リファインレポートNo.2

カイザーサウンド

今現在、オーディオはすっかり衰退産業となってしまいました。
ネットを通していくらでも好きな音楽を聴くことができる環境の中、少しでもよりいい音で音楽に触れたいとする人はごくわずかです。

またごくわずかだからこそ、近年の音楽ソースは大多数の人たちが利用する低音質な機材に合わせた音作りがされていて、高級な装置でそれを再生すると、逆にそのあらが目立っという結果になってしまいます。

これはファーストフードの濃い味付けにならされてしまった人が、微妙な料理、素材の味わいが感じ取れなくなることと同じです。

また快適で便利な環境で暮らす日本人の五感全体の機能が低下してきている、その流れと同じとも言えます。

 

けれどいくらその機能が低下してきても、人間が自然の一造物であることには変りありません。
人間はただ息をし、飯を食らうためだけに生きているのではなく、その持てる五感で様々なことを感じ取り、思考をする、そこに生きる意味や醍醐味が存在します。

 

このたび、昨年末に行ったカイザーサウンドでのリファインレボート第二弾を書きました。
<2020年01月06日 : Kaiser Sound ブログ>

そこで述べているように、音は人間の感情に強く訴えかけてきます。
また生命の真理を探究することを自らの天命とする者として、ステレオというモノを介して音がどのように変化していくのか、その様子を知ることは何よりも深い学びとなります。

音に限らず、この世界に存在するすべてのものは、その置かれた状況や取り扱い方によって、その性質を変化させていきます。
けれど音ほどその変化をリアルかつ即時的に表し、また人間の心に大きな影響を与えるものを他に知りません。

つまり音とは、自分の知る限り、この時空に於ける最高の宇宙(生命)エネルギー発信装置であると信じます。

カイザーサウンド

ステレオから響く音は、ソースとなる音楽の録音現場から、録音装置、編集装置、CDなどをプレスする機械、そして手元のステレオと、気の遠くなるほどの長い旅路を経てリスナーの耳へと届きます。

その最終工程であるステレオ装置の、ほんのわずかなパーツを少し触っただけで音が大きく変わるということは、一般の常識からは考えられないことだと思います。
きっとレボートで書かれていることは大げさに違いない、そう判断されるのも無理のないことです。

けれど事実は事実、そこに書かれているのは自分にとっての真実です。
ただもしそこに別の人がいて、その人には何の変化も感じ取ることができなければ、その人にとっては“ほとんど変化はない”ということが事実となるでしょう。
自らが感じ取る世界の事実は、あくまでも主観的なものです。

 

あるのかないのかハッキリ分からない、人から教えられても理解できず、自らが掴み取らなければ感じ取れない、深い真理、本当に大切なこととはそういったものだと感じます。

人間は自然の一造物、この事実に基づいた謙虚な姿勢を持ち、広い世界に目を向けていただければと願います。