今から三十余前の平成元年の春、当時暮らしていた岡山から新幹線に乗って広島に行き、そこで初めて文明法則史学の話を聴きました。
そこで語られた歴史の生命観は万物の生命観に通じるものであり、それはこれまで抱いていた偶発的事象の集合体である歴史、そしてすべてのものの成り立ちを根底から覆し、まさに人生観を変えるほどの大きな衝撃を受けました。
その数ヶ月後のお盆には岡山で講演会を企画し、その翌月からは勉強会を立ち上げ、その翌春には広島に転居したものの、三十年以上経った今も岡山では継続して勉強会が開かれています。
あの当時、これからアジアの時代が来ると言われても、まだ実感がまったく湧かないほどアジア諸国の経済力は脆弱でした。
ただこのまま西洋中心の覇権主義が継続し経済発展による自然破壊が進むと、大きな天災や各国間のエゴによる戦争等で人類は地上に生存し得ないだろうという感覚はあり、何か巨大なインパクトのあるものが人々の価値観を変えていく必要があるという思いは持っていました。
それが科学万能、物質至上主義に対するアンチテーゼとしての、当時の言葉で言うところの精神世界、ニューサイエンスというものでした。
これは古くはヒッピームーブメントも同じ流れでしょう。
文明法則史学を知った当初は、これから始まる東洋の時代の東洋とはどういったものなのか、たぶんほとんど分かっていなかったように思います。
それが生命の基本構造は二重らせんであることを知り、ごく簡単に陰陽の法則を本で学んだ後は、見るもの聞くものすべてのものを通して東洋の理を深めていくことができ、これこそが西洋思想の対極にあって生命の法則としてこれからの人類を救えるものだと確信を持つことができるようになりました。
これまでこのホームページで、東洋の考え方、感じ方について数え切れないほど書いてきましたが、直接本から得た知識はほんの数冊程度です。
ですからいまだ東洋思想の歴史等はほとんど知識がありません。
けれど知識ではない東洋の知恵は、生活すべてから感じ取ることができ、また少しずつ感じ取ることによって知恵が豊かになれば、感じ取るための感性もまた同時に豊かになり、東洋の知恵は雪だるま式に大きくなっていきます。
これはジグソーパズルをしていて、完成に近づくにつれてピースが見つけやすくなるのと同じ感覚です。
これはまた、すべてを見通すことのできる「魔法のメガネ」です。
これまでは科学的思考ですべてを関連性にないバラバラのものとして見ていたのを、その根底を流れる有機的つながりを見ることにより、すべてに通じる生命を見ることができるのです。
自分は三十余年前に文明法則史学と出合い、生命の法則、今まさに訪れている巨大な文明転換現象をいち早く知ることができた者として、そこで学んだことや、この文明大転換期を無事乗り越えるための知恵を伝えるのは、自分に与えられた天命だと感じています。
そのひとつとして一昨年秋に「新たなる生命の時代」をまとめ、昨日「目覚めの時」を書きました。
自分としてはもっと早く書けていればという思いがありますが、読まれた人の反応から、「まだ今でもこのことを理解するのは難しいのか・・・」という少し残念な気持ちもあります。
けれど主体はあくまでも自分自身、エブリシング・グレードの自分の思いと行動がすべてです。
このたびのコロナ禍は世界経済を一時的に完全窒息状態にし、これがいつ収束するかに関わらず、ほとんどの人が世界は元と同じ状態には戻らないと感じておられると思います。
自分もいつかはこのような旧来の価値体系崩壊現象が来ると頭で理解し、心づもりはしていたものの、実際にその時を迎え、「いざ鎌倉」という心震える思いと同時に多少の戸惑いを感じています。
ただやはり目の前のことには冷静に対処しなければなりません。
今こそ東洋の知恵、生命の法則を伝えたい、それが思いのすべてです。
今起こっている文明崩壊現象は、西洋から東洋へと文明の覇権が移る過程で起こっているものです。
これがどういう流れの元で始まり、終わりを迎えようとしているのか、それはまだ今の段階では未確定ですが、現在最も被害が大きい国がアメリカ、ヨーロッパだというのは、ひとつの象徴的なものだと思われます。
またこれが中国発祥だというのもあふれ出る東洋の力の現れであり、これが“世界に癌”である中国共産党の恥部を暴き出してしまい、この流れが上手く中共崩壊の道につながればと願います。
今の力ある中共の存在がそのままでは、明るい東洋の時代、精神文明は訪れません。
さらに注目すべき項目として、世界各国で武漢肺炎感染者の統計を取ると、感染率、死亡率ともに女性の数字が男性よりも明らかに下回るとのことがあります。
その理由として考えられるのが、飲酒、喫煙習慣、女性ホルモンの影響、手洗い等衛生習慣の違いがあるとのことですが、旧来の陽性の理を持つ男性の感染率、死亡率が低く、これからの時代の陰性の理を持つ女性が低いというのも、今の価値観転換の理合いを適格に表しています。
ビックバン、膨張という陰性で始まり、陰陽という順序の理を持つこの時空では、巨大な物事の始まりはみな陰からです。
この文明転換現象の中で、すでに男女の性差が明確に現れているということは、これを打破する東洋の知恵の伝搬者も、たぶん女性が中心となっていくでしょう。
崩壊と創造は表裏一体です。
コロナ禍の裏で、女性性のエネルギーは確実に高まっています。
新たな時代の創造主である女性の活躍を心から期待します。
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