二つ一つ

この時空間には三つの基本法則があると考えられ、そのことは「新たなる生命の時代」で詳しく解説しています。

その三つの内のひとつは、すべてのものは周りのものと互いに影響を与え合う何らかの関係を持ち、それを共生(関係)と言い、決して独立した存在ではないということ。
完全に独立した普遍のものはいくつかの法則のみで、それを“まこと”と呼び、「陰と陽」のページの最後「宇宙の秩序 七つの原則」、「宇宙の十二の変化の法則」としてまとめています。
すべてのものは他のものから何らかの影響を受け、与え、それがゆえに常に形を変えていき、そのことをお釈迦様は「諸行無常」と説いています。

二つ目は循環で、すべてのものは形を変えながらも互いが存続する関係を保ち、少しずつ変化、進化しながら互いが共生する関係を維持し続けています。
その最も分かりやすい例が四季の営みで、地上では一年サイクルで四季が繰り返され、永い間多くの生命が生きながらえることができています。

最後三つ目はフラクタル、自己相似形ということ。
「一事が万事」、偉大な教育者森信三先生の「一日は一生の縮図である」という至言もこのフラクタル性を示しています。
「フラクタル」のページの中では、極小の原子の構造と極大の宇宙の構造がフラクタルであると書いています。

原子モデル 太陽系

この極小と極大の世界でまったく同じ構造が見られるのに対し、その中間である日常のスケールでそれが見られないというのは興味深い事実です。
「宇宙の十二の変化の法則」の⑫「極陰は陽を生み出し、極陽は陰を生み出す」
そのものが陰であるか陽であるかより、その性質が極まっているか中庸に近いのかどうかという方が全体の性質に大きな影響を与えます。
政治的にノンポリの人間よりも、ともに暴力的な極右、極左勢力の方が類似点が多いのです。

 

先の「磁石すうじ盤の効果」の中で、その使い方をまとめたレポートを紹介しました。
それを書いていて思ったのが、人間が生きるために必要な能力にもこの共生関係、フラクタル性が見事に当てはまるということです。
これは当然のことなのですが・・・。

共生関係がどのようなスケールにもフラクタル性を持って見られるというのは、天井から吊るすモビールが揺れ動く様をイメージしていただければよく理解できます。

モビール

自然界のすべてのモノ、コトは、こういった大小様々な共生関係を築き、それが循環し続けることで成り立っています。

レポートに書いた共生関係を少し補足して表にしてみました。

数感覚 磁石すうじ盤
(数の量的概念)
素因数分解
(数の質的概念)
学ぶ力 数感覚(能力の高さ) 読解力(能力の幅)
総合的知識 学ぶ力 様々な知識
生きる力 総合的知識 実践での学び

実に分かりやすい関係性です。

このように生命の法則、東洋の知恵を持ってすれば、様々な物事の根本の仕組みが見えてきます。
それゆえにこういった知恵を「魔法のメガネ」と呼んでいて、これはこれからの時代、子どもたちに義務教育課程で伝えなければならないことです。

それが今迎えようとしている生命の時代、東洋の時代の理合いであり、まったく意味のないマスク着用を子どもたちに強要し、様々な行事の中止、黙食などで子どもたちの大切な未来への芽を摘み取っている場合ではありません。

 

共生関係の基本は陰と陽、二つで一つです。
共生関係は他にも三位一体、五行、八卦など様々な数の組み合わせがありますが、やはり陰陽二つが最も根本であることに変わりありません。

その理由は、2という数字が1以外の自然数の中で最も小さい数だからということ。
そして生命誕生の仕組みを見ても、有性生殖は男女、二つの性の組み合わせであり、受精卵は二つずつに分かれて増殖していきます。
生命はすべての基本であって、これが二つの組み合わせで律せられているのですから、「二つで一つ」はこの時空の仕組みを支える根本だということです。

この生命の仕組みを広く伝えていくこと。
これが今はじまろうとしている「新たなる生命の時代」を花開かせる最も重要な課題だと考えています。