心身に障害を持つ人の状態は様々で、外見ですぐに分かる人もいれば、深くお付き合いをするか本人から告げられなければ分からないこともあります。
障害を持つ人に対し一時的な介護をする際、必要な情報は尋ねますが、プライベートな属性である障害の種類や程度を積極的に尋ねることは通常ありません。
また回りの人の介助が必要な人で必要な場合でも、なかなか自分からそれを言い出せない人が多く、そんな人にでも気軽に声をかけてもらえるようにということで、介助や手助けの積極的意志を示すためのマーク「サポートハートマーク」が生まれました。
【#サポートハートマーク って?】
「困っている人を助けたい」という方が身に着けることで、「困りごと」を持つ方が助けを求めやすくするためのマークです。📺✨早わかり動画はこちら✨📺
(最後にご協力いただいた企業の宣伝が入っています) pic.twitter.com/NlMy3S7hDk— サポートハートプロジェクト運営チーム (@Mienai_Project) August 15, 2019
「サポートハートマーク」のことは以前もこのホームページでご紹介したことがありますが、あれから回りのボランティア仲間何人かから要望をもらい、ホームページからダウンロードできる台紙を使い、先日キーホルダーを十数個作りました。
これをバッグなどに付けて持ち歩き、自分がお手伝いをする意志があることを伝えます。
この小さなキーホルダーが回りの介助や手助けを必要としている人の目に入るかどうかは分かりませんが、これを身に付けることによって自分に自覚が芽生えることは確かです。
キーホルターは100円ショップ・ダイソーの定番のものを使って簡単に自作できますので、何かヘルプをしたいと思われる方は是非とも作って持ち歩いてみてください。
よく考えてください。
もしあなたが何らかの能力、例えば走ること、字を書くこと、数字の計算、あるいは人の名前を覚えること、知らない人と話をすること、こういったものが著しく劣っているとして、そのことを回りの人たちみんなに知らせたいと思いますか。
またそれをみんなに知られて嬉しいと思うでしょうか。
人間は誰しも人に知られたくない、触れられたくないものがあるものです。
たとえそれが少し付き合えば分かってしまうもの、例えば顔にある大きな傷であったとしても、そのことは自分から口にしたくはないし、回りにも話題にして欲しくはないはずです。
そんな人間の基本的人権を踏みにじるような事件があり、とても驚いています。
自治会役員らが障害の記載を強要か 男性が自殺し遺族が提訴 – ライブドアニュース
知的・精神障害がある男性(当時36歳)が自治会の役員らに障害者であることを記した書面を書くよう強要され、自殺したとして、男性の両親が自治会と役員らに計2500万円の賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。両親によると、男性は「おかねのけいさんはできません」などと障害の影響についても詳しく書かされ、他の住民にも見せると告げられた翌日に自殺していた。31日に第1回口頭弁論があり、役員らは争う姿勢を示した。
こなな書面をかかされて、回りの多くの人に見せられて、自殺されたこの男性はどんな辛い思いをしたことでしょう。
考えただけで胸が苦しくなります。
どんな事件や事故でも、一方の側の意見しか報じていないものはその是非を判断することはできませんが、この件は明らかに自治会側が狂っているとしか言いようがありません。
障害を抱えている人がそれでいかに大きな苦しみを背負っているか、それを察する能力も心遣いも完全に欠如しているのでしょう。
そしてこんなことを平然と要求してくる自治会とはいったいどんな組織でどれほどの価値があるものなのか多いに疑問を感じます。
これで思い出すのが5年前、一橋大学で同性愛の男子学生が恋愛感情を告白した相手にその性的嗜好を暴露(アウティング)され、それを苦に自殺した事件です。
一橋大学アウティング事件 – Wikipedia
暴露した方はほんの何気ない気持ちだったのでしょうが、そのことで長い間苦悩を抱えていたであろう当人にとってはまさに死に値するほどの苦痛だったのでしょう。
セクハラ、パワハラ、モラハラ、・・・最近はいろんなハラスメントのことが言われますが、何かそういった事件が起こった時、加害者側は必ずと言っていいほど「そんなつもりはなかった」「それほどたいしたことはしていない(言っていない)」と弁明します。
それは加害者側に相手の気持ちを察する感性が欠如しているということです。
大切なのは「自分がどんなつもりか」ではなく、「相手がどう感じるか」です。
ダイバーシティ、多様性の時代と言葉では言いますが、ほぼ単一民族で本質的に均質化を望み感性が鈍くなった今の日本人にとって、多様な相手の価値観を認め、言葉で伝えられなくても察するというのは難しいことです。
そのためにも自分と生活、性格、立場の異なる人たちと積極的に関わっていくことが大切です。
「みんなちがってみんないい」
少し前にブームになった金子みすゞの詩に、多くの人が憧れと心の故郷のような思いを抱いたのだと思います。
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