トリチーでの日常_5

トリチーの夜は高温多湿、無風、蚊、爆音の四重苦で寝苦しく、途中何度も目が覚めてしまいます。
断続的睡眠を取りながら、午前5時過ぎに子どもたちが洗顔、水浴びに来るのを待ち遠しくしています。

ちっちゃい子をはじめ、子どもたちはみんな上手に洗濯をします。
自分も洗濯物を持って下に下りると、その下手な手つきが目に余るのか、いつも親切に手伝うか代わりに洗濯をしてくれます。
子どもたちはみな基本的にとても親切です。

滞在しているスタッフルームを別の角度から撮りました。
“常夏の国” のことを “ココナツの国” と言い間違える人がいるようですが、それもあながち間違いではないような気がします。

それにしてもやはりインド製のバッグはボロでした。
先日肩紐が切れて無事つなぎ合わせてもらいましたが、使い始めて二週間、早速内側が破れてきました。

肩紐部分の内部が露出しています。

収納部分は四分割されていて、それを隔てる布地がこんな感じです。

4月15日、インドを発つまで保ってくれればいいとしなければいけません。
それか破れていてもインド的にノープロブレムとするか、そのどちらかです。

朝は学校に行く前の子どもたちとひとしきり戯れ、子どもたちと一緒に学校まで歩いて行き、その後ホームに戻って水浴びをしてから一二時間昼寝をします。
午前中は風も涼しく子どもたちの叫び声もなく、ちょっとしたパラダイス気分です。

正午頃になると子どもたちの部屋からランチプレートを取り、それを持ってキッチンに行き、自分の好きな量だけご飯を盛りつけます。
この日は10学年を終えた両親のいないアレックス、ハウスマザーの娘でイングリッシュ・ミディアムに通っているミシャンティニがホームにいて、ずっとそばにくっついてくれています。

日本風に言えばやっぱりカレーでしょうか、ご飯の上にウェレンコランブルというトマトペースのものとジャガイモのウッレクランブルというのを乗せていただきます。

ジャガイモがホクホクしていて結構美味です。
日々のランチはだいたいこんな感じで、味は相当辛めです。
日本人には水なしに食べることができませんが、インド人は水をほとんど口にしません。

子どもたちのいる時間帯の軽食ティッフィン、朝食、夕食は、基本的に男の子たちのコテージでいただきます。
男児コテージは三つあり、みんな自分のところに来て食べてくれて猛烈なアタックをしてくれて、体がひとつでは足りない気分です。

上の写真で顔を隠しているのがミシャンティニの母親です。

子どもたちは本当によく食べます。
自分は常時子どもたちからいろんなおやつをもらうこともあり、またあまりの酷暑にさらされて食欲は減退気味です。
量的にはプライマリーの子どもたち以下で、一人辛い辛いと言いながら、水を大量に飲みつつ食べています。

食べている間もサカイ、サカイと連呼する声は止むことがありません。
正直かなりうっとうしいですが、それでも子どもたちは優しくて、昨夜はあまりの辛さにヒーヒー言っていたら、黒砂糖の塊のようなものと甘いナッツのお菓子を持ってきてくれました。
それを口に入れると確かに辛さが少し収まりますね、子どもたちの優しさに感動です。

子どもたちと歩く通学路があまりにゴミだらけなので写真を撮りました。
手前の白いのはむしり取られた鶏の毛で、異臭を放っています。

そんなゴミが大量にたまるとそれを片づけるのではなく、燃やしてしまうのがインド流です。
こんな燃えかすもいたるところで目につきます。

町中でもゴミの処分は焼却です。

この場所は子どもたちが車を避けながら列になって歩くところ、日本人的感覚では “めちゃくちゃ” ですが、インド的にはノープロブレムです。

汚い写真の後にはきれいな写真を。
兄弟三人で運営するセント・ボニフェス・アンバハムはインド最南端タミルナド州三カ所にホームがありますが、長兄スギルタンが運営していた一番南のカニャクマリ(ナガラコイル)のシオンプラムのホームは昨年閉鎖され、そこに通っていた何人かの子どもたちがここトリチーホームに移ってきました。
この三人はこれまでも顔見知りのカニャクマリの女の子たちで、みんなここのホームの子どもたちと仲良くやっています。

もうそろそろ学校に子どもたちを迎えに行く時間です。
学校では門を入ったところでおばあさんが駄菓子を広げて売っています。
おばあさんと言っても意外と自分よりも年がだいぶ若かったりしますが・・・。

このおばあさん、どこかで見たことがあるなと思ったら、いつも行く学校横の茶店のばあさんでした。
いつも出張販売しているようです。

駄菓子はだいたい一個1ルピー、1.6円ほどです。
ちっちゃなビニール袋に入ったジュースや氷菓子も1ルピーで売られていて、とにかく強烈に喉が渇くのでそれをよく買って飲んでいました。
すると男の子たちからあれは汚い水で作られていて科学物質が入っているから飲まない方がいいと注意されてしまいました。

水は一日5リッターは飲むでしょうか。
「タンニ(水のこと)イズ・マイベストフレンド」と子どもたちに公言するほどで、水は常に肌身離さず持っています。
そしてその水に日本から持ってきた酸っぱさの元であるクエン酸を入れて飲んでいます。

この暑い中、なんとか体がもつのはこのクエン酸のお陰も大きいと感じます。
これを入れないただの水はなんだか頼りなく感じ、クエン酸は暑い中でも体をシャキッとさせる効果があるようです。

キッチンに大きな浄水器があり、いつもその蛇口から水を汲んでいます。

水を汲む時に、なぜかグェーグェーという動物の鳴き声のようなものが毎回聞こえ、最初は機械音かなにかかと思っていたら、なんと大きな二つのタンクの間で鶏が飼われているのでした。

外にもたくさん鶏がいるのになぜこの場所に・・・。
インドの不可解さは底知れずです。