インドから帰って来て一ヶ月半、インドで四ヶ月かけて減った体重6キロは、この一ヶ月半で2キロほど戻りました。
寝る前にお酒を飲むことが多いのもありますが、体重増加の大きな原因は、インドと違って日本の食材は生命力に欠けていて身体の代謝能力が衰えるからだと感じます。
今年のインド滞在はロックダウンの影響で半引きこもり状態が多く運動量は少な目でしたが、それでも三食しっかり食べていたにも関わらず体重はいつものように減少し、体調も万全そのものでした。
『身体の喜ぶ食』、日本でもインドと同じような食生活が送れたらどんなにいいだろうか、いつもそのことを思います。
その身体にとてもいいインドの食材ですが、それはただ単にイキイキとした生命の輝きに溢れているというだけではなく、その食材がその土地で暮らす人の身体に適合した『身土不二』なものであるからだということをいうことを、今日下の野村慶太郎さんのメッセージを読んで感じました。
身土不二という言葉は以前からよく知っています。
その人の身体とその土地とは切っても切れない深い関係があり、人間は自分の暮らす土地の近辺で採れたものを、その採れた時期、つまり旬にいただくのが最も理に叶って健康的なものであるということです。
南国では身体を冷やす陰性のものが採れ、寒い北国では身体を温めるものが採れ、その時期、その場所に応じてそこの旬の食材を最適な方法で調理していただく、極めて自然な共生方法です。
そしてその身土不二の考え方の中には、その土地独自の土壌細菌というものを摂るのが自然で健康にいいという理合いも含まれていて、そのことを野村さんのメッセージを読んで思い出しました。
インドの田舎ではまだ冷蔵庫のない家庭が多く、加工食品も少なく、自然と旬の食材を口にせざるえなくなります。
畑もほとんどは露地栽培で、日本のように大量の農薬、化学肥料を使うこともありません。
ですからその土地の土壌にある細菌も野菜の中にしっかりと生きているのです。
インドではそんな食べ物を毎日口にしているので体調がよくなり、代謝もよくなって体重が減っていくのも当然だと感じます。
インドでは最もポピュラーなヒンズー教徒は牛肉を食べません。
そしてイスラム教徒は豚肉がタブーであり、そんな関係で肉といえば鶏肉を食べる機会が最も多くなります。
インドの鶏肉は味わい深くてとても美味しいです。
それと比べたら日本の鶏肉はただ歯応えだけで味がないように感じます。
鶏肉は生きた鶏の状態で店先に並べられていることが多く、その場で捌いて販売するので新鮮だから美味しいのでしょう。
それと育て方や飼料も日本よりも自然なのだと思います。
その鶏肉を使ったチキンカレーにはタマネギをヨーグルトで和えたサラダが付きもので、このサラダがまたものすごく美味しいのです。
タマネギのことは現地のタミル語でベンガーヤンと言い、インド人に「インドで一番好きな食べ物は何か?」と聞かれたら、必ずコーリッカリー(チキンカレー)とベンガーヤンサラダ(タマネギサラダ)だと答えるようにしています。
日本でもタマネギは嫌いではありませんが、インドのタマネギは生のまま食べてもさほど辛くはなく、味わい深くていくらでも食べることができす。
辛みという陰性が控え目なのは、タマネギが小ぶりで陽性だからかもしれません。
そしてそれはまた、日本の野菜のように化学的肥料を大量に与えられた水ぶくれ状態はなく、大地、土の養分をしっかりと吸収したものだからなのだろうと、また今日新たに気付かされました。
野菜は小さい方を選びなさい | 象牙の塔の住人 無肥料栽培家 岡本よりたか
野菜を作り始めた頃、無肥料では野菜が大きくならず、随分と悩んだものです。
直売所に並べても見劣りして売れず、マルシェでも鼻で笑う人がいて、宅配でも期待外れと言われて契約を切られ。
自分に何が足りないのかと、あれやこれやと試行錯誤する毎日は、かなり辛い日々でした。
そんな時、栄養学を学んでいる学生さんがマルシェにやってきて、僕の野菜を見て、一言こう言いました。
「今の野菜は水を食べているようなものですけど、この野菜は土を食べられる野菜ですね。」
とても衝撃的な言葉でした。今まで自分の野菜はダメ野菜と決めつけていたけど、僕が野菜を作ろうと思ったきっかけは、土を食べたいと思ったことだったからです。
本当は自分で野菜を作るのが理想ですが、都会に暮らしているとそういう訳にはいきません。
けれど自らの生命を大切に育むため、限られた条件の中でも理想を求め、野菜の真の姿を見ていきたいと思います。
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