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今、この時

文明総図

これまでこのホームページで何度“時代の大転換期”という言葉を使ってきたでしょう。
最低でも数十回、あるいはそれを超えるかもしれません。

今、この時、世界が武漢肺炎によって未曾有の恐怖に晒され、世界中で多くの死者、感染者が出ると同時に、先行きの見えない大きな経済危機によってそれぞれの国の社会の枠組みそのものが壊れようとしています。

これほどまでの大きな危機は世界大戦以来でしょう。
人類がこの危機をどう乗り越えていくのか、それは小手先のテクニックではなく、人類の生き方そのものに大きな変革を求めている、そう強く思わざる得ません。

 

今から31年前の平成元年、文明法則史学と出合うことによって、歴史にはひとつの流れという生命がある、そしてその生命は歴史のみならずこの時空の森羅万象に宿っていて、そこに明確な法則性を見ることができるということを知りました。
その法則性については「新たなる生命の時代」に詳細に記しています。

そこで述べているように、地球は南北半球を両極として一年サイクルの気候の二重らせんを描くのと同様に、文明は東西を両極として千六百年(厳密には1611年)サイクルの興亡の二重らせんを描き、その東西両極の転換点を今まさに迎えようとしています。

文明総図

その歴史の流れから見て、これからは、これまでの文明の中心であった西洋文明が廃れ、それに代わって東洋の精神文明が興ってきます。
これは四季のリズムが変わらないのと同様に、絶対に狂うことのない自然法則です。

けれど過去の歴史を振り返ってみると、衰退する文明は大きな紛争や民族大移動などの壊滅的崩壊の道筋を辿っていて、このたびも同じことを繰り返し、ここまで肥大化した西洋文明が完全崩壊することになると、それは人類全体の滅亡につながることは目に見えています。

それを避けるため、また避けることが可能だからこそ、その知恵としてこの文明の大転換期直前に文明法則史学というものが与えられたと信じています。

 

地球人類の文明は、東洋と西洋、この両極が互いに補い力を合わせることによって大きく成長してきました。

それは動物と植物、男と女、互いに対となるもの同士が生命を保ち、種を存続させてきたのと同じく、片方だけでは存在し得ない不可分の関係です。

 

文明法則史学の創始者である村山節先生は、歴史の興亡のリズムを落葉樹や渡り鳥の姿になぞらえ、文明の転換期とは、木々が色づき葉を落とす秋、新芽を出す春、そして渡り鳥が北へ南へと棲み家を移すその渡りの時期に相当すると述べられました。

これは実に分かりやすい表現であり、真理です。
「新たなる生命の時代」でも述べているように、この時空、自然界の様相は、見事なまでにシンプルな法則性で貫かれていて、そこには随所に同じ形、構造が見られ、それが自己相似形、フラクタルという生命の三大法則のひとつとなっています。

 

自然界にあるものは自ずとその自然の流れに忠実であり、秋に落ちた葉は時を経て土へ還り、長い冬の期間に根を張り、新芽の芽吹く春を待ち、渡り鳥はただ時を待って一気に異郷へと旅立ちます。

けれど高い知性を持つ人間はそうはいきません。
知性が本能からの声を遠ざけ、自ら築いた文明をなんとか永遠のものとしようとし、知性でもってその崩壊の兆しを回避しようとします。

特に陰陽両方に価値を置く東洋とは異なり、“衰退の美学”を持たない西洋は、その衰退の道筋が悲惨なものになる可能性が極めて大きく、それはなんとしても食い止めなければなりません。

 

文明のリズムは宇宙のリズムです。
地球が太陽の周りを周り、自転、公転、歳差運動というリズムを描く、その動きに直結した絶対的なものであり、何人もそのリズムを変えることはできません。

そしてそのリズムに合わせて木々は葉を落とし渡り鳥は旅立ち、人間もまたそうしなければなりません。
けれどそれができなければどうなるか、完全に茶色くなった枯れ葉がいつまでも枝にしがみつき、渡り鳥が気温の下がった大地から暖かい土地への移動を拒むのと同じで、その自然の流れに逆らった行為は種に大きなダメージを与えると同時に強制的に自然のリズムに同化させられます。

それが人類史においては文明の壊滅的崩壊であり、多発する民族紛争、大量の移民の発生といった文明転換期特有の現象です。

 

東西両文明の描く二重らせん構造は遺伝子DNAの形を見て分かる通り、本来は三次元空間に存在する立体構造であり、そのらせんが一周して平面上では同じ座標に来ても、必ずそこには以前とは違う変化、進化の跡が見られます。

その進化を確実なものにすること、そして肥大化した座標値によってその構造自体が壊れないよう、人類文明を持続可能なものとしていくことが、人類に課せられた最大の課題であると考えます。

 

村山節先生は、このたびの文明転換期は、およそ1975年から2075年の百年間であろうと推察されました。
もしそれが正確なものであるとするならば、今はもうすぐその中央に差し掛かろうとしている時であり、単純な波のモデルである正弦波の形を見て分かる通り、その波の変位は中央に近づけば近づくほど大きくなり、今からまだ数年間はこの時代を変革させる大きな波はその加速度を増してくるでしょう。

それが結果的に人類に何をもたらすのか。
その過程で人類にどのような変化を与えるのか。

人類が目指すべきものは、その歴史の流れから明確に定まっています。
問題は、人類がいかにそれに沿って“自己変革”をしていけるのかということであり、それに対する早急な問いとして、このたびの武漢肺炎の問題が現れたのだと感じます。

文明法則史学を知り、巨大な文明転換期が来ると知って31年、いよいよそれが明確な形になって現れ、身が引き締まる思いです。

 

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