一ヶ月半ほど前、広島で乳幼児への触れ合いによるコミュニケーションや一般の方への心身の健康、人間関係改善などを目指して活動している公益社団法人 日本タッチ・コミュニケーション協会とご縁をいただき、現在ホームページのリニューアル作業と、それに伴う事業発展に向けてのアドバイスなどをさせていただいています。
現代人は感性が衰えたと言われますが、感性とは感じる力、その感じる力とは五感を統合したものでありその延長です。
そして五感の中でもタッチという触れ合いを司る触覚は、五つの感覚をまとめる最も大切な役割を持っています。
触覚は全身を包み込む皮膚の上に存在し、より広く見るならば、内なる皮膚である口から食道、胃、腸、肛門に至る一本の消化器官という管、視覚をとらえる網膜、聴覚の鼓膜、舌、鼻腔、他の四感を司る器官も皮膚の一部としてとらえることができ、人間の感覚はすべてが触覚であると考えることもできます。
人間の皮膚は五行の中では土の理、地球で言うところの陸地全体、そして海や河川、氷河の下を支えているものを含め地球の表面すべてです。
そしてこの感覚を呼び覚ますことが、大地から離れてもなお自然の一造物である人間の、本来の持っている「生きる力」「幸せを感じる力」を育むのだと考えます。
その日本タッチ・コミュニケーション協会では様々な講座やセミナーを行っており、この10月31日にジェネリックスキルに関する講座が行われ、それに参加することにしました。
ジェネリックスキルとは、社会で求められる汎用的な能力・態度・思考のことで、21世紀に求められる人材に必要な能力です。
講座ではどのようなことを話されるのか分かりませんが、自分なりにジェネリックスキルについて考えてみました。
社会で求められる汎用的な能力・態度・思考というものは、社会が変化すればそれに応じて変ります。
今は誰もが感じる大きな時代の転換期で、ここに至るまでは、これまで積み上げてきたものを応用、発展させることが求められてきました。
そしてそれが今はいよいよ衣替えするべきターニングポイントを迎え、まったく新たなものが求められています。
歴史の生命学である文明法則史学で示されているように、今迎えている転換期は西洋から東洋、陽から陰、男性性から女性性へと価値観が変移する極めて大きなものです。
宇宙は今から138億年前のビックバンによって誕生して以降、今も膨張し続けていて、この宇宙は膨張が示す陰性、女性性が原初の理であり、陰陽の序列であり、陰性優位です。
今は大転換期ゆえにすべてをリセットし、これからはまったく新たな創造の時代がスタートします。
無から有を生む新たな創造は、胎内に生命を宿し育む女性性の特性であり、男性性はその形を持って生まれたものを発展させていくことに長けています。
これまでは西洋、男性性優位の時代で、過去から積み上げてきたものを参考にそれをより発展させることが求められてきました。
つまり過去の知識の集積が大きな発展を生み出してきたのです。
けれどこれから始まる新たな東洋、女性性の時代はまったく異なります。
過去の知識や因習に囚われることなく、己の内から湧き出るもの、回りの自然との調和の中から感じ取る知恵に基づき、自らの判断を下すことが求められます。
女性と男性が同じ人間でありながら肉体的特質や役割、思考のあり方など見事に対極の属性を持つのは、二つの性でひとつの調和の取れたバランスを保つためであり、最も尊い新たな生命を生み出すためです。
それは今から始まろうとしている価値観の転換も同様で、これまでの西洋、男性性中心の陽の時代とこれからの東洋、女性性中心の陰の時代はまったく逆、対極ととらえて間違いありません。
ジェネリックスキル、ジェネリックとは後発医薬品の名称としてよく聞きますが、一般的な、汎用という意味で、類語のジェネラルよりも狭い範囲を指し示します。
スキルは技術という意味で、最近は外来語として定着してきました。
これからの時代の・・・という見方で考えるならば、まずスキルという言葉そのものに違和感を覚えます。
これまでの時代は効果や効率を重視し、理想とする目標に向かってより近づくためのスキルが求められてきましたが、これからの時代の価値観はより内的、精神的なものであり、結果として表に現れたものではなく自分がいかに感じ取るかということが重視され、そのために大切なのはスキル(技術)ではなくThought(思考)であり、より根源的なPhilosophy(哲学)ではないかと感じます。
もしスキルということで言うならば、自己を確立する技術、肉体的には腰骨を立て、陰陽の関係である脳と腸との連携を整え、パターン認識のように速くたくさんの情報を処理するのではなく、物事を深く正しく見つめ、思考するための姿勢が根本だと考えます。
そこから得られるのが豊かな五感の感覚であり感性です。
まったく新たなこれまでにない価値観を持った時代を創造していくにあたり、人間が本来持っている動物的感覚、研ぎ澄まされた五感、感性が求められます。
その基本となる目に見えるものが、脳と腸との連携をよくするための直立した背骨、腰骨を立てる立腰(りつよう)であり、人体の根幹である背骨が真っ直ぐの状態でなければ、脳と腸とで深い思考を巡らすことができず、五感も正しく働きません。
背中を丸めた虚な表情の人間が、深く物事を考えることはできないのです。
『教育の基本は立腰にあり』
偉大な教育者であった森信三先生のこの言葉は今も至言として生きています。
1945年9月、長崎の火葬場で亡くなった弟を背負う少年
硬い床で姿勢を正して勉学に励むインドの少年たち
これからは陰の時代、心の時代です。
心の時代だからこそ、それを収める器である肉体が健全なバランスを保つことが求められます。
そしてさらにもうひとつ思考を深めるために求められるのが咀嚼、食べ物をしっかりと噛み砕くことです。
五感から感じ取った情報を深く自分の中に取り入れることと、口から入った食べ物を何度も噛み砕いてから消化させることはフラクタル(自己相似形)です。
この宇宙はすべてが共生というバランス関係で成り立ち、ひとつで独立して完璧なものは何ひとつありません。
正しい思考をするための器としての肉体ができたならば、そこに哲学、知恵としての自然観、生命観が入ることによって心身ともに大きく調和の取れた状態となり、これが自分の感じる “ジェネリックスキル” の根本です。
自分は思考重視の男性性を持ってこの世に生を受け、自らの天命はこの宇宙、時空の自然観、生命観を理論として多くの人に伝えることだと考え、『新たなる生命の時代』を書きました。
『新たなる生命の時代』、そしてこのホームページに書いていることすべてが自分にとってのこれからの時代のジェネリックスキルです。
新しい時代、生命の本質を見つめるための魔法のメガネを手に入れましょう。
コメントを残す