先日、文明法則史学研究所の代表である服部匡成氏の講演会が広島で行われ、歴史の持つ生命観、それに基づきこれから人類はどう歩むべきなのかということを多くの方に感じ取っていただきました。
文明法則史学は自分にとって最も大切な思考基盤であり、その講義を受け、文明法則史学に対する思いとそこから導かれ推察する個人的な考えを書いてみます。
文明法則史学の概要については、文明法則史学のホームページ、服部匡成氏の著書をお読みください。
文明法則史学(文明800年周期説)ホームページ
CC(文明サイクル)
季節が南半球と北半球で1年周期の四季を繰り返すように、歴史、文明の興亡は東洋と西洋で1600年周期の循環を繰り返しています。
これは自然現象として“あるもの”であり、季節が春先に雪が降ったり晩秋に暑い日があったりと多少の変動はあっても周期性が大きく狂うことはないように、この法則性に大きなブレはありません。
この歴史が描く二重らせん構造は生命をつなぐ遺伝子DNAの構造と完全に一致します。
けれど東洋と西洋、二つのラインが交わることはなく、その交点に当たる位置では、衰退する文明が地域紛争や民族大移動などによって壊滅的な文明崩壊現象を起こして一時的に途切れています。
今回の文明大転換期はおよそ1975年から2075年、この時期に文明の覇権が西洋から東洋へバトンタッチすると予想されます。
けれど現在のような肥大化した西洋文明が崩壊することは人類全体の危機へとつながる可能性があり、それをいかに穏やかに推移させるかが人類全体に与えられた課題であり、そのための叡智として文明法則史学が与えられたのだと考えています。
SS(社会秩序)
1600年周期の長いCC(文明サイクル)の中に、SS(社会秩序)と呼ぶ世界の各国、各地域が創出する社会体制が生まれています。
その数は1CCの中に四つほどあり、これは四季、DNAを構成する四種類の塩基に相当すると考えられます。
けれどSSはCCの自然現象とは異なり、人間社会が“作るもの”であり、SSの期間には長短があり、また1CCの中にSSが3つしか存在しないこともあります。
CCが衰退期(準備期)から成長期へと生物の成長と同じ特徴を持ちながら推移するのと同調し、そこに存在するSSもまたCCの中のその時期に応じた特徴を持っています。
また約300年続くSSもCC同様ひとつの生命リズムを持ち、幼少期から壮年、老年、そして死に至るまでその時期に応じた文化や芸術を生み出しています。
マクロ的真実
文明法則史学は歴史の大きな流れ、生命現象を解き明かした人類初の学問です。
これはマクロ(極大)的見方であり、様々な回りの要素が関係し、複雑系とも呼ばれます。
また科学というミクロ(極小)的見方とは対極であり、その正しさを簡単に証明することはできません。
それは遺伝子組み換え食品は長期的には人体に有害であるという意見があるものの、それを科学的かつ明確に証明できないのと同じです。
その中で文明法則史学の発見者である村山節(みさお)先生は寝食を惜しんでその研究、解析に取り組み、現在も何人かの研究者によってその取り組みは続けられています。
また村山先生は生前、日本の有名大学の歴史学者たちに文明法則史学の研究論文を、
「もしこの論文に反対意見があるならば是非申し出てください。
私はそれに対して真摯に意見を交わします」
というような文章とともに送られました。
そしてそれに対して反論を唱えた学者は一人もいなかったとのことです。
文明法則史学は村山節先生や各研究者だけではなく、船井幸雄、浅井隆、岸根卓郞といった各氏の著書でも紹介されています。
文明法則史学という歴史の持つ生命現象の解析と証明は、これまでも、またこれからも続いていきます。
中国共産党体制とアメリカの崩壊
今は800年に一度の文明の大転換期、西洋から東洋へと文明の覇権が移る時です。
文明法則史学からは離れますが、東洋思想の基本である陰陽論では、陰と陽は陰陽の序列で陰がはじまりです。
