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安定

昨日まで3ページ続けて「山あり谷あり」を書きましたので、
次はその逆の「安定」ということを書いてみます。

人生は山あり谷あり、これは形あるもので壊れないものがないのと同じく、
誰の人生にも共通した普遍的事実です。

問題は人生において山や谷があるということではなく、
その山や谷といった波に感情が大きく左右され、
深い悲しみや落ち込みをたびたび感じてしまうということです。

悲しみや落ち込みといったものも、
それが人生を振り返る機会となり、成長のステップとなるならば、
価値のあることではありますが、
その感情を左右される原因がどこにあるのかということは、
知っておいた方がいいと思います。


あまりにも当たり前すぎて、ついつい忘れてしまうことは、
感情の浮き沈みとは、
外部の条件によって直接的に左右されるのではなく、
その人のものに対するとらえ方が、その感情を動かしているということです。

美味しいお寿司が目の前にあって、それを幸せと感じる人もいれば、
魚アレルギーの人のように、見るだけでもイヤだと感じる人もいるでしょう。

大金持ちでも不平不満だらけの人生を過ごしている人もいれば、
貧しくても明るい日々を送っている人もいます。

ものや周りの環境といった自分の外なる世界の条件は、
その人の幸せを導き、感情を左右するひとつの条件ではありますが、
直接的に感情を動かしているのは自分自身の内側にある
ものの見方、とらえ方です。

ここに着目し、自分自身を変える努力をしない限り、
外の条件に心動かされ、そのたびに一喜一憂するという生き方は、
いつまで経っても変わることはありません。


人生における大きな困難と出合い、
それを乗り越えようと努力しても、
人生は山あり谷ありなのですから、
必ずしもその努力が実り、次にすぐ大きな山がやって来るとは限りません。

努力をして一瞬光明が見えたものの、
すぐにまた大きな谷がやって来て、
「なんでこんなにがんばったのに ・・・ 」
とすぐにまた落ち込んでしまう人をよく見かけます。

山と谷はいつやって来るかは分かりません。
前を向いていい調子で一歩を踏み出した時、
大きなトラブルに見舞われ、
自らをより深く見つめなければならないといったことはよくあることです。
それは自らの魂のより一層の成長を願う、
魂の奥底の存在からの配慮なのかもしれません。


人生の大きな波を上手く乗り切るにはどうすればいいのか、
それはサーフボードの上に乗り、波乗りをしている人を見ればよく分かるでしょう。
一流のサーファーは、みな腰のところに力をみなぎらせながらも、
波の動きに合わせて体を柔軟に対応させ、
その体には力みが一切感じられません。



腰の力というのは、生きる上での志といったものに相当するでしょう。
自分というもの、志というものをしっかりと持ちながらも、
人生の大波に逆らうことなくしなやかに対応していく、
これが人生の大波を感情の大きな浮き沈みなく乗り越えていく鍵なのです。

いろんなことで大きな落ち込み、悲しみをたびたび体験する人には、
ひとつの特徴があります。
それは自分の抱く理想像というものを強く持ち、
身の回りで起こる出来事を自分なりの善悪の価値観で判断するということです。

東洋思想に「無為自然」という考え方がありますが、
これのまったく反対です。
自分の理想に人生の波を合わそうとする、
これは全身の筋肉に力をいっぱい入れ、
その状態でサーフボードの上に直立して乗るようなものです。


過ぎ去った思い出は、甘く切ないものです。
過去の苦い経験も、後で振り返ると教訓として光り輝いていることがよくあります。
むしろ辛い経験の方が、
人生にとって大きな益となっていることが多いのではないでしょうか。

「過去は変えられる」と書いたように、
過去の出来事の価値は、それ以降の生き方で如何様にも変えることができます。

ならばその将来光り輝くであろう苦しい出来事も、
今その時点で、大きな喜びを持って受け入れられるようにすること、
それが賢明でしなやかな、波に乗って生きるとても大切な要因でしょう。


けれどもこれは理屈ではないですね。
頭で分かっているからといって、すぐにそう感じられるものではありません。
様々な葛藤を経て、ようやくたどり着く境地でしょう。

そのためにもやはり人生の大きな荒波にもまれ、
その中で一喜一憂し、悩み苦しむことによって、
そうならない自分になるためのものを掴むしかないと思います。

自分自身を変えていくのは、実践しかありません。
本を読んで頭で分かるだけでは、人間はなかなか変わりません。

また大きな悩み苦しみを経験したら、
人間は必ずいい方向に変われるかといったら、
もちろんそんなことはありません。

苦しみを自らの成長の糧にするためには、
周りのいい仲間の助言やいろんな方法、知識というものが役に立ってきます。


私自身の体験ですが、
昨年大きな転機を迎え、いろんな面で心の中も外も、
大きく変わってきているのを感じます。

それは振り返ってみて、
やはりひとつひとつの実践の成果が出てきたのだとしか考えられません。

いろんなことをやっていて、どれとどれが結びつき、
どれがどの程度の効果があったかを明確に区別して示すことはできません。


ホ・オポノポノ引き受け気功と出合い、
一時は暇さえあれば感謝の言葉を
口の中でぶつぶつとつぶやいている時期がありました。

インドに行き、貧しい子どもたちの輝くような笑顔と出会い、
生きる意味を根底から見つめ直す機会を得ました。

トイレ掃除を実践し、当初から奇跡的なことが数多く起こったものの、
はじめの半年間ほどは、
自分の心が変化したという感触はまったく得られませんでした。
けれども頭の中では「これは素晴らしいものだ!」ということを強く感じていたので、
ただがむしゃらに続け、いつしかそれが最高の喜びに変わっていった頃、
心の中に大きな安心感が芽生えつつあるのに気がつきました。

それまでイヤだダメだと拒否していたものも、
心の中でなんとなく喜びを持って迎え入れられるようになったのです。
これは間違いなく、
普段汚い便器と正面から向き合って「心磨き」をしてきた成果でしょう。
こんな短期間で自分の心の変化を感じたことはなかったのですから。

そしてその延長線上で「ホメオパシー」と出合い、
胸の奥から幸せの感情が強くわき出てくるようになりました。

すべては繋がっていて、関連し合っています。
あることを熱心にやったがために、
次なるものとの出合いを得られたのかもしれません。

方法は何でもいいと思います。
「これが唯一の正解」というものはありません。

いつも言うように、答えに価値があるのではなく、
その答えを導く中にこそ、
本当の意味での知恵という深い学びがあるのです。


実践によってしか人は変われません。
しなやかに力を抜いて、腰骨をしっかり立て、お腹の中には熱い志を持ち、
オンリーワンのあなたに合った実践方法、知恵を見つけていってください。

それが心の安定を得るための最高の方法です。

2010.4.14 Wednesday  
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