生命の流れ<2>

文明法則史学 21世紀

文明法則史学と出合い、これから東洋の時代が訪れることを知り、東洋と触れ、そこから学んだ最も大きなことは、すべてのものに生命があるという真理と同時に、その生命の仕組みが極めて美しく秩序立った姿であるということです。

東洋思想の根本は「つながりを知る」ことです。
ですから東洋を深く知れば知るほど様々なものとものとのつながりを感じ取れるようになり、すべての関係性はよりシンプルになり、新たなもののつながりもより早くより深く感じ取れるようになります。

これが生命観を感じ取ることであり、それを感じるための知恵をマクロビオティックの創始者である桜沢如一氏は『魔法のメガネ』という言葉で表し、子どもたちにその知恵を身に付けてもらうためのテキストとして『魔法のメガネ』という本を書かれました。

自分が書いた『新たなる生命の時代』はその現代版であり、最近少しずつ内容を評価してくださる方が増え、冊子も売れるようになりました。
これをいつか正式に出版化するという目標とともに、より易しい内容のものを書くことも計画しています。

 

この魔法のメガネを通して見えてくる生命の世界は限りなく美しく、東洋を学んでいく過程で何度もその美しさに心震える感動を味わいました。

こんなにも深遠な生命の世界がこんなにもシンプルでかつ美しいものであるとは・・・、これを創造した存在、その一部が自分自身であるとも言えますが、それは人智や時空の制約をはるかに超えたとてつもないものであることは間違いありません。

けれど生命の真理はこれがすべてではありません。
つながりを感じる生命観というマクロの世界とともに、その対極にある科学に代表されるミクロ的分析の世界も合わさって「二つでひとつ」陰陽整った完璧なものとなります。

そしてこの二つに順序をつけるならば陰陽の順であり、ビッグバンという膨張によって誕生し、今も膨張し続ける宇宙は陰性優位であり、今はすべてのものをリセットして新たなスタートを切るべき極めて大きな転換期であるがゆえ完璧な新生としての陰性が求められています。

陰性とは東洋であり精神であり女性の理です。
まったく無の状態から生命を産み出す女性の力、感性、すべてのものをバラバラにしてしまったこれまでの価値観を精算し、今まで振り返られることのなかったそれらを結びつける根底のつながりに価値を見出していきます。

 

人間はなんのためにこの世に生を受けたのでしょうか。
もしそれが幸せを得るためであるとするならば、それを最も素直に体現しているのは純粋無垢な笑顔を持った子どもたちです。

幼な子のようにならなければ

子どもたちは高度な知識は持っていませんが、生きるために最も大切な生命の真理を自ら感じ取り、それに則った生き方で日々過しています。

最も深く最も大切な真理、それを感じ取るためにはお金も地位も名誉も特別な知識や条件も必要とはしません。
インドのホームに暮らす子どもでも、ゴミ山で生活している人たちでも、誰でも真理に則って生き、最高の幸せを得ることができるということを生命の真理が示しています。

『深い真理は誰にでも感じ取ることができる』
この生命の仕組みこそが『究極の愛』であると強く信じます。

 

ではその深い真理を誰にでも簡単に説明できるかというとそうではありません。
真理とは感じ取るものであり、詳しく理屈で説明し理解して納得してもらう、そういうものではありません。

Don’t think.  FEEL!!!
考えるな、感じるんだ!

あまりにも有名なブルース・リーのこの言葉がすべてを表しています。
不立文字(ふりゅうもんじ)、言葉にはできない禅の世界です。

 

文明法則史学は村山節先生がその法則性を発見して以来、数多くの研究者が歴史の各時代を分析し検証を重ねてきました。
けれどいまだに文明法則史学を仮説としか認めない方もおられ、そういう方にはいくら仔細に検証した結果を説明しても理解してもらうことはできません。

これはガイア理論も同じです。
地球とそこに棲む生物や自然が互いに関係し合い、ひとつの大きな生命体を形作っているという理論は、当初は発見者のジェームズ・ラブロックによって仮説として提唱され、徐々に理論付けがなされるようになっても、いまだ信じられない人にとってガイア理論はガイア仮説のままとなっています。

