明るくとらえる<7>

座禅

「明るくとらえる」ということをテーマに日々文章を書きながら、ロックダウン中のインドという特別な環境の中で自分を見つめ、自分の内面が大きく変わってきているのを感じます。

ここで紹介していることはどれも簡単なことばかりです。
とにかくそれをやるかやらないか、それがすべてです。

随分以前に摩擦について書いたことがあります。
摩擦には止まっているものにかかる静止摩擦と動いているものにかかる動摩擦の二種類があり、最初に止まっているものを動かす静止摩擦の方が、動いているものを維持、加速させるための動摩擦より大きくなります。

つまり最初の一歩が難しいということ。
まずはこれを克服しましょう。
この一歩が「最大の目標だ!」と思うぐらいにして取り組み始めましょう!

 

その簡単な一歩が幸せの大きな鍵です。
一度頭の中を整理してください。

近藤麻理恵さんの片付け本には、片付けの対象となるものを最初に全部表に出すと書かれていて、衣類を片付ける時は、タンスの引き出しをすべて開け、中のものを全部床に積み上げるのだそうです。

これはブレインダンプという手法ですが、最初に頭の中にあるものをすべて書き出します。
「将来的にこんなことをやってみたい」「これをやれば幸せになれる」、未来に向かって取り組みたいこと、今やらなければならないこと、そういうことを細かいことも含めて思いつく限りすべて書き尽くすのです。

そうすると、簡単にできるのに長い間やらずに放置していたことがいくつもあることに気がつくはずです。
例えば「愛用のシャツの取れかかっているボタンを付け直す」とか「切れたままになっている電球を取り替える」とか、そんな些細なことです。

それらすぐにできることをまとめてすますと、気持ちがスッキリして超快感です。

こんな簡単な、すぐにできることをすぐにする習慣を付けておくと、
『自分にとって大切なことへの第一歩』のハードルが低くなります。

 

自分は今の特別な状況をなんとか・・・という思いでこれまで学んできたことを真剣に見つめ直すことができました。
この難儀な状況が、実践を深めるハードルを下げてくれました。

今日も心の中のマイナス感情を手放そうとしましたが、そのマイナスの感情がなかなか浮かんでこないのです。
本当に有り難いことだと思います。

 

不安、この言葉の対義語はなんでしょうか?
一般的には安心だと思うのですが、安心はただ単に不安がない状態を示していて、不安の持つマイナスの真反対のプラスの意味合いはあまり強く感じません。

ですから不安の反対には、希望、喜び、そういったものがあるように思います。

 

今の状況は不安要素がいっぱいです。
ロックダウンはいつ解除されるのか、外国人の自分が700キロ先の州都チェンナイまでどうやって移動するのか、感染の酷いチェンナイの状況はいつ改善されるのか、国際線の就航は、ビザはスムーズに取得できるか、チェンナイの猛暑はしのげるのか、航空運賃は高騰しないか、渡航禁止国に指定されたインドから日本への入国は・・・。

考えれば山ほど心配しなければならないことがありますが、いずれも今の自分の努力で対処できるものではありません。
だとしたら思い悩むのはまったく無駄なことです。

けれどこの無駄なことで悩んでしまうのが人間の弱さであり、悩みの本質であり、自分はここインドでそのことに意識の焦点を当て、悩みという苦しみから九割方解放されました。

逆にこれから環境に恵まれたこの地を移動し、どんな新たなドラマが待っているのだろうという大きな期待で胸がワクワクするほどです。

 

引き寄せの法則で語られているように、身の回りの環境はすべて自分が想像して創り出した世界です。

今はそれが深く得心でき、今こそ己の魂が大きく飛躍することを望んで今の状況を創り出したのだと強く感じられます。
だからこそ不安要素がたくさんある今の状況は希望であり喜びです。

これは今という時代の大変革期に於いて、多くの人が同様の体験をしているものと信じます。

けれどその多くの人の中で、どれぐらいの人がその意味を理解し、喜びを持って受け入れているのでしょうか。

 

不安に溺れることが悪いわけではありません。
大きな不安を抱えると、人はなんとかそれを乗り越えようとし、そこから大きな学びを得るものです。

ただそこから長く抜け出せずに苦しみ続け、横道に逸れてしまっては不幸です。
そうならないためにも、ここで紹介した方法を実践していただきたいと願います。

 

不安というのは、聖人でもない限り完全に払拭することはできないのではないでしょうか。
不安から安心、希望や喜び、それらがひとつの直線状に並び、自分の心がそのどこかに位置するというのではなく、誰しもがそれらすべての感情を心に抱え、いい具合に折り合いをつけながら生きているのだと感じます。

