みもない状態で、久しぶりにエアインディアのサイトにアクセスしてみました。
すると・・・、あったのです空席が!
21日デリー発の成田便、提示されている価格も日航機の半額以下です。
差額は7万円弱ぐらいで、これならインド人たちに大きな迷惑をかけずにすみそうです。
けれど日が迫っていて、これを予約し国内線とうまく乗り継げるのか、ビザの代わりとなる出国許可書をそれまでに取れるのか、不安の種は尽きません。
それでもこれを発見できたことは大成果です。
もうほとんど諦めかけていたのに、よく再びサイトにアクセスしようと思ったものです。
そしてここからが本題なのですが、この絶望的な気分ながらも再びエアインディアのサイトを確認した“過去の自分”を思うと、無性に愛しさが込み上げてきます。
ここ二週間過去の自分を見続けてきたせいか、現在の自分から見て少し前の自分を客観視するようになったのかもしれません。
「しんどい気分だったのに諦めずによくやったね。 偉いね。 ありがとう・・・」
この二週間、そしてそれ以前も含め、こんなに自分自身を愛しみ労り、深く感謝したいと思えることはそう何度もあることではありません。
「これが自分に対する感謝の思いなのか・・・」
今回このことを身をもって感じました。
これは人の話を聞いたり本を読んだりして頭で理解できることではありません。
けれど一度これを体験すると、心の深いところに何かが残り、これからそれをひとつの道標(みちしるべ)として振り返って見つめることが可能です。
これが冒頭に書いた初めて逆上がりができた後に掴んだ感覚、経験で体得したコツ、心の壁が取り払われた状態なのだと思います。
これからこの感覚を宝物として大切にしていきたいと思います。
その後チケット予約や出国許可書のことでものすごく手を取られ、疲れがたまって知らずベッドで寝てしまい、今は19日の夜明け前です。
けれど奮闘の甲斐あって何とか21日デリー発の便で帰国できそうです。
そのことはまた次回書かせていただきます。
感謝と疲労の果てに…
21日の便で帰国の予定との事、良かったですね。
酒井さんが無難に帰国出来ることを、心より願ています。
ありがとうございます。
日本のことをこれほど愛おしく感じたことはありません。
けれど今回は最後にまた大きなドラマがありました。
人生の奥深さを感じます。