もうここインド最南端の町に来て三週間、その間周りの状況は刻々と変わっているものの、広い敷地の中は自然豊かで平和一色です。
ここに来てずっと一緒だったスレッシュは、今日の寝台列車でホームのあるチェンナイに戻りました。
23日に役所に書類を出しに行く必要があるとのことで21日夕方発、22日早朝着の列車を予約し、その後で22日の外出禁止令が発令され、到着が午前5時なので、午前7時からの禁止令にギリギリセーフです。
メールで送られてきた役所への提出書類を見せてもらうと、ホームの子供たち一人一人についてかなり細かい項目の記入が必要で、こんな煩雑なものがものすごく多いそうで、その分役所からたくさん補助金が出ているのかと聞くと、お金は一切もらっていないとのことです。
明日22日は日曜日、この近辺の教会の日曜礼拝は中止です。
公共交通機関の電車やバスも止まります。
インドはアメリカ、ヨーロッパほど感染が拡大しておらず、数字上の感染率は一桁、二桁低いものの、本当の実態は分からず、その国民性からも早期に厳しい措置を取るのは賢明だと思われます。
もしインドで感染が拡大すれば取り返しのつかないことになるのは目に見えています。
こんなことはインド建国以来初めてのこと、ホテルや観光地の多くの店は閉店を余儀なくされ、日本の多くの店や企業と同じく経済的にもかなり厳しい状況です。
インドの飛行場は22日から一週間海外からの民間機の乗り入れ禁止で、その後はどうなるか未確定要素があり、帰国便はまだ予約していません。
ここ南インド チェンナイから日本への飛行機は、ほぼすべてがどこかの国を経由することになります。
今日見たニュースによると、その経由地が単なる乗り換え利用だけだとしても、そこが感染国であれば、そこで感染の可能性があるとのこと。
考えさせられます。
ある志の高い系グループからのメーリングリストがメールボックスに時折入ります。
時節柄緊急提言のようなものが多く、いつもは「どんどんコピペして拡散していただいて結構です」というようなことが書かれているのですが、今日届いたものは少しニュアンスが異なり、このようなことが書かれていました。
× 拡散不要です。×
防災対策の一環と想定して
ご自分でお考えください、又
お知り合いにはお伝え自由です。
冒頭にこのようにあり、何が書かれているのかと目を通すと、
近いうちに日本もアメリカのように感染が急拡大する可能性があり、そうなるとパニックになって食料品が不足するので、今のうちに食料を備蓄しいておきましょう、ということが書かれていました。
これを見てとても寂しい気持ちになりました。
この人は良かれと思って自分の思いをメーリングリストで伝えているのでしょうが、このメッセージ自体がパニックの誘発要因になりかねません。
自分さえ、自分たち仲間さえよければいい、それが醜い感情だとまでは言いませんが、その思いを抑えるのが日本人の真の美徳ではないのでしょうか。
今回日本での感染がある程度抑えられているのは、この美徳、高い公共心や衛生概念があればこそでしょう。
このたびのウイルスの震源地でありながら開き直り、謝罪どころかアメリカにその罪を擦りつけようとする中国は言うに及ばず、様々な国の取り組みの中に、その国の本質が垣間見えるように感じます。
地震や津波、洪水で被災しても一定の道徳心を忘れない、その世界の雛形になるべき日本人の行動を、今再び世界に示していきましょう。
コメントを残す