コラム ~ 自然に癒される ~

人間はどんなに文明を発達させても、自然の一造物であるという事実に変わりありません。
都会で働く人が、たまに田舎の故郷に帰ると心安らぐように、人間が豊かな自然環境に触れると心癒されるのは自然な感覚です。

入り組んだ形をした雲、海岸線、砕け散る波、豊かな山並みやそこに暮らす動植物、自然の中はフラクタルなものであふれていて、物理学者リチャード・テイラー氏は、幾何学的に計算されたフラクタル画像を見ると、人間のストレスレベルが60%も低減することを発見しました。

毛細血管 木 フラクタルな海岸線

 

心地いいそよ風は、適度なゆらぎ(変化)を持っていて、その変化という不規則性が、1/fの法則に則っていることはよく知られています。
fとは周波数のことであり、周波数の大きいものほど少なく、小さいものほど多く波が重なった状態で、心拍数などの生体リズム、小鳥のさえずり、モーツアルトの音楽等、自然で心地いい波の多くがこの1/fのゆらぎを持っています。

周波数による一定量の変化を持つ波は、全体像と部分の拡大が相似のフラクタル性を持っていて、1/fのゆらぎもまた自然の持つフラクタル性の一部と言えます。

小鳥赤 小鳥青

 

 

東京医科歯科大学の角田忠信名誉教授は、聴覚と脳の反応を研究する中で、日本人(六歳まで日本語環境で育った人)は特異な脳の反応を示すことを発見しました。

西洋人が虫の音、動物の鳴き声、風や波音といった自然音を、雑音と同じ右脳で処理するのに対し、日本人はそれらを言語と同じ左脳で処理します。

日本人の自然を愛する心、花鳥風月を尊ぶ思いは、日本人独特の文化であり、その源は日本語の中にあるようです。

日本人の脳

 

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