破壊の時

ヒンドゥー教の三大神

陰と陽、死と生、破壊と創造、これらはみな二つでひとつ、共生の関係です。
そしてこれらは完全にバランスを保っているがゆえ、永遠に循環し続けることができます。

けれど多くの人は、明るい陽はいいけれど暗い悪はダメ、生はめでたいもので死は忌み嫌うべきもの、創造は素晴らしいけれど破壊はできれば避けたい、そう考えられているようですが、これは人間がその場の狭い目でとらえた価値観であり、これらに本来善悪はありません。

インドヒンドゥー教の神は三神一体です。
創造神ブラフマー、維持神ヴィシヌ、そして破壊神シヴァがいて、ものを創り出すだけではなく、それを維持し、破壊することもまた神の恵みによって行われる神聖なものとしてとらえています。

ヒンドゥー教の三大神

 

文明法則史学ガイアの法則で説かれているように、今は極めて大きな文明の転換期であり、これまで隆盛を極めてきた文明や価値観が崩壊し、新たなものが生まれようとしてきています。

その転換期の規模は、文明法則史学の流れから見て確実に分かっているスケールとして800年、ガイアの法則ではこれを12888年(25776年)に一度の大きなものとしてとらえています。

この転換期を正確な年号で示すことはできませんが、文明法則史学の提唱者である村山節先生は、だいたい1975年から2075年の百年間がそれに当るだろうと示され、ガイアの法則では、今回の転換期は阪神淡路大震災が起こった1995年から始まったとされています。

いずれにせよ、今はその大転換期の真っただ中、その前半部分であろうと思われます。

 

転換期の順序として、まずは古いものの破壊が起こり、次に新たなものの創造です。
これは誰にでも容易に理解できるでしょう。
古いものを手にしっかりと握りしめた状態では、新たなものをつかみ取ることはできません。

そして今は大転換期前半であるわけですから、今最も求められているものは旧来の文明、価値観の破壊です。
どんなものも絶対ではありません。
これまでの時代、高い価値を認められていたものも時の流れとともに弊害が表に現れ、時流に沿わなくなってくるのは必然の理であり、これが『諸行無常』です。

 

今の大転換期における価値観変容のスピードは急速であり、これは今後ますます加速してくるであろうことは間違いありません。

それは文明の転換でも四季の移ろいでも、その変化の波が描く二重らせんは正弦波という最もシンプルで美しい波を描いていると考えられるからです。

正弦波

その波の上で多少のデコボコはあるものの、なぜこのようなシンプルな波になるのか、それは生命の描く波が地球や太陽、宇宙の運行のリズムとシンクロ(同期)していて、宇宙の星の動きが狂いのない正確で一定なものだからです。

この正弦波の中で、最も変化の度合いが大きくなる、つまり線の角度が大きくなるのは、上の図のX軸と交わるところです。
これは文明興亡の波でいうところの転換期の中心であり、今という時はもうすぐそこに至ろうとしているところなので、そこに至るまでは変革のスピードは増していくということです。

さらに付け加えるならば、日の出、日の入り時刻も、夏至や冬至のピークの頃はほとんど変化がなく、転換点である春分、秋分の頃に最大となります。
今年の広島の日の出時刻は、夏至の頃は4時57分という最も早い同じ時刻が八日間続き、春分、秋分の頃はほぼ毎日1分間ずつ変化し、その差は極めて大きなものです。

 

破壊と創造はある時を境に別々に起こるものではなく、季節の変化がなだらかなであるように、最初は破壊のエネルギーが勃発するとともにその下に新たな創造の芽が生まれ、破壊が進みそれが沈静化し、新たな創造がきちんとした形となって現れてきます。

今は自然破壊が進み、人類の多くが死に絶えるような巨大な自然災害がいつ起こっても不思議ではありません。
また第三次世界大戦となる全面核戦争の危機も拭えません。
その意味では、今は人類史はじまって以来の巨大ターニングポイントであることは誰しもが感じているでしょう。

けれどそんな中、そういった危機も現在人類が持っている科学技術を駆使して解決し、今の科学中心文明のまま、今後何十年も人類は発展を続けていくと考えている人も少なくありません。
そういった考えの人と初めて出会った時、あまりにも自分がとらえている思いとかけ離れているのでちょっとした衝撃を受けました。

そこでなぜそういう考え方になるのかを思案してみると、今崩壊の時を迎えているこれまでの文明や価値観があまりにも強靱であり、これが時流に合ったより理想的なものに変わるはずはないという諦めがあるのではないかと感じます。

それと日本人的危機意識の薄さです。
これまでなんとなくやってこれたから、これからもこのまま行くのではないか、そういう希望的観測です。

 

破壊と崩壊、ほぼ同じような意味ですが、破壊の方が強烈で崩壊はよりソフトな印象です。
同じ崩れるのなら、より自然に、自らの意志でもって古い衣を脱ぎ捨てる方が衝撃は少なくて済むはずです。

けれどどうでしょう。
日本だけを見ても、国の中心である政治、経済の旧態然とした体制は盤石であり、そこに末端の国民が大きな不満を持ったとしても、それが簡単に変わるようにはどうしても思えません。

けれどこれが変わっていかなければならないのが時代の理であり、自然に、自らの力で崩壊させていくことができなければ、何らかの外圧によって破壊されなければなりません。

だからこそ今の時代は「崩壊の時」ではなく、残念ながら「破壊の時」と言わざる得ないのです。

 

