チェンナイへ

今日は4月の12日、インドでの残された日々もあとわずかとなりました。
10日の午前中トリチーの子どもたちと最後のお別れをし、トリチーからバスでチェンナイに向いその日の夜ホームに到着し、今は二度目の朝を迎えています。

チェンナイは4Gケイタイの受信状態が悪く、そうこうしいるうちにスシルがインド到着前に契約してくれた一ヶ月間有効のSIMカードの期限が切れ、ネットも電話もできなくなってしまいました。
そしてついさきほど、タンビに頼んでSIMの更新をしてもらい、ネットが復旧したところです。

たしかスシルが契約したのは、一日1.5GB使えて一ヶ月間300ルピーとか言っていたように記憶しています。
そして今日更新したのは、本当はあと四日間だけでいいのですが、一ヶ月間一日1GB利用可能で159ルピー、二百数十円でした。
日本の感覚で言うと超格安SIMです。

 

トリチー最後の日は9年生以外の子どもにとっても学校最後の日、思い思いの私服を着て学校へと向かう列に並んでいます。

男の子にカメラを向けるとみんな走り寄ってくるので、撮影は瞬撮を求められます。

たくさんの子どもたちから寂しいとか「オール・チルドレン・クライング」などの言葉をもらいました。
そんなに思ってもらって有り難いですね。
あんまりにも嬉しいのでついサンキューという言葉を返すと、なんでサンキューなのかという顔をされてしまいます。
こんな時はなんと言葉を返せばいいのでしょう?

町でも知り合いになったいろんな人に声をかけて回りました。
彼らは元ホームにいた子たちで、彼らからサッカーイと声をかけてくれました。
インドで人気のスポーツ クリケットのユニフォームを着て、試合のポスターを貼っているところでした。

 

南インドでポピュラーな食材、ココナッツの果肉テンガイ。

これはナイフで切り落とす以外に、刃を固定した器具を使って中身をそぎ落とすこともあります。
その様子を上手く撮ることができました。
Live photo(動画GIF)はいつもみんなに大受けで、これも大切な思い出の一枚です。

トリチーのホームを出たのは午前10時過ぎ、マーケットに買い物に行く車でトリチーのバスターミナルまで送ってもらいました。
出発の時間が少し遅かったので、最後の日も子どもたちと一緒に学校まで行くことができ、心に少しけじめがつきました。
前回二年前はホームで子どもたちが学校へ行くための行列を作っているところでお別れをし、ちっちゃな女の子たちの惜別の言葉に思わず落涙してしまいましたから。

 

トリチーバスターミナルではバスの出発を二時間近く待ち、チェンナイのマライマライナガールまで約6時間ほどの移動です。
その間やっぱり寂しさが募りますね、毎度のことですが。

バスはA/Cバスというエアコンの付いた高級バスで、インド人は後ろの座席に人がいるいないに関わらず座席を思いっきり倒してきて、それを除けばおおむね快適です。
けれど好きなように座席を倒すというのもその国のひとつの習慣なので、最初はちょっと不快でも、よく考えればそれを悪いと捉えることはできないように感じます。

休憩所でおばあさんが手にピーナッツやカシューナッツを持って売りに来ました。
それを見ていたら横にいた男性が「ピーナッツは10ルピー、カシューナッツは100ルピー」と通訳をしてくれました。
せっかくですので両方買い求めました。好物ですから。

インドのピーナッツは日本よりもかなり安くて味もひと味違ってなかなかです。
カシューナッツはインドでも高級品で、日本とあまり値段が変りません・・・と思っていたのですが、よく調べてみるとやはり日本のものよりもだいぶ低価格でした。
内容量表示が正しいとするならば、250グラムで100ルピー、160円です。
日本のAmazonでは1キロ二千円前後以上で売られていますので、三分の一といったところでしょうか。
袋がホッチキス留めで少し湿気ていますが、味は十分満足できるものです。

