マドラス・クリスチャン・カレッジ

3月20日、朝スレッシュにマライマライナガールの駅まで送ってもらい、
マライマライナガールから7つ目の駅であるタンバラムに向かいます。
タンバラムは乗降客の多い、スシルの家の近くの大きな駅です。

バスでも列車でも、インドの公共交通機関に乗ると、
インドの空気がとても感じられて嬉しくなります。
列車は日本の新幹線と同じ広軌で、
JRの在来線よりも40センチ幅が広く、
座席は横並びに三人掛け、そして通路を挟んでまた三人掛けのシートです。
ちょっと殺伐とした空気の中、さすがにカメラのシャッターは押せませんでした。

列車(ディーゼル)で約30分、5ルピー、9円弱、日本と比べると激安です。
切符は乗る駅で買い、降りる駅に改札はありません。

駅前の店、最近はインドでもマックやケンタッキーの店はいたるところで見られますが、
日本でもおなじみの “KIOSK” という単語を見つけました。

調べてみると、KIOSKとは簡易型店舗みたいな意味なんですね。
初めて知りました。
<キオスク – Wikipedia>

店のすぐ横、駅を出たところにヒンズーの神様を奉った寺院があり、
たくさんの人が靴を脱いで手を合わせていました。

この寺院の近くでスシルの奥さんのお父さんと待ち合わせをし、
駅のすぐ前にあって広大なキャンパスを持つマドラス・クリスチャン・カレッジへと連れて行ってもらいました。
キャンパスは一辺がキロ単位と思えるほど広く、中はうっそうと樹木が生い茂るジャングルのような状態になっていて、猿、鹿、リスなど様々な動物が棲んでいます。

入り口を入ったすぐのところに「コリアデー」の看板がありました。
大学には韓国語クラスがあり、韓国人学生も多いとのこと、
そして残念ながら日本人はいないとのことです。

この日は社会活動を専門とする分野の先生と打ち合わせをしました。
インド、日本、それぞれの国に文化があり、いいところがあり、
それと同時に互いに学び合える面があります。

インドに対してひとつ提言したいのが環境問題です。
インドに限らず現在急速に経済発展している国は、化学物質の汚染に対しての対策が遅れています。
そしてその根底にある精神として、インドではゴミをそこらじゅうに捨てますが、この習慣を改める必要があります。
実際インドのモディ首相も『クリーンインディア』というスローガンを大きく掲げています。

日本のハイテクノロジーとして、こんなビデオも見ていただきました。

このバクチャーの技術には大いに関心を寄せられました。
こんな日本のハイテクがインドの環境改善に役立てられれば素晴らしいです。

そして日本で公衆トイレを掃除するビデオも見ていただきましたが、これはインドでは難しいようです。

大学の学生に構内の掃除をさせたところ、その写真が新聞に載り、
「勉強するために来ている学生に掃除をさせるとはなんたることか」
と非難の声が上がったそうです。

インドでは職業身分制度であるカースト制が根強く、ゴミを拾ったり掃除をする人は伝統的にカーストの低い者がすることと決まっています。
そのことを何人かのインド人に尋ねると、最近はそうでもないという人と、そうだという人が半々でした。
このあたりは日本人の考え方と大きく異なり、尊い人ほど下座行をいとわないという考え方はないようです。

けれど大切なのは、一人一人が「身の周りをきれいにしよう」というその精神です。
そのことだけはインドの先生たちにも理解していただけました。

慣れない英語で難しい話をし、体の芯からくたびれました。
お昼は大学すぐ横のスシルの家に行ってランチをよばれ、少し風邪気味だったのでしばらく横にならせていただきました。

夕方になってスシルが帰ってきたので、一緒に再び大学キャンパスへと向かいました。
今度はスシルが通訳をしてくれるのでとても楽です。
牧師でもある大学の先生たちとの記念写真、スシルが撮ってくれました。

今回の旅の大きな目的であるインドに対して社会貢献をしたいという願いを叶えるため、これからも努力を続けます。

大学ではほとんど写真を撮ることができませんでした。
これは翌朝、スシル宅の屋上から撮った写真、塀の向こうが大学キャンパスです。