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保温調理法と重ね煮

戸練ミナ

先日出張先で、そこの方が出先で“料理パフォーマー”の方の料理を味わったとの事で、その美味しさにいたく感動されていました。

具体的にどのような調理法かは分からないのですが、その家にある野菜を使い、塩と少しの調味料でとても美味しい料理を作られたのだそうです。

野菜を使った簡単な料理法で旨味を引き出す・・・、その時頭に浮かんだのが保温調理法と重ね煮で、その二つをその方にご紹介したところ、すぐに実践され、とても美味しくできたとの評価をいただいたので、ここにご紹介いたします。

 

保温調理法と重ね煮、このどちらにも共通するのは、

  1. 簡単で手間いらず
  2. 費用がかからない
  3. 確実に美味しくなって健康的

この三つです。

どちらも知る人ぞ知る有名な調理法ですが、まだご存じない方は、生涯役立つ知恵として是非覚えておいてください。

保温調理法を知ったのは二十年以上前の新聞記事からです。
(当時は朝日新聞をとっていました!!)
魚柄仁之介というなかなかのアナーキーな料理研究家が、煮物は温度が下がる時に味が染み込むというそれまでまったく知らなかった料理の知恵を教えてくれました。

その新聞記事のコピーは今でも大切に保管しています。
下の画像をクリックするとPDFファイルが開きます。保温調理法

この記事に書かれているように、保温調理法でゆっくりと料理を冷ますと素材本来の旨味、甘味が引き出され、味わいがワンランクアップします。

保温調理に適した特別の鍋もありますが、普通の鍋を新聞紙やタオルでくるんだり、発泡スチロールの箱に入れるだけで基本的にOKです。

朝料理をし、少しだけぐつぐつと煮込み、そのままの状態で保温しておけば、夕方には美味しい料理の出来上がりです。

カレーなど長時間煮込むと鍋の周りから美味しい匂いが漂います。
それは香りが湯気とともに抜けていっているということで、本来香りは旨味とともに料理の中に閉じ込めなければなりません。

このたび保温調理法をご紹介した方は、その晩早速実践され、とても美味しい野菜スープができたと喜んでおられました。
そのお家には小さな子どもさんが三人おられ、野菜スープには肉や魚などを入れないとなかなか口にしてくれなかったそうですが、その時は野菜だけの材料でみんな美味しく食べ、苦手だったキノコ類も何も言わずに口にされたそうです。

記事にあるように、まず簡単なニンジンだけを茹でてみてください。
普通に煮込んだニンジンとの味の違いに驚かれるでしょう。

 

重ね煮は、知り合いから戸練ミナさんという素敵な女性を紹介してもらったことで知りました。
彼女は若いながら「重ね煮評論家」という肩書きを持ち、全国、世界に重ね煮の知恵を伝授しておられます。
<はぁも煮 | kasaneni mina-style – 「重ね煮」料理研究家 戸練ミナのオフィシャルサイト>

重ね煮とは陰陽の知恵で、煮物は通常煮えにくいものを下、煮えやすいものを上にして煮込みますが、重ね煮はそうではなく、陰陽の知恵に従って、上に昇ろうとする陰性のものを下、下に下がろうとする陽性のものを上にして煮込み、鍋の中で対流を起こさせて料理全体に旨味を行き渡らせるという方法です。

重ね煮

原理は簡単ですが、詳しいことを知りたい方は是非本を読んで調理例などを参考にしてください。
このたび知人に紹介するにあたり戸練ミナさんの本を買いました。

彼女の本を読むのは初めてでしたが、とても分かりやすく具体的で、理論から実践例まで詳しく書かれていて、これを読むとすぐに重ね煮をしたくなること請け合いです。

この本はその知り合いにあげてしまって手元にありませんが、重ね煮は調味料を使わずに美味しくなるだけではなく、料理の日持ちもするそうで、これまで知らなかったこともたくさん書かれていました。

 

これから寒い季節へと向かいます。
保温調理法と重ね煮で、心も体も温まる秋、冬をお迎えください。(^_^)/