ひとつ気になったのが、通訳してくれたインド人と売り子のおばあさんとの言葉の中に、アメリカンという単語が含まれていて、どうも自分のことをアメリカ人だと話しているようだったことです。
すぐに日本人だと訂正しましたが、日本人としては背が高くて色の白い自分は、インド人からはアメリカ人のように見えるのでしょうか。

それとバスの中で観た映画は面白かったですね。
韓流ドラマ並みの出来過ぎストリーではありますが、痛快でした。

 

チェンナイのホームはトリチーと違って人数も少なく、実にのんびりとした雰囲気です。
ここでもやっぱりちっちゃい子たちが可愛いです。
この子はマンゴーを運んでいます。
これは甘くないマンゴーなので、辛みのチリと塩でつけ込み、マンゴーチャツネ、ピクルスという、日本で言う梅干しや漬け物のようなものにするのです。

みんな結構ボロボロの服を着ています。
この子は下のボタンを掛け違えているので直そうとしたら、下のボタンは補修用に一番裾に付いている予備のボタンで、だから大きく段違いになっているのでした。
けれどそれでも嬉しそうな顔をしているから “ノープロブレム” 、 “それでいいのだ♪” ですね。

チェンナイホームは田舎ですので、ホームの近くには牛がたくさん歩いています。
牛のほとんどは茶色や黒の単色で、こんなホルスタイン系はごくまれです。

これまで撮った写真をスレッシュに見せていたら、これはいい写真だねと言ってくれたのがこれです。
以前アップしたものですが、スクールバスの行方を遮る牛をハウスマザーがどかせています。

 

昨日はマライマライナガールの町まで買い物に出かけました。
サトウキビジュースを飲みたいとタンビに言ったところ、プレアダッシニーのお母さんのところに連れて行ってくれました。
このお母さんとは何度か会っていて、写真は何十回も見ているのでよく覚えています。

すごいハエだな~と思って写真を撮り、後でよく見たら、少なくともその半数以上は蜂でした。
糖分めがけて集まってくるのでしょうね。

ホームには子犬が二匹いて、以前いたゲージとは違って空になった水槽の中に入れられています。

今朝子どもたちが掃除をしたりする様子を見ながら鶴を折りました。
ひとつずつ鶴を置いていくと、自然と子どもたちが集まってきます。

折り鶴の周りでは、いろんな子どもたちの口からサダコ、サダコ・ササキという言葉が聞こえてきます。
佐々木禎子さんのことをタミル語の教科書に載せていただいて有り難いです。

 

スレッシュの部屋のテレビでは、いつも日本のNHK Worldを見ているとのこと。
日本に一年間留学していた彼は日本好きで、日本のニュースをよく知っています。

インドで日本文化を紹介するNHKを見て、つくづく日本文化は繊細で美しいものだと感じました。
それに対してインド文化は極彩色で彩られたような大胆さといったところでしょうか。

スレッシュは、息子のタンビを是非日本語を学びに日本に行かせたいと言っていますが、留学費用がかなりかかるので厳しいかもしれません。
けれどできれば協力したいと思います。

ここ数日は冷たいジュースではなく、冷水を買うようになりました。
ジュースだと糖分を摂り過ぎますし、冷水は冷たいだけではなく、水自体がとても美味しく感じられます。

スシルは市販のミネラルウォーターは美味しいけれど、あれはケミカル(化学物質)が入っているからだと言っていましたが、どうなんでしょうか。
冷水1リットル20ルピー、32円です。

 

このチェンナイホームはネット環境が悪いので、写真一枚アップロードするのにも時間がかかって大変です。
けれど今回は渡印直前にホームページをWordPressにしたので、その点で更新作業はとても楽になりました。

何事も不便を経験してみると楽なことの有り難さが分かります。
今回もインドでいろんなことを経験し、日本のことがまた新しい目で見つめられそうです。