文明法則史学と出合うことによって、自分は生命、生命観というものを知ることができました。
生命とはすべてに通じるもの、すべてのものの根底にあるもので、文明法則史学はその真実を科学というミクロ的視点ではなく、その対極にあるマクロ的視点で論理的に説いています。
生命観とは植物に例えると根っこに相当します。
植物は根っこを土台とし、その上に花や実り、枝葉を茂らせ、その姿は様々です。
文明法則史学もまた、それを学んだ後はそこから得た生命観を土台とし、各人各様の世界を広げていくことができ、自分は “歴史の持つ生命” から “すべてのものの持つ生命” を感じ取った後は、これから来るであろう東洋の時代の価値観、自然の中に見る生命の様相というものを学んできました。
それとともに大切なことは、土台をより強固にすることです。
生命観を導いてくれた文明法則史学を学問として認められるよう研究を重ね、世界各国、各時代からその生命体としての様相を仔細に分析し、歴史という生命の持つ特徴をより明確化していく作業です。
自分はそこを深掘りすることはできませんでしたが、文明法則史学の提唱者である村山節先生、全国で講演をしておられる林英臣先生などは本を何冊も著し、また前項でご紹介した浦崎太郎氏も在野の研究者として大きな業績を残しています。
<2020年 アジアターニングポイント説 スピリチュアル夜話>
自分が思うがままに生命について思考を巡らし、ここに好きなことを綴れるのは、こういった地道な研究活動に取り組んでくださっている方々のお陰です。
みなそれぞれ役割分担はありますが、根底を支える基礎的研究は絶対に欠かすことができません。
そんな研究者の一人として極めて優れた知性を持った服部匡成さんという方がおられます。
以前からお名前は研究冊子や友人との会話でたびたび聞いてはいましたが、このたび服部氏がFacebookに投稿された文章を知人のシェアによって初めて目にし、その的確な世界情勢分析に驚愕するとともに眼が開かれる思いでした。
<服部 匡成 | Facebook>
今は文明の大転換期であるがゆえ混沌とした世界情勢で、多くの人がメディアやネットのニュースに関心を寄せておられると思います。
そこでは数々の識者が論評を発していますが、文明法則史学という生命観を元にして分析をする服部氏の論はより本質を突いたものであり、大きな流れから観るという点で他を圧しています。
その服部匡成氏の研究成果を参考にしてこれからの世界情勢を観てみます。
これまで何度も述べてきたように、歴史上には東西二重らせん構造を描く大きな波、文明サイクル(CC)と、その上に乗る小さな波、各国、各地域に花開く社会秩序(SS)の二つがあります。
CCの周期は1600年、ガイアの法則では1611年、これは1611年がより正確と思われますが、この1611年というのは地球の歳差周期25776年の十六分の一であり、これは天体の運行とリンクしているがゆえ、一年毎に巡ってくる四季、一日をサイクルとする昼夜の繰り返しと同様に、絶対に変わることがありません。
そしてそのCCの上にあるSSは、四季、遺伝子DNAを構成する四種類の塩基と同様ひとつのCCの上に約四個存在します。
けれどこれは人間の一生に例えられ、時として変動があります。
ただ変動はあるものの、老人になった者が突如若さを取り戻したり、幼少期を経ずしていきなり老成することは絶対にありえません。
まずこのことを頭に置いてください。
これまで世界の覇権を維持してきたアメリカが今後どうなるのか、またこれからはどの国が覇権を握り、それは中国なのか、これが今多くの人が最も関心を寄せていることだと思います。
これを文明法則史学から観ていくと、アメリカが今後勢いを取り戻し、再び覇権を握ることはあり得ません。
それはアメリカを含む西洋社会がすでに次代の東洋へとバトンを渡すべき時期に来ているということ、これはCCの大きな流れです。
そしてアメリカというひとつのSSは、建国以来約250年の時を経て、今は完全に終末点(文明法則史学ではg点と言います)を迎えているからです。
ではその覇権を中国が受け継ぐかというと、それもNOです。
ここは服部氏の言葉をそのまま引用します。
ところが、文明法則史学の視点からすれば、このアメリカからチャイナへの覇権国家の移行は上手くいかない。
それは大きく2つの点からだ。
一つが、チャイナが西洋国家ではないということである。
これまでの覇権国家はカソリックかプロテスタントかを問わずいわゆる「西欧文明」とされる国々だ。
今のチャイナは宗教を弾圧し、「共産党」の思想を絶対的なものとしており、反撥は必定だ。
二つ目がさらに重要であるが、現在の中共政権は、SS(社会秩序)になっていないことだ。
SS(社会秩序)は社会の体制形成の過程で作られていくわけだが、体制形成過程で、人間の少年のような純粋に受け入れ成長していくエネルギーが「文化」や「社会心理」として発現される。
共産党を強制している現行の中共政権下では、チャイナ社会としての「文化」や「心理」は生まれていないし、今後も生まれる見込みもない。
そのため、現在の中共チャイナ政権は、「過渡期の覇者」と整理されている。
「過渡期の覇者」のうち、長命だったのは、ソ連と元(蒙古)のみであり、この2つの事例からの中共の寿命はあと10年以内である。
いずれにせよ、そういった意味で、SS(社会秩序)になっていないと、一定の年数を受け継げる保障がないから、うまくいかないし、これまでも新たに覇権国家になる場合はSSのa点(興隆期の始まり)から高原期の前半までの間に移行されていた。
この無謀にも覇権国家をチャイナに移行していこうとする流れとそれがうまくいかずに混乱する事態こそが、本格的な文明転換期を引き起こしていくと考える。
そして、これから迎える文明転換期は西洋文明の没落と東洋文明の勃興を起こすものである。
そういった意味で今回の西洋文明の発展方式でもある「覇権国家」の候補国の「チャイナ」に次の東洋文明の先陣を切る資格はない。
むしろその役割は日本にある。
日本がなぜ、平和な「江戸時代」を文明準備期に築いたのか、明治以降西洋文明をいち早く取り入れ西洋文明が圧倒する世界に風穴を開けたのか、そしてその戦に敗れたことで国連の常任理事国にもなれずまた次なる覇権国家の候補にもなれなかったのか。
敗戦も含めて、すべての歴史的な出来事が「東洋文明の勃興の役割は日本にあり!!」を示しているのではないか。
これから産みの苦しみはあろう。
しかし、この役割を肚から認識することで道は開けてくるのではないか。
先のアメリカ大統領選では大規模不正により中共と関係の深いバイデンが勝利しました。
これによりアメリカのSS終了は早まり、中国の没落は逆に少し先延ばしになったと言えます。
これからは、これまでアメリカの傘下にいた日本がいかに独自の文明を築き、覇権主義、膨張主義の中国から日本の国土や主権を守っていくかが問われます。
日本のため、人類全体のために。
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