九州大分に循環農法という自然に根ざした農業を実践し、その思想と農法を伝えるなずなの会の赤峰勝人さんという方がおられます。
この9月14,15日の二日間、その循環農法を学ぶ広島の会、広島なずなの会の方たちとともに大分を訪ねました。
早朝マイクロバスで広島を出発し、午後大分到着後、赤峰さんの農場数箇所を見て回りました。
今年の大分は天候不順が続き日照時間が少なく、雨が多かったためニンジンは二回雨で流され、今植えられているものは三度目のもので、ニンジンの葉っぱは少し伸びている程度でした。
ここにはナスやピーマンが植わっています。
循環農法では農薬や化学肥料は使いません。
またそれぞれの野菜の特性を活かした栽培方法で、その野菜が持つ旨味を最大限に引き出します。
ですからナスでもピーマンでも、なっているものを直接手でもぎ取って、生で美味しく食べることができるのです。
豊かに実った田んぼも見せていただきました。
赤峰さんの田んぼではジャンボタニシによる除草を行っていて、稲を植えてから収穫まで、田んぼに入ることなく通常よりも多い収量が得られるとのことです。
稲の根本に雑草はほとんどありません。
稲の茎についている赤い塊がジャンボタニシの卵です。
これがジャンボタニシの実物です。
今は水が引いているので活動していません。
今はジャンボタニシは稲の茎を囓って倒してしまうと害悪の面が報道されることが多いのですが、それは管理の仕方の問題であって、ジャンボタニシで大きな除草効果を得るには、苗が大きくなってから田植えをしたり、水の調整をしたり、様々なノウハウがあるそうです。
田んぼをバックにみんなで記念撮影です。
なずなの会は全国組織で会員の方が多く、赤峰さんの元に全国からたくさんの方が見学や農業実習に来られるので、その方たちのための『食養庵』という宿舎が用意されています。
食養庵に着くと男性は風呂炊き、女性は夕食の準備にかかります。
お風呂は三つあり、すべて薪による釜焚きです。
今夜のメニューがホワイトボードに書かれます。
すべてなずな農園で採れたお米と野菜が材料です。
ここで初めて調理をされた方が、
「ここの料理は材料の野菜をすべて使って捨てるところがない!」
と感動されていました。
ネギの根っこも天ぷらにしていただきます。
料理が揃ったので全員が席に着きました。
広島から持参したシャンパンの栓を赤峰さんに開けてもらいます。
シャンパンを開けられるのは初めてだそうです。
こんなでカンパ~イです。
循環農法で育てられた最高の野菜たち、味わい深くて最高です。
これに勝る贅沢料理はありません。
あまりの美味しさと楽しさで、お酒もどんどんすすみます。
自分はこの料理をいただいて、直感的に言葉が浮びました。
この料理は噛めば噛むほど野菜本来の持つ旨味がにじみ出てくる『味わう料理』です。
それに対して普段口に入れる食事は『消費する料理』、その中に素材の持つ生命が感じられません。
こんな健康的で美味しい料理を毎日食べることができたら幸せでしょう。
身体が喜び、生命が喜ぶ料理です。
翌朝7時、少し二日酔いの体で二日目のスタートです。
赤峰さんの指導の下、瞑想の一時を持ちました。
食養庵では朝食がありません。
朝食の代わりに、梅干しと醤油を三年番茶で溶いた梅醤番茶をいただきます。
梅干しは砕き、中の軟らかい実もいただきます。
梅醤番茶をいただいた後は問答塾、赤峰さんにいろんな質問をぷつけ、語り合いました。
参加しておられる方は実際に農業をしておられる方が多く、主に具体的な農法が話の中心でした。
最後は玄米おむすびをお土産にいただき、食養庵を後にしました。
お世話になりました。
とても楽しく幸せな思い出ができました。
お昼ご飯は、なずなの会のレストラン『ランチ&カフェ 野菜ごはん』で美味しいランチをいただきました。
これもやはり最高の味わい、そしてレストランだけあった味も見た目も洗練されています。
『ランチ&カフェ 野菜ごはん』は最近地元タウン誌に紹介され、その後予約が殺到しているそうです。
地元の方は是非足を運んでみてください。
昼食後は途中道の駅で買い物をしたりしながら一路広島を目指しました。
自然に根ざした生き方の中にこそ深い喜びがある。
この当たり前のことを心と体で深く感じた二日間でした。
ここで学び感じたことを、日々の生活に活かしていきます。
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