 

花の美しさは言葉で表現することができません。
生命の真理もそれと同じです。

前項でご説明したように、生命ある歴史も人間と同じく年齢を重ねるエージング現象があり、1600年周期の文明サイクル(CC)は文明が冬を迎える転換点を下回った時点から約四個の社会秩序(SS)を経て人間の一生とフラクタル(自己相似形)な精神状態を文化でもって体現していきます。

文明法則史学CC、SS図

そのフラクタルな性質はひとつスケールダウンした社会秩序も同様で、300~400年間続く社会秩序の中でも、その文化的特質は人間同様のエージング現象を見せています。

文明法則史学SS図

フラクタルの世界は果てしなく続きます。
人間のエージングは死をもって終わりとなりますが、輪廻転生があの世とこの世を繰り返し行き来するのは、文明が花開く夏、秋の時期と根っこを培う冬、春の時期を交互に繰り返すこととフラクタルです。

また睡眠、覚醒のサイクルともフラクタルです。
人間は通常24時間サイクルで睡眠と起床のリズムを繰り返し、目覚めている時がこの世、眠っている時があの世と考えれば、多分数百年サイクルであろう輪廻を24時間サイクルにスケールダウンしたものと考えられます。
しかもやっと言葉を話せるようになった多くの幼児が胎内や前世の記憶を話すのは、起床直後は夢の記憶は残っていても、すぐに忘れてしまうことともフラクタルです。

形としては水中と水上とを規則的にジャンプを繰り返すイルカのようであり、循環も生命の持つ基本法則のひとつです。

イルカのジャンプ

生命はすべての次元、スケールで共通の形を持っています。

このようにフラクタル性は極めて美しく深遠ですが、これも前項で述べたように短期的、ミクロ的なものは気候や株価の変動など目に見えるもの、数値化できるもので法則性を示すことはできますが、大自然の中にあるスケールの大きなものは、どこまで突き詰めてもそこから得られる法則を確証をもって示すことは困難です。

 

その “感じ取るべき生命ある歴史の流れ” は人類に様々なことを伝えてくれています。

これから迎えようとしている東洋の時代は、1600年の文明サイクルに則った大きな波であり、今と同じ位相の波は1600年前の5世紀の人類も経験しています。

この時期は人間でいうところの胎児、乳児の時期であり「三つ子の魂百まで」と言うように、この頃をどのように過し基盤を造ったかということで、その後の成長に大きな影響を与えます。

文明法則史学研究家の浦崎太郎氏は「5世紀アジア固定説」を唱え、新たなる文明の黎明期である5世紀に形造られた文化や習慣はその後も長く継続し定着していくということを、アジアや他の国々の歴史を調べていく中で発見されました。

文明法則史学 5世紀アジア固定説

今日まで残る日本の特徴は、天皇制、神道、大和言葉、日本列島の一体性、外来文化を積極的に受け入れる民族性といったものですが、実は、これらはすべて黄色い帯で示された5世紀に定着したものです。
神道や大和言葉が形づくられたのは5世紀です。
国風文化というのは、外来文化が入
ってくる前の姿ですので古墳時代です。
天皇の権威が絶大というのは、やはり5世紀の
姿です。
外来文化を積極的に取り入れるのも、やはりこの古墳時代です。

公地公民制が衰退したのはこの私地私民制によるもので、豪族が割拠していた古墳時代の名残と考えられます。
列島の一体性は、大和朝廷が列島を統一し、その状態で固定し
たからと考えることができます。
以上、日本の民族性が固まったのは、いろいろな意味で、5世紀…大和朝廷時代の役割が大きいことが分かります。

文明法則史学 21世紀

今は5世紀と同様、これからの歴史を大きく左右する極めて大切な時代です。
さらには今は有史以来初めての人類存亡をかけたグレートリセットの時であり、その意味では5世紀以上に人類の未来に与える影響は大きく、今後数十年の人類の行いが、これからの数百年、あるいは数千年以上先までの未来に大きな影響を与える可能性があります。

それを深く心に置いておく必要があります。

 

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