人は不安があるからなんとかしようと努力をします。
不安は手放せた方がハッピーですが、「不安があると絶対に幸せになれない」といった頑なな気持ちも同時に手放し、自然体で処するのがいいと思います。

 

これを書いているのは5月29日、インド時間の夜9時です。
6時頃から書き始め、7時からスレッシュの息子タンビに日本語を教えるので中断しました。

タンビは部屋に入ってくると
「サカイさん、何かいいことあったの?」
と尋ねてくれました。
よっぽど幸せそうな顔をしていたのでしょうね。(^o^)

 

この一連の文章の最後に、明るくとらえる身体ということについて語ります。
これはつい最近思いを深めたところで、是非ともこの身体感覚を体で理解してください。

時間の流れで過去というのは陰性の理、これは拡張、膨張の性質を持ち、体では末端に相当しいます。
ですから過去の出来事に思いを馳せる感謝をする時は、ソファーなどでリラックスしながら、少し顔を上向きにし、頬を緩めてイメージするのがいいのです。
そして人体の末端である爪を揉むのが体への感謝で最も心がこもります。

未来はこれの真逆です。
背筋を伸ばし、握り拳に力を入れ、唇を噛みしめ、眉間にシワを寄せながら、
「よ〜し、やってやるぞ〜!」と未来に向かって誓いを立てます。
これは収縮、陽性の理です。

では過去と未来の中間にある現在はどうなのか。
これは武道で言うところの上虚下実、腹に力を入れて肩の力みを取った状態、背筋、身体の中心軸である体幹の力を維持しながらもその周りをリラックスさせた状態です。

座禅はまさにこのスタイルですね。
無念無想で今この瞬間に意識を集中するには、体幹を緊張させながらも周りを弛緩させるあの座禅スタイルが最も適しているのです。

座禅

 

過去の後悔、未来への不安と恐怖、この「明るくとらえる」妨げとなる余分な感情を手放す本質的解決策は、今この瞬間のみに意識を集中することであり、多くの宗教もこの境地を目指しています。

これができるためには、座禅のできる身体、強い体幹力、健全な腸と脳との関係が求められます。

インドの立腰

ですからこれまで同じことを何十回も言ってきましたが、現在の日本人が弱い腸の機能を高めることが何より大切です。

怒りの感情

それとともに体幹軸の上端と下端を鍛えることも極めて大切であり、かつ効果的です。

自分はここインドでも毎日舌の筋肉を鍛えるペコぱんだパタカラは実践しています。

ペコぱんだは最も硬いものを百回ぐらい舌先でへこまし、パタカラは椅子に腰掛け、肛門を締めるムーラバンダを千回(約5分)する間噛み締めています。

 

時間の流れは今現在が基本であってすべてであり、ここをきちんと捉えられないから過去や未来に思いが流れてしまいます。

肉体も同様であり、体の中心軸が安定していないと余分な感情が湧いてきます。

これはきっと周りの人たちを観察するとよく理解できるでしょう。

 

繰り返しますが、とにかくやってみること、やってみたら何かが変わります。

相田みつを

自分もこうやって思いを書き綴ることにより、昨日は「感謝日記」は挫折して自分に合っていないと書きましたが、あれから気持ちが変わり、再度チャレンジしてみることにしました。

 

これからは人類が大きく進化できる時代です。

これからもともに歩みましょう。(*^o^*)

2件のコメント

KOHOです。いつもお世話になっております。インドから帰国するのに,個人では解決出来ない事があると思います。
私はネパールに旅行中に帰国出来なくなり、4月に大使館手配の航空機で帰国出来ました。
酒井さんと同じような状態でした。ロックダウン、空港閉鎖、ビザの期限切れ、航空運賃(通常の4倍位)等々いろいろ体験しました。たびレジに登録していたので、その都度、正確な情報をメールで知らせてくれます。大変役に立ちました。
ではまた、お元気でお過ごしください。

KOHOさん、再度コメントありがとうございます。
ネパールに行かれていたのですか。
ここから2000キロ以上離れていますが隣国ですね。

チェンナイからも特別機が出ていたようですが、まずチェンナイへの移動がかないませんでした。
チェンナイには極めて親切なスシルがいて、彼に相談しながら対応を任せています。

自分は今環境のいい宿泊費のかからないところで過ごせて幸いです。
明日でいよいよ再再延長されていたロックダウンが解除されるので、まずはそれを見守りたいと思います。
しかしながらインドはなかなか感染拡大が止まりません。
日本は素晴らしい国だと感じます。

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