専門家と数字の欺瞞

武漢肺炎感染者数

武漢肺炎で最も恐ろしいのは感染することでも死ぬことでもありません。

今日現在、日本における武漢肺炎の死者数は687名です。

対してインフルエンザの死者数は近年増加傾向にあり、昨年の死者数は三千人を超えました。
けれど今年はコロナ対策が功を奏し、死者数が大幅に減少する予想です。
たぶん武漢肺炎とインフルエンザ両方の死者数を合わせても、昨年のインフルエンザによる死者数を下回るものと思われます。

また交通事故による死者数は年間三千人強、自殺者は同じく二万人弱です。

武漢肺炎による重症者、死者は、下の図を見て分かるように高齢者層に集中しています。

武漢肺炎感染者数

人間はいつか必ず死ぬものです。
そして高齢になれば身体機能は必然的に衰え、穏やかに死へと近づいていきます。

ですから誤解を恐れず言うならば、武漢肺炎で亡くなった方の多くは、武漢肺炎によって亡くなったというよりも死期が早まった、あるいは武漢肺炎感染がきっかけで他の複合的疾患が悪化して死に至らしめられたというのが正しいのではないでしょうか。

 

従ってこのたびの武漢肺炎で最も懸念すべきは感染や死よりも、その予防によって受ける経済を含めた社会全体へのダメージだと考えます。
こんなことメディアは絶対報じませんが・・・。

その武漢肺炎への対策を講じるべく政府は専門家による新型コロナウイルス感染症対策専門家会議を立ち上げました。
メンバーは座長以下12名、一人の弁護士を除き西洋医学の権威ある方たちばかりです。

この専門家というものに大きな疑問を感じます。

 

昔からの日本には『餅は餅屋』ということわざがあります。
専門家とは狭く深くひとつの道を極めるもの、これがこれまでの時代の常識でした。

けれどこれからは違います。
お正月用の餅は餅屋で買っても普段食べる餅はスーパーで、夜中に突然食べたくなったら近所のコンビニでという時代です。

すべてのものは他との関わりの中にあり、その関わりを知るものこそがそれ自体を極められる、それがこれからの時代の理です。

なぜ専門家会議のメンバーは日常的に臨床現場に立ち会っている若手の医師ではなく権威ある先生方なのか、なぜここに統合医療である東洋医学の専門家が加わらないのか、感染予防と経済、社会との折り合いをつけるべくそういった意見を述べることのできる人間も入れるべきではないのか、多くの疑問が湧いてきます。

このたびのコロナ禍は、新しい時代を迎えようとする社会が通る通過儀礼(イニシェーション)だと考えます。
それを乗り切るための対策メンバーに旧来の価値観を根強く持った人間だけを集めても、残念ながらそこからは決していい知恵は出てくることはないと断言できます。

 

その専門家会議が「接触機会の8割削減」を求め、その達成率なるものをメディアは盛んに報じてますが、これは根本的におかしなものです。

メディアが報じているのは主に渋谷、新宿などの繁華街で、そこでの人手をケイタイの位置情報や時にはテレビ局のヘリコプターからの映像を使って調べていますが、そこでカウントされた人たちの減少割合と接触機会の減少割合とは正比例しません。

例えば100人の人がいて、全員が狭いエリアに出かけて他の全員と接触するとすると、
100×100で接触機会は10000になります。(厳密には9900)

この100人がもし8割削減で20人になると、
20×20で接触機会は400(厳密には380)となり、96%も削減されたことになります。

ですから接触機会8割削減が目標であるならば、1ー0.8である0.2の平方根が0.447… なので、
1ー0.447… =0.552… つまり外出する人数を約55%削減すると、接触機会は8割削減できることになり、メディアが報じている
「〇〇地区は宣言前と比べて人数が75%減なので、目標まであと5%です」
というのは完全に誤りです。

さらには調査地域のほとんどが接触機会が多く、全体の平均値を押し上げているところであり、ここに宣言前から家庭や限られた範囲でしか人と接触しない人を加えると、多分全体の接触機会減少の平均値は繁華街のみを見た場合を下回るのではないかと思われます。

 

この小中学生でも理解できる単純な誤りを、なぜ“専門家”の人たちは指摘しないのかまったくもって不思議です。

またこの報道を見る方も、
「新宿(歌舞伎町)59.2%減」などと小数点第一位まで含めた有効数字三桁の数字を示されると、いかにもこの数字が厳密で絶対的なものであるかのように錯覚してしまいます。
もちろん報道機関側もそう感じさせることを意図的に狙っているのでしょう。

 

これと同じことが感染者数にも言えます。

日本国内に感染者は今日5月15日現在15908人です。
ここに各都道府県の感染者の数字が数名、数十名、時には一時期の東京のように百名を超える数字が一の位まで正確に報道され、国民全体がそれに一喜一憂している状態です。

けれどこの数字も決して厳密なものではないということを知る必要があります。
四日前の朝日新聞の報道です。

新型コロナウイルスをめぐり国内で計1万5千人超の感染者が確認されている中、政府の専門家会議の尾身茂副座長は参院予算委員会で「感染者すべてを捕捉しているわけではない」と説明した。確認された感染者数に比べ、実際の感染者数がどれだけ多いかについて、「実は10倍か、15倍か、20倍かというのは、今の段階では誰も分からない」と語った。

このような状況の中、検査結果で示された数字を細かく厳密に報道するのは無意味とは言いませんが、本来着目すべき大切なものから目を逸させてしまう危険性があります。

以前も書きましたが、大切なのは感染者数ではなく患者数です。
そして感染しても無症状、もしくは軽症で自力で治癒できる人たちがなぜそうなるのかを探り、その知恵を多くの人たちに伝え、共有することです。

 

今人々に求められているのはすべてに通じる知恵であり、その知恵ある『魔法のメガネ』で世の中を見たならば、専門家やメディアの報じる嘘や矛盾点も見抜くことができます。

自分はその知恵を『生命の法則』と呼び、これを一人でも多くの人に伝えることを天命としています。

新たなる生命の時代 これがこれからの新たな時代の価値観です。