文明法則史学研究家の浦崎太郎氏が、以前の講演で歴史を仔細に分析した結果として、
「これから始まる日本文明SS(社会秩序)は、これから生まれようとする胎児に相当するP期(pregnancy、妊娠)であり、この時期、2020年までに日本の基底文明とも呼べるようなものが現れないと、その後のその文明は未成熟なものとなります」
と述べられました。

これは過去のいくつかのSSの発展を解析した上での発表です。

SSとは、二重らせん構造の文明波の上に乗るひとつの国の社会体制であり、これは1600年サイクルの文明の波の上に四つほど現れることから、遺伝子DNAを構成する四塩基に相当するものと思われます。

そして人間も胎児の頃の環境がその後の人生に大きな影響を与えるように、これから生まれ、世界をリードしていこうとする日本の文明、その胎児である今の時期に芽となるものを育てておかなければ、これからの日本の発展、そしてそれが導く人類の未来に明るい見通しを持つことはできません。

このことを数年前に知り、その2020年が近づくにつれ、正直言って日本や世界の未来に悲観的な思いを強く持つようになってきていました。

そこに今年になって大きく表に現れるようになったのが、賛否両論ある「NHKから国民を守る党」でありその党首の立花孝志氏です。

 

世論調査の結果からも分かるように、今のNHKのあり方には国民の過半数が疑問を持っています。
けれど今の政治体制ではこれを変えることはできません。
それはほとんどすべての既存政党、政治家が、現状のNHKのあり方を肯定しているからです。

日本は民主主義国家です。
けれど国民の真意が政治にそのまま反映されるとは限りません。
それは間接民主主義であり、国民ではなく、国民が選んだ政治家が国のあり方を決定し、彼らが必ずしも国民の方を向いていないからです。

今の旧態然とした破壊させなければならないもの、既得権益、既得権益者、そこにあえて立ち向かい、『NHKをぶっ壊~す!』と果敢に立ち向かう立花氏の姿に、自分は未来に向けての大きな希望の灯りを見ています。

 

民主主義の理想を求め、既得権益をぶっ壊そうとする破壊神シヴァのような立花氏には、当然ながら既得権益者であるマスコミから激しい攻撃を受けています。
けれどどんなバッシングも知名度を上げるためと割り切る立花氏の強さには、改革者に求められるものが何かを教えられます。

最も最近では、
「N国党首、人口増に「虐殺」言及 ユーチューブ動画で」
ということで大いに叩かれています。

NHKから国民を守る党の立花孝志党首が、増加する世界人口への対応に関し「ものすごくおおざっぱに言えば『あほみたいに子供を産む民族はとりあえず虐殺しよう』みたいな」と発言していたことが27日、分かった。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開された対談で語った。直後に「やる気はないけど」とも付け加えた。

ジェノサイド(民族大虐殺)を想起させる内容で、与野党から批判が出る可能性がある。

日本から貧困国住民への教育支援に疑問を呈し「犬に教えるのは無理。犬に近い。世界中の人間には、それに近い人が圧倒的に多い」などと強調した。

 

これなどは典型的なマスコミの印象操作、事実の一部分を切り取り、それを真意であるかのように報道する「キリトリ報道」です。

下の動画をクリックするとその発言部分が出てきます。
どうかご自身の目と耳で、発言の真意は何かを感じ取ってください。

 

先の国連の環境問題の会議で、16歳の少女が怒りの形相で地球温暖化に対する提言をして高い評価を受けました。
けれどそれと同等かそれ以上に重要である人類の人口抑制に関しては、様々な考え方をただ一例として取り上げただけで激しく非難を受けるのは非合理です。

遺憾だと言うだけで日本から何も行動しない竹島問題も、ただ可能性としての軍隊派遣を疑問符付きで提言しただけで猛攻撃を受けたりと、これは言論の自由の封鎖に等しい行為です。

こんなことだから立花氏の言うように、
「日本の国会議員は地元に帰って支援者とともに盆踊りをし、何も仕事をしない方が選挙に通る」
というような状態になってしまうのです。

 

NHKに限らず、今の日本には既得権益を死守すべく、変わらなければならない、破壊させなければならないものが数多く存在します。

そしてそれを変えることの必要性を感じてはいても諦めていた若い人たちも、今はネットを通して自分たちの意志が直接政治に反映できる社会になることに熱い思いを傾けています。

 

自分はN国党を支持していますが、それはNHKだけではなく、その動きが今の日本の既得権益体制を大きく破壊する力になり得ると感じているからです。

青汁王子こと三崎優太氏は国税局をぶっ壊したいとのこと、ホリエモンこと堀江貴文氏は検察庁を、みなそれぞれ今の体制に対して疑問と不満を感じ、改革を望んでいます。

今日10月1日の立花氏とホリエモンの対談で、「NHKをぶっ壊す」が「既得権益をぶっ壊す党」に発展していけばいいということに言及しています。

 

N国党が絶対に正しく、それを多くの人が支持すべきだとは思いません。
ただ彼らの目指している、今の世を仕切っている旧体制を破壊させなくては新しい価値観は日の目を見ないという考え方はまさに真理であり、今の時代、最も求められているものであることは間違いありません。

そのことだけはしっかりと心に留めて置いていただきたいと願います。