そして東洋は陰、西洋は陽とされ、CCが陰陽ワンセットの大きな流れと考えたならば、今は1600年に一度の巨大な文明転換期ということができます。
さらに今や人類は世界を何度でも滅亡に追いやるほど大量の核兵器を保有し、何らかのキッカケで世界崩壊への道へと進む危機を常に抱え、その意味では今は有史以来、人類の生き方を大きく変えることを迫られた巨大かつ最大の文明転換期であると言えると考えます。
その新たな人類の生き方を示す役割は東洋にあり、現在東洋で最も力を持っている中国における中国共産党一党支配体制は歴史の生命体であるSSの要件を満たしておらず、ここ数年のうちに崩壊するであろうと考えるのが妥当です。
<服部 匡成 – 「文明法則史学で斬る」vol.176>
そしてそれは、これまで覇権を握ってきた西洋文明の最後のSSであるアメリカ資本制が、1965年の泥沼化したベトナム戦争勃発以来衰退の一途を辿り、2020年の米大統領不正選挙あたりから完全にg点(終末点)到来が近いことを予感させる、その崩壊時期と近いものと予想されます。
急がれる日本のa点創出
新たなる東洋の時代の盟主となるのは日本の役割です。
そのためには新たなる日本のSS(社会秩序)を一日も早く創り上げなければなりません。
けれど日本は長くSSを創れていません。
これは人間でいうならば懐妊してからなかなか出産に至らないということであり、その間母胎で大きく成長できていればいいのですが、実際は胎内で出産に耐えうる成長ができていないので誕生というa点を迎えられないのが現実です。
このa点の時期が遅れるということは、これまで栄えてきた文明とうまくバトンを交わせないということです。
また急ぐあまり不完全な状態でa点を迎えたならば、人間の未熟児と同様、a点(誕生)以降の発展に大きな影響を与えます。
これはこれまでの各国SSを解析した結果からも明らかです。
今という巨大な文明転換期、その魁となるべき日本SSがこのようなことになったなら、日本のみならず世界全体、そして今後数百年かそれ以上先の人類の未来にとっても極めて不幸なことです。
新日本SS
その誕生を急がれる新日本SSの姿は、服部匡成氏作成の図表でこのように示されています。
現在のアメリカ従属型の姿勢から脱却し、他と共存する新たな日本独自のビジョンを築かなければなりません。
また服部氏は、「 OR の時代 から AND の時代へ」、そして西洋から学び引き継ぐものとして量子論をあげられます。
この二つはまさに東洋的叡智です。
ANDとは、違いを分析する西洋的科学思考ORとは対極の融合、関係性の理合いです。
量子論は、波動と粒子の二重性という“AND”の世界の概念であり、観測によって結果が異なるという相対世界の真理を説いています。
こういった考え方はまったく新しいものではなく、古くから東洋、日本で語られてきたもので、その意味で、新日本SSはまったく新たに創造する以上に、これまで振り返られることのなかった、あるいは意図的に隠蔽されてきた伝統的価値観を取り戻す意味合いが強いのではないかと考えられます。
相対世界は自らが創り出す
現在世界を取り巻く状況は、真実を知れば知るほど落胆することが多いというのが実情です。
けれど今は新たな誕生を迎える産みの苦しみを味わう時です。
また厳しい状況が客観的事実であったとしても、この世界の究極は相対であって、観測、思考する者によって結果が変わるという世界です。
観念的表現ですが、この世の主役は観測者である自分自身であり、自分が変われば世界が変わります。
そしてそれが真実であるかどうかに関わらず、そう心に置いて生きることがよりよい生き方であると考えます。
新たなる人類の未来、新日本SS創造に向けて、志ある仲間たちといい関係を持ちながら、ともに歩んでいきましょう♪
・東洋、日本の文明を一日も早く創出、復活させる