現在から過去へ

未来

時間の流れとはどうなっているのでしょう。
普通の考え方では過去から未来に向かっていくものですが、人は思い描いた未来に向かって進んでいるという考え方で、未来から過去に流れるという人もいます。
また時間は今という瞬間の連続体だと唱える人もおられます。

相対性理論によると、時間は物体の移動する速度や重力に影響を受け、厳密に測るとスカイツリーの上にいる人は下にいる人よりも時間の進むのが速いのだそうです。

 

彗星探索家の木内鶴彦さんは、長時間に渡る二度の臨死体験で時空の流れを超越し、地球創成期の太古から自分の幼い頃、病院のベッドを離れていろんな場所に飛び、近未来から人類最期の時と思われる未来まで、様々な光景を目にし、その詳細を本に著しておられます。

時空を超越するというのは一般的には荒唐無稽そのものですが、自分は木内さんの語られることは真実であると感じ、このホームページでも何度も「スピリチュアルを志す人全員に読んでいただきたい」と木内さんの本をご紹介してきました。

その理由は、引き寄せの法則やシンクロニシティ(共時性現象)など身近な出来事を考えると、想念というものは時空を超越し、自由にそこを行き来していると考えた方が自然だからです。

また自身の体外離脱の体験から、肉体とは別のところに生命の本源とも呼べる想念体があることを確信しています。

思い描いた未来の通りに現実が導かれていく、昔懐かしい友人のことを思ったら、その人から突然電話がかかってくる。
こういったことは誰しもが経験したことのあるものだと思います。

想念は未来に飛んで現実を導き、過去に飛んで出会いの縁を生じさせる、そう考えると身近なすべての現象に納得がいきます。

 

今ここインドの閉ざされた環境にいて、日々考えるのは己の想念、感情をどう処するかということです。

これまで学んできたことをより深め、実践し、新たな真実はないかを必死になって探し求め、今ひとつ大切に思っているのは、未来を創造することではなく、現実から過去を想うことです。
想うとは、より感情を込めた思いです。

時間の流れが不可逆でも一元的なものでもないとするならば、現在と未来との関係は、過去と現在との関係とほぼ相似であるはずです。

現在から未来をイメージするように、そのまま時間軸をずらして過去から現在を想うことはできません。
けれど現在から過去を想うことにより、過去の縁を変え、それがひいては未来をも変えることにつながるだろうと感じています。

 

引き寄せの法則で言われるように、何か明るい未来をイメージしてみてください。
例えば現在癌で闘病中ならば、癌が全快したイメージを・・・。

潜在意識はその人の持つ根底の思いを現実化します。
ですから癌の完治を願う底に、現在癌で苦しむ自分の姿、痛みによって受ける苦しみ、そこから回避したいと願う気持ち、そういったものはイメージしてはいけません。

思うのは明るい未来と現在をも肯定する感謝です。
けれどこれが実際なかなか難しいことで、引き寄せの法則が上手くいかないと感じておられる人のほとんどが、この現実の肯定というところで引っかかっておられるのだと思います。

 

それとは逆に過去の出来事に思いを馳せてみてください。
人間は『過去はすべていい思い出』といったように、過去を美化したものに昇華できる素晴らしい能力を持っています。

例えば十年前にとてもショックな出来事があって心が傷ついたとしても、振り返ればそこに学びがあり、今はそれが糧になっている、すべてとは言わなくても、ほとんどのことでそういったいい方向に解釈できるはずです。

そこで意識を十年前に飛ばし、その十年前の自分に思いを込めた言葉をかけてあげるのです。
「よくがんばったね」「我慢したね」「今は辛いけど、これがいい経験になるんだよ」
などです。

そうすると、過去から現在に向かって自己否定を続けてきた歴史が変わり、その流れのまま、現在から未来をも肯定できる感情、そういった出来事が導かれるのです。

 

過去を想うこと、そこにあるのは肯定感と感謝です。
「なんとかして現実を変えなければ」と考え、必死に明るい未来をイメージする時のような欲や現実否定の思いはそこにはありません。

 

こうやって過去の様々なポイントに立ち返り、その時の自分に声をかけるのは大いなる喜びであり快感そのものです。

これは日々感謝の思いを綴る『感謝日記』と同じだと思います。
けれど感謝日記に綴る文字はデジタル世界で、どうしても表現に限りがあります。
もちろん自分の手でペンを取るというところに意義がありますが、表現が平板化しマンネリになってしまうように感じます。

インドのホームで子どもたちと同じ机で食事をした時、子どもたちの心底嬉しそうな笑顔を目にし、自分も喜びと感謝で胸がいっぱいになりました。

この時の思いを再び思い返すことはできても、文字で表すことは絶対にできません。

感謝日記は文字を心に刻むのがよさであり、過去をイメージすることは、簡単に無限のイメージを膨らませることができるのがよさでしょう。

 

過去を想うすごさに気がついたのは、「うまくいきそうでいかない理由 」という本を読んだことがきっかけです。

この本の前に同じ著者の「シンクロちゃん」という本を読み、とてもよかったので、上の本を買いました。

 

そこに書かれているワークは具体的にこのようなものです。

毎日一日の終わりに朝の自分をイメージし、今日一日の出来事、よかったこと、悪かったこと、成長できたこと、それらを報告するのです。
つまり現在の自分から過去の自分への報告、メッセージです。

これは本当にすごいです。
これを初めてやった翌日、すでに未来の自分から報告を受けているようで、生活していく上でのハリが全然違います。

今いる部屋は何もすることのない避暑地のような環境で、大きなベッドが部屋の真ん中にあり、これまでは日中ゴロンとすることが多かったのが、このワークをし始めてからガラッと変わりました。

それでも一時的なものかもしれないとしばらく様子を見て一週間が過ぎ、今はさらに日中の過ごし方にハリが出ています。

これは極めてシンプルなイメージ操作法であり、それを感じた時は正直心が震えました。
これが直感です。

 

今何人かの知り合いに自分と同じように本を買って実践することを勧めています。
たぶん誰がやっても同様に大きな効果を得られるものと思います。

感謝の思いは素晴らしいものです。
それを過去の自分に肯定する気持ちとともに、思いっ切りかけてあげてください。

そして現在から過去へ思いを伝えることにより、未来の自分からメッセージを受け取れるようになってください。

時間の流れはひとつです。
過去を肯定できる人のみが、未来を肯定できる人になることができます。

 

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