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モノからのサイン

音楽家にとって楽器は命、とくにクラシック演奏家の楽器は家が一軒建つほど高価なものも珍しくありません。

世界的ヴァイオリニストである諏訪内晶子は現在使っているヴァイオリンを手に入れた際、以前使っていたものも音色に捨てがたい魅力を感じ、二挺を使い分けていこうと考えたそうです。
けれどそうすると互いの楽器が嫉妬をし、どちらもいい音で鳴らなくなってしまったと語っていました。

「命の次に大切」とまで言われるクラシック音楽家の楽器ですから、魂がこもっていて、音色という感情でその思いを表現するのかもしれません。
また演奏家自身が持つどっちつかずの思いが、演奏する際に身体の振動として楽器に伝わり、楽器の音色に影響を与えているのかもしれません。

いずれにせよ、音というのは目に見えるもの、見えないものを含め、すべてのものの微細な変化を最も端的に表現してくれるものです。

 

スピリチュアルの世界で言われる引き寄せの法則とは、頭で思い描いたものを現実化し、目の前に引き寄せてくるというもの。
その引き寄せてくるものは思いを寄せている人間であったりモノであったりお金、情報であったりし、ジャンルはまったく問いません。

引き寄せられる、もっと広い意味では変化を与えるというのは、そこに互いを結びつける何かがあるからであり、この何かのつながりが “生命”(いのち) であって、この生命のつながりがすべての物質、過去から現在、未来を貫いています。
そして生命が最も尊い絶対的存在であるがゆえ、目に見えるものも見えないものもすべてが絶対的存在であり、その一部であり、Everything Greatなのだと感じています。

 

人間は全体としてひとつの生命を有していますが、それを構成する臓器や四肢もまた別の形の生命がある、そう考え、自分は日々身体に手を当て、視線を向け、言葉をかける身体との対話を続けています。
そしてこれが数ある健康法の中で最も大切で効果のあるものだと感じています。

その理由は、スピリチュアルの世界では「感謝」が最も大切であるとよく言われます。
その感謝の思いを手のひら、言葉、視線という具体的なものを通して身体にダイレクトに伝えるので、身体がとても喜んでくれるからです。
さらにはその結果、身体がとても敏感になり、身体にとって何がいいことなのか、それがすごくよく分かるようになるからです。

これまで身体からたくさんのメッセージを受け取ってきました。
そのたびに自分の身体への愛おしさが募り、愛おしさが募ることによってより深く感謝ができ、身体もより敏感になり、信頼が増し、それによってこの三十年間、インフルエンザ、腎臓結石、突発性難聴、帯状疱疹、これらすべてを医者、薬に頼ることなく思いの力だけで治すことができました。

すべてのものに生命があり、つながりがあり、それに感謝の思いを捧げることの大切さを身体との対話が教えてくれました。

 

そんな身体との対話の延長線のようなことを書いた潜在意識3.0という本を読みました。

この本の著者である藤堂ヒロミさんは、相談に来られた人の臓器からのメッセージを言葉として受け取る能力を持ち、例えば喉だったら、言えない、理解されない、断れないというメッセージが喉がその人に対して伝えたいことであり、「聞いてもらう喜びを知っています」「私は受け入れられています」こんなことを細胞に染み込ますように受け入れていくのがいいと書かれています。

こんな事例が各臓器ごとに数多く紹介されていて、これは東洋医学の五行の臓器、感情との相関性とも通じ、とても興味深いものです。

五行と臓器、感情

本の中に「電気製品が壊れるのは、未来からのサイン」という項目があり、電気製品はエネルギーという振動をキャッチしやすく、自分の内面のエネルギー(周波数・振動)が以前と変ることで、モノと自分自身のとの間にズレが生じ、それが故障の原因になると書かれています。

こうしたエネルギーのズレが起きたときは、いままでのあなたの常識を越えて、新しいステージに進むサインです。

これはとても納得ができます。
過去の経験でも、霊能力のある人と関わっていた時は、その人との連絡を妨げるかのように電話に原因不明の不具合が連続して発生したことがあります。
これは霊障と言えばそうなのかもしれませんが、それ以外にも電気製品の不具合や逆に突然直った時などは、その裏に何かのメッセージを感じることはよくあります。

 

ほんの数日前、とても面白いことがありました。
愛用の腕時計に突然数分の遅れが生じたのです。

以前はケイタイで時刻を確認し、腕時計の必要性はまったく感じていませんでしたが、一度身に付けるとそれなりに便利なので、今は外出時にはたいてい腕時計をはめています。
それでもあまり重要性を感じておらず、重く存在感のあるものがいやで、最も安価なチープカシオを使っています。

この時計、とってもいいですよ。
とにかく薄くて軽いというのが最高のメリットです。
そして千円前後と安いのが魅力で、調べてみると過去Amazonで三回購入しています。

今のこの時計は二年近く前に購入したもので、もうそろそろ電池切れを起こしてもおかしくない時期ですが、この時計が三日前の3月19日、秒針は動いているものの、突然約四分の遅れが生じていることが見つかり、これが実に絶妙のタイミングだったのです。

 

今いろんなことを学んでいる中で、人生を今一度振り返り、大きな目標を立て直す作業をしました。
その中で、その目標を達成した時に自分に与えるご褒美というのを考えることになり、身の回りのもので必要なものはあっても最近は物欲があまりなくなったこともあり、特にご褒美になるような象徴的なものはなかなか思いつかず、長時間思いを巡らせました。

そしてようやく思いついたのが、あまり重要視はしていないけれども普段安物しか身に着けていない腕時計でした。
ご褒美となるよりいい腕時計とはどんなものだろう、ネットをいろいろ調べるとそれはそれでまた楽しいものです。
そしてようやく見つけたのがこの時計で、今のところいつかこの腕時計を身に付けられることを夢見ています。

この時計を探すためにネットを検索していたのが3月19日に日付けが変わった直後ぐらいの深夜で、その数時間後に今の腕時計が遅れているのに気がつき、その場で時刻を修正し、三日経った今も時計の針は順調に動いています。

なぜこのタイミングで突然遅れを生じたのか、そしてなぜその後は調子よく動き続けているのか、意志を持った腕時計が持ち主の “浮気心” を感じて嫉妬したのでしょうか。
偶然にしてはあまりにもタイミングがよすぎます。

とにかく何かのメッセージを伝えようとしてくれたこの腕時計が今は愛おしくてたまりません。
言葉を話すことはできないけれど態度でもって気持ちを伝えてくれる、これは昨年インドでロックダウンに遭っている時、無償の愛で親しみを伝えてくれたワンちゃんを思い出させます。

インドの犬

今日はこのページを書きながら、安物ですが愛おしい腕時計を両手で握りしめて感謝の思いを伝えました。

どんなことでもサインを示してくれるというのは有り難いことです。

サインを示すことがそのモノの役目、それを受け、その解釈から何かを感じ取って糧にしていくのが自分の役目です。