トリチーでの日常_8

朝子どもたちを学校に送った後、午後子どもたちを迎えに行く前、茶屋でちょびっと休憩するのは頭と体をリフレッシュさせる貴重な一時です。

当然インドの庶民が利用する店ですので、日本的感覚では不衛生極まりないところで、それを許容すること、また許容できる自分を感じることは、心をとてもおおらかにしてくれます。
ばあさんはいつも入り口付近でインドでよく食されるサモサというのを作っていて、その手さばきを見ていると、今インドにいるな~という実感がわいてきます。

具材を市販の春巻きの皮のようなもので包み、横の鍋の油で揚げていきます。
鍋の火力は薪というか木の枝です、

朝はプライマリースクールの子どもがお父さんとやって来て、朝食を食べていました。
この子たちはホームの子どもではありませんが、サカイという名前は近隣の学校に知れ渡っていて、この子たちともすっかり顔なじみです。

二人ともとっても可愛らしいですね。
インドの女の子は、日本人よりも整った顔立ちをしている美人が多いように感じます。
が、しかし、その母親の世代になると急激に劣化するのか、魅力的と感じる女性に出会うことがほとんどありません。
日々過酷な環境の中での生活に疲れるのでしょうか、そういったものとは無関係な上流階級の女性たちとはほとんど交流がないのでよく分かりません。

 

昨日は町でマンゴーを買って帰りました。
店の人は数字ですら英語で話すことができず、ノートに値段を書いてもらいました。
かく言う自分もタミル語の数字の読み方を覚えていませんが・・・。

マンゴーは一個でいいと思ったのですが、大きいのが四個で定量らしく、仕方ないので四個とももらいました。
価格は大型完熟マンゴー四個で60ルピー、約百円です。
インド人に日本でのマンゴーの値段を話すとビックリします。

買い物を終えてプライマリーに行くと、子どもたちみんなが待ち構えています。
サカイー、サカイーとさかんに声をかけてくれて、終了間際になるとフェンスのそばに駆け寄ってきます。
フェンスは通常鍵がかかっていて網越しの交流です。

その鍵が開けられる前後に、隣のジェリコと呼ばれる上の学校、ハイヤーセカンダリスクールでも集団下校をするホームの子どもたちが列をなしていて、そちらにも足を伸ばします。
当然プライマリーの子どもたちからは呼び止められ、それを振り切るのはちょっぴり辛いです。

そしてみんなでワイワイ言いながらホームまで戻ると、時折親御さんが門を入ったところで待っていて、子どもたちに着替えやお菓子などを渡したりしています。
それを写真で撮ってプレゼントすると子どもたちは大喜びです。

このお母さんはスマホを持っていて、自分と子どもが二人してお母さんのところに近づいていくところをスマホで動画撮影されているようでした。
インドの田舎の人にとってやはり外国人は珍しいのですね。

 

ホームに戻ると昨日写真を撮ってもらっていないという子どもたちの写真撮影です。

本当にもう誰を撮って誰を撮っていないのか、まったく分かりません。
今朝も自分は撮ってもらっていないと切実に訴える男の子が何人かいたので、朝の礼拝の後でカメラを向けました。
けれど一人一回と言っているにも関わらず、中には二回撮った子どもが再度要求してきたり、順番に並ばずみんな団子になってカメラの前に群がってきて大混乱です。
「ライン、ライン」と言って撮影する場所に近づかないように線を引いても、すぐに押しくらまんじゅうで目の前に子どもたちが押されてきます。

そんな無秩序状態があまりにもひどいので、さすがに堪忍袋の緒が切れ、
「オッケー、タンビー(男の子)ノーフォト、オールフィニッシュ」と言い、カメラを持ってその場を立ち去ってしまいました。
さすがに後味の悪いものでしたが、これで無秩序な男の子たちがどう反応するのか、これも自分の学びと思って対処します。

そんな思いを抱えながら子どもたちと学校に行き、別れ際もいつも額に十字を切って欲しいと寄ってくる男の子たちから距離を置いてそのまま手を振って立ち去りました。
男の子たちの圧倒的パワーに対処するのは本当に難しいものです。

 

朝の文具店兼駄菓子屋に群がる子どもたち、インドの子どもたちにはすごい逞しさを感じます。

今朝は町でブドウを買って帰りました。
少し粒の長いマスカットで一度では食べきれない量があり、それで50ルピー、80円です。
ホームに戻り、ハウスマザーたちにも分けて一緒に食べてもらいました。

iPadを懸命に見ているエンジェルベリーは今日が誕生日で22歳です。
遠慮する彼女にプレゼントを渡し、今朝も記念撮影です。

プレゼントと言っても百円ショップで売っているようなものと小さなぬいぐるみ数個です。
それでも子どもたちはそれらを見てものすごぐうらやましがり、みんなでいろいろと真剣に話しをしていました。
特にぬいぐるみはタミル語でボンマイと言い、女の子だけではなく、男の子もものすごく欲しがります。

ものがたくさんあることは物質的豊かさですが、ほんのささいなものにも喜びを感じられる、それもまた別の物質的豊かさですね。