陰陽の理合いを知ってこの世の中を眺めると、まるで『魔法のメガネ』をかけたかのように、いろんなコトやモノの本質が見えてきます。
ここでその『魔法のメガネ』のほんの一部をご紹介いたします。
陰と陽とは相対の世界です。
陰の中にも陽性の強いものがあり、陽の中にも陰性の強いものがあります。
植物は動物と比べて陰性で、その中で地(陰性)を好む根菜は陽性で、天(陽性)を好む葉菜は陰性です。
男女が惹かれ合うように、陰は陽を好み、陽は陰を好みます。
竹は植物の中でとても強い陰性で、天(陽性)に向かって高く伸び、地(陰性)を避け、根を横方向に広く張ります。
逆にヨモギやタンポポは強い陽性で、葉は真横に伸び、根は地中深く真っ直ぐに下ろします。
上は陰性、下は陽性、それは人体も同じであり、頭の上に生える髪の毛は極めて陰性で、植物のように伸びています。
そして植物同様、切っても痛みを感じることがありません。
土地とそこで採れるものは相対の関係で、暑い(陽性)国、時季に採れる植物は陰性で、それを食べる動物の身体を冷やす働きをします。
逆に寒い国、時季に採れる植物は、身体を温める陽性です。
また立派な家を建てるための良材は、悪条件のところで苦労して育った樹木です。
肥沃な土地でスクスクと育った木は良材とはなりません。
『艱難汝を玉にす』、人間の生育もまた同じです。
紫は陰性、赤は陽性で、紫色のなすびは身体を冷やす陰性です。
けれど「陰極まって陽になる」ことがあり、太陽(陽性)の恵みをたっぷり受けたトマトは強い陰性ですが、色は真っ赤な陽性です。
トマトは陰性なので、陽性の塩と相性がいいのです。
塩は強い陽性で、野菜でもナメクジでも、塩をかけると水を出して縮んでしまいます。
反対に長いものは陰性で、ロシア人の名前が長いのも、寒い陰性の国土が影響しているものと思われます。
大きく膨らみすぎた風船(極陰性)は、一瞬にして破裂してしぼんで(極陽性)しまいます。
無理して動き回り続ける(極陽性)と、いつか倒れて動けなくなって(極陰性)しまいます。
極陰は陽を生み、極陽は陰を生みます。
陰陽の理合い(魔法のメガネ)を身に付けると、身の回りのことがよく分かると同時に、自分自身でその知恵を深めていくことができます。
魔法のメガネは身近なものの真の姿を見るメガネであり、果てしなく大きなものを見る望遠鏡、またはミクロの世界を観察する顕微鏡です。
まずはその素晴らしい世界に第一歩を踏み出してみてください。
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