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答えはない

いつもトイレ掃除をする時は、
カネヨンというクレンザーのお世話になっています。

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汚れ落ちがよくて使いやすく、値段も安くて環境にもいいということで、
掃除の会のメンバーはみな満足してカネヨンを使っています。

元々このカネヨンが全国の掃除の会に広まったのは、
掃除の会の創始者であり、
掃除をする人たちの間ではカリスマ的存在である鍵山秀三郎さんが、
何百種類もの洗剤を使い、
その中でこのカネヨンが最も優れていると判断をされたからです。

その判断はきっと正しいものなのだと思います。
そしてこのカネヨンも、とても優れた掃除用の洗剤なのだと感じます。

けれどもカリスマ的存在の人がいいと言われることを盲信するのは危険です。
それは人にとって最も大切である判断力、主体性というものが脅かされるからです。

鍵山さんにとっては、このカネヨンが最も素晴らしい洗剤なのでしょう。
けれど人によって掃除のスタイルがあり、また好みというものがあります。
Aさんにとって最高のものが、Bさんにとっても最高であるとは限りません。
万人にとって最高のものなど、もしかしたら存在しないかもしれません。

またAさんとBさん二人にとって最高のものが同じであったとしても、
Bさんが、Aさんの言われるままにそれを手にするのと、
Bさんが自らが体を使って確かめ、
知恵をしぼって考えた結果手に入れるのとでは、
まったく価値が異なります。

学校の勉強でも、何かの知識を習得するのでも、
人から答えだけを教えてもらうのと、
自ら苦労してその答を導き、手に入れるのとでは、
まったく価値が異なるのと同じことです。


以前「掃除道」ということを書きました。
“道” という徹底的に様式化された世界の中で、
何かの神髄を掴むというのは素晴らしいことであり、
日本的な伝統美でもあります。

けれどもこの世の中に絶対的なものは存在しません。
相対性が根源であるこの時空では、
太陰の中に小陽あり、太陽の中に小陰あり、
すべての物事は二面性を持つということが真理です。



掃除道という様式化された金属の理の世界にもその二面性は当てはまります。
形を重んずる道の世界は、
一歩間違えは狂信(カルト)的、従属的、
あるいは思考停止と行った状態にもなりかねません。

これは掃除道の悪口を言っているのではありません。
どんなものにもいい点、悪い点、・・・
いやもっと正確に言うならば、
いい点となりうるもの、悪い点となりうるもの、
その両方を含んでいて、
その両面をよく理解した上でそのものと関わるのが最善なのです。

それが自らの知恵を高めることであり、
またそのものを本当の意味で尊ぶことになります。

盲信というのは、自分にとってマイナスなだけではなく、
最終的には、そのものの価値をも貶める行為です。


掃除の会では、使った道具はきれいに片付けるというのが原則です。
それは自らを律するということであり、
使わせていただいた道具、ひいてはすべてのものに感謝する心にも通じます。

掃除の会で大活躍するカネヨンは、
使った後は蓋の周りが汚れるので、
ここにこびりついた洗剤は歯ブラシを使ってきれいに落とします。



上の写真は、普段私が自分用に使っているカネヨンです。
ご覧のように、蓋の周りに洗剤がこびりついたままになっています。

なぜこのような汚れたままの状態にしているかというと、
蓋のキャップが壊れやすく、
毎回歯ブラシでゴシゴシと擦っていると、
キャップの継ぎ目が切れてしまうからです。

それにここをきれいにしても、
また次回同じように洗剤がこびりつき、
それをきれいにするたびに洗剤が “汚れ” として
洗うために使った水と一緒に下水に流れ、
考え方によっては、
ずいぶんと資源の無駄遣いをしているということにもなってしまいます。

ですから私は自分の判断で、
蓋の周りの洗剤は洗わないことにしています。

これが本当にいいことなのかどうなのか、
それは誰にも決めることはできません。
どこに価値を置くか、何を求めるかによって答は人それぞれ変わってくるでしょう。


誰にとっても万人共通の答など存在しません。
また答えそのものに価値があるのではなく、
それを求めるところ、またそれを求めた後の行動、
様々なところに価値が生まれてくるのですから、
たとえ自分一人にとっても、「これしかない!」という答は、
本来存在しないのです。

けれど人は往々にして、答というものは歴然と存在し、
自分にとっての答と、人にとっての答は同じであるはずだと思うものです。

自分を認め、愛し、そして人をも認めて愛する、
それが本当の自立です。


私が今学んでいるこの「ザ・ワーク」は、
それに対するたくさんの気づきを与えてくれます。

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考えというものは、信じさえしなければ無害です。
苦しみの原因となるものは、考えそのものではなく、
考えに対する執着です。
考えに執着するというのは、それについて探求することなく、
思い込んでしまうことを意味します。
「ビリーフ」というのは、
長い間(多くの場合、何年も)執着してきた考えのことです。


2011.11.18 Friday  
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