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通るべき道

人が出合うどのような苦難も、
それは自らの心の奥底が望み、引き寄せているものだと思います。
それが最近よく耳にする「引き寄せの法則」です。

因縁や業、カルマとも言われますが、
それらにはどうしてもマイナスのイメージが付きまといます。
けれども本来物事には善悪は存在しません。
ただ自らがまいた種を自らが刈り取るだけ。
上に向かって投げた石を、自分の手で落ちてくる時に受け取るだけ、
そしてその中から何かを気づき、学びたい、
実にシンプルな因果律であり宇宙の法則です。

求めよ、さらば与えられん!
尋ねよ、さらば見出さん!
門を叩け、さらば開かれん!


有名な聖書の言葉であり、西洋思想を代表する概念です。

たらいの水は、手前に引くと逃げていき、
向こうに押すと、こちらに戻ってくる。


これはたらいの法則と呼ばれ、東洋思想の神髄であり、
上の聖書の言葉とはまったく逆の意味ですが、
どちらも原因があって結果があるという形での因果律の実在を説いています。

天理教では、
因縁なら通らにゃならん、通って果たさにゃならん
という言葉で「因縁通り果たし」の道を説き、
やはり因果律の実在は、教理の根幹となっています。


自分の身の回りに起こってくることはすべて自ら望んだことであり、
必然であり、意味のあることです。
ですからそれを意図的に避けようと思っても、
そこから感ずべきものを感じ、学ぶべきものを学ばなければ、
いつまでも形を変えて、同様の現象が起こってきます。

これが天理教で説く、「通らにゃならん道」であり、
「果たさにゃならん」因縁の道です。

これを避けて通れないから恐ろしいと考えるのはひとつの取り方です。
けれども逆の見方をすれば、
今目の前に起こっている事をしっかりとクリアーし、そのことを卒業すれば、
次は二度と同じようなことは起こらないという意味でもあり、
何も恐ろしいことではないのです。

この因果の法則は、頭の中では分かったつもりでも、
なかなか体で理解し、納得するのは難しいかもしれません。
私は幸いに神因縁を持ち、「神のご守護」をたくさんいただいていますので、
この「通らなければならない因縁の道」というものを、
この目で何度も見て、体感してきました。

特に神の道に徹している私の天理教の先生の身近では、
その理(因縁の法則)が鮮やかに現れ、
身の引き締まる思いを何度もさせてもらいました。

念のために言っておきますが、
私が天理教の事例を挙げるのは、
それを自分で実際に体験した世界だからです。
天理教(の真の姿)は素晴らしい宗教で、
私の先生は尊敬に値する愛の実践者ではありますが、
だからといって天理教が最高の宗教だと賞賛するつもりはまったくありません。


まず何か事が起こった時、
その事の意味、そしてそこから何を感じ、学ぶことができるのか、
そのことから自分は何を得ようとしているのか、
まずそのことを考えなければなりません。

何事もすべて意味のあることであるならば、
どのようなことであれ、それに対して感謝することができるはずです。

すべてに感謝、 ・・・ 口で言うのはたやすい世界です。
けれども実行するのは至難の業でしょう、
それは当然です、私たちは生身の肉体を持った人間なのですから。

そのために心を鍛える日々の修練や実践行が必要であり、
引き受け気功ホ・オポノポノといったメソッド、
あるいは宗教なども生きるための糧として必要となってくるでしょう。


身の回りで起こってくることすべてに意味があり、
気づき、学びのチャンスであり、
それを引き起こした原因はすべて自分の中にあるということを自覚するのは、
生きる上でのきわめて大切な知恵であり、
これがどのような苦難にでも立ち向かっていける究極の救いなのだと思います。

身の回りで起こるすべての出来事の因子は自分の中にあります。
その因子を知るということは、自らの運命、天命、使命を知るということであり、
その運命、天命、使命とは、
魂レベルまで遡った自分自身の個性であるとも言えます。

個性とは体、魂の奥からわき上がってくる強烈な生命エネルギーです。
よりよく生きるには、この生命エネルギーと対峙し、
その姿をしっかりと見つめることが何より大切です。

プラス発想、願望実現、目標達成、・・・
そんな言葉がスピリチュアルな世界に興味がある人たちの間で
よく語られていますが、
この自らの個性を顧みることなく、
ステレオタイプに現実界の夢を追いかけるのは、
とても危険な一面があることをよく理解すべきでしょう。

その人の個性とは、建物に例えると土の中にある基礎のようなものです。
基礎の形は建物によって様々です。
高層ビルを建てるための基礎もあれば、
木造建築のお寺を建てるための基礎もあります。

この地中の基礎を見ることなく、
ただ世間の常識に従った高い大きな建物ばかりを建てようとするのは、
常に崩壊の危険性と隣り合わせであり、
実際 “成功者” と呼ばれる人たちの中で、
大きな不幸を背負っている人たちがたくさんおられるという現実があります。

この「成功者の告白」は、そんなことについて書かれた良書です。

成功者の告白 (講談社+α文庫)
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「敵を知って己を知れば、百戦危うからず」、
孫子の兵法の有名な言葉ですが、
敵という他者を知ることよりも、私たち現代人にとっては、
己という心の奥に潜む個性、原点を見つめる方が難しいかもしれません。

因果律のことを書こうと思ったら、
また “原点” という言葉に戻ってしまいました。

戻るべきところは同じですね。
だからこそ原点です。

2010.3.23 Tuesday  
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