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生命体から生命系へ

生命とは何なのか、再びそれを考えてみましょう。

これまでの科学では、生命をおおよそこのような形で定義してきました。
「自己と外界との境界」・・・自己と外界を隔てる膜を持つ
「エネルギーと物質の代謝」・・・外界とエネルギーのやり取りをし、自らのエネルギーに換える
「自己複製」・・・自らのコピーを作る
「恒常性」・・・自身の内部環境を一定に保つ

これは個々の違いに着目し、生命あるものとないものとを分ける西洋的考え方であり、そこで示される生命とは、形あるひとつの『生命体』です。

これとは対極的な、つながりに重きを置く東洋的な考え方もあります。
そしてそのすべてのもののつながりの中に、二重らせん構造で示される生命の法則が存在するのですから、それは大きなくくりとしての『生命系』と呼ぶのがふさわしいと考えます。

また近年は科学の分野でも、生命を「動的平衡」の状態であるという見方が出ています。
動的とは循環をともなった時の流れのこと、その中で、周りとの関わりを持ち、変化しながらも一定の秩序を保つということです。
人体においても、そのほとんどすべての細胞は、数ヶ月単位で入れ換わることが明らかになっていて、これは生命がひとつの「流れ」の中にあるという証です。

生命とは何か、それに正しい答えはありません。
なぜならば、生命とは言葉による概念であり、それをどう定義するかによってその形はいかようにも変わりうるからです。

ただこれまでの西洋中心の時代のように、個々の違いに重きを置いた考え方は終わりを告げようとしています。
これからは東洋の時代、すべてのものを統合し、そのつながりの中に生命を見い出していく時代です。

『すべてのものを律する生命の法則、その流れ、つながり、それを生命系として捉える』
この生命の見方が、これからの時代、新たに生まれてくる価値観を築く礎(いしずえ)としてより重要となってくるでしょう。

生命系

 

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