先月23日からインド全土で三週間に渡って行なわれているロックダウンが、今日4月14日の期限を前に、ここインド最南端タミルナド州は4月30日まで延長されることが昨日決定しました。
それ以前にも感染のひどい地域は外出を完全に制限され、食料、医薬品などの生活必需品は配達のみといった厳しい措置が取られていましたが、それでも感染拡大は止まらず、日本同様経済に甚大な影響があるものの、ウイルス撲滅のための苦渋の決断としてロックダウン延長が決定されました。
最新のニュースでは、インド最大のスラム街であるムンバイのダラビにも感染が広がり、感染拡大は容易に収まりそうにありません。
ロックダウン直後はそれを決定したモディ首相に不満げだったインド人たちも、今は致し方ないといった感じで事の推移を見守っています。
ロックダウンとは外出を制限されることです。
外出できるのは生活必需品を配達、販売できる許可を得た者か、それ以外は買い物の時だけです。
買い物も複数の人間で連れ立って行くことはできず、町の入り口には警官がいて身分証明書の提示を求められます。
幹線道路にはほとんど車が走っておらず、時折政府の広報車が家に留まることを促すアナウンスをしています。
ここはインド最南端のコモリン岬のすぐ近くです。
コモリン岬は聖地であり有名な観光地で、普段は外国人観光客や遠方から訪ねてきたインド人たちで賑わっているのですが、今はすべての店は閉じられ、ホテルも閉鎖しているとのことです。
自分と同じように旅行者の立場の人は困惑しておられると思います。
宿泊先の確保が困難で、最低でも五週間、その間にかかる費用も大変な負担になってきます。
幸い自分は知り合いのインド人宅にいて、広い敷地の中で衣食住にまったく不自由することがありません。
昨日あと二週間お世話になりますと挨拶したところ、
「サカイは家族だから一年でも大丈夫だ」
というありがたい言葉をいただきました。
日々ネットを通して日本のニュースも見ていますが、地元広島でも県知事が平日昼間の外出制限を要請する事態にまでなっていて、その環境なら、今自分がいるところの方が安心、安全、快適であろうと感じ、与えられた今の環境を享受しようと考えています。
日本では閑散とした渋谷の街をネズミが走り回っていると聞きましたが、ここインドでも首都デリーで猿が大量出没しているそうです。
武漢肺炎で経済がストップしたお陰で、地球は自然に一歩近づきました。
インド北部からは数十年ぶりにヒマラヤ山脈が見通せたとのこと。
きっと今なら東京都心部から富士山もきれいに見えることでしょう。
What nature really is and how we screwed it up.
This is Dhauladhar mountain range of Himachal, visible after 30 yrs, from Jalandhar (Punjab) after pollution drops to its lowest level. This is approx. 200 km away straight. #Lockdown21 #MotherNature #Global healing. pic.twitter.com/cvZqbWd6MR
— Soul of a Warrior (@Deewalia) April 3, 2020
世界の人口の半分以上を占める土地で行なわれているロックダウンがいつ解除され、この災禍からいつ抜け出ることができるかは、今のところ分かりません。
ただひとつ確実に言えるのは、このことによって世界の経済の仕組みや人々の暮らしが大きく変わるであろうということです。
今感じ取れることをすべて感じ取り、この災禍から脱すると同時に、それ以降の新たな理想世界を創り上げることに意識を向けていかなければなりません。
それが人類に与えられた課題であり、恵みなのだと感じます。
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