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ヨガナンダ



当たり前の世の中

震災以降日本の歴史は変わりました。
今現在も余震が続き、原発事故が今後どのようになっていくのか予断を許しません。

これからの日本、世界はどうなっていくのでしょうか。
誰もそれに対して明確な答を提示できないかもしれませんが、
自然現象である歴史の流れの大筋は決まっています。

その流れから見て、
これから先実現して来るであろう理想世界を一言で表現するならば、
それは抽象的な言い方ですが、
当たり前のことが当たり前として通る世の中であろうと考えています。


これまで私たち人類は、地球という限られた環境の中で暮らさせてもらっている
自然の一造物であるという当たり前の感覚を忘れ、
他の自然との共生関係を保つという絶対的ルールを無視し、
自然を制覇した先に大きな幸せがあるという錯覚を持ち続けてきました。

旧約聖書の創世記の中にある失楽園の物語のように、
人間は知恵という禁断の果実を食べてしまったがゆえに、
自然との当たり前の関係を見失ってしまったのだと思います。

この時空にあるすべてのもの、事には命があります。
現在の私たちの社会を律している資本主義にも命があり、
その命ある資本主義は、人間の欲望というものを餌として自己増殖を続け、
ものがたくさんあって、便利で快適なことが幸せに至る一本道なのだという
誤った感覚を私たちに植え付け、共存すべき自然を破壊し、
同胞として手を繋がなければならない人類同士を競争原理にさらし、
富がごく一部の人間のところに集中し、
何億という人たちが今も飢えに苦しむという現状を作っています。

この現実を私たちは当たり前のこと、世の中とはそういうもの、
こんな風に思い続けてきたのですが、
それは現代社会や資本主義といった宗教に洗脳された思い込みであり、
自然という最も基盤となるところから見つめたならば、
まったく当たり前ではない異常なことなのです。


福島第一原発の状況がどうなっているのかは、
日本人なら誰しもが気になるところですが、
マスコミを通して伝わってくる
政府や東電、保安院、御用学者たちの意見を聞いていみても、
ただ「心配ありません」という言葉を繰り返すのみで、
その実態をまったく知ることができません。

電力会社は電気事業法という法律の元で運営されていて、
その法律では、電力会社は投資した額に対して一定の報酬率の
利益を上げてもいいということになっていて、
このことから、一般企業の常識とは異なり、
経費をかければかけるほどもうけが大きくなるという構造を持っています。

ですから発電所を建設するのは、
最もコストのかかる原子力発電が魅力が大きく、
そこから莫大な原発利権というものが生まれ、
それが自治体、ゼネコン、役所、政治家、大学の研究機関、マスコミと
あらゆるところに蔓延し、
誰も大手を振って原発が危険であるという真実を語れない状況となっています。

これはつまり最も尊いはずであるべき人命が軽視されているということであり、
ひとつの生命体である資本主義という怪物、
そこから生み出される利権という魔物は、
私たちが当たり前のことを見る目をも曇らせてしまうということです。


私がこれからの世の中の動きについて断定的に語ることができるのは、
22年間、文明法則史学という歴史の持つ生命を学び、
そこからすべてのもの、事にも命があるという事実を知ることができたからです。

今は800年に一度の大きな文明の大転換期です。
これは過去の歴史をひもといて導かれる明確な事実です。

現在進行形として、西洋文明が衰退し、やがて滅び、
そしてそれに代わって東洋の時代が幕を開けます。

けれどもここまで肥大化した西洋文明の衰退、没落は、
人類全体の存続に関わるきわめて大きな危機です。

そしてこの西洋文明を中心とした物質中心主義は
行き着くところまで行ってしまっていて、
この次に訪れるであろう文明は、
これまで人類誕生以来一直線で駆け上がってきた、
物質消費量を増大(エントロピーの増大)さすという文明発展のパターンを、
初めて転換させなければならない状況にまで差し迫っています。

ですから今は人類の持つ文明の超大転換期であり、
多くの人が語るアセンションということがおかしくはないと私は考えています。

この宇宙はビックバンという膨張で始まり、
今もその膨張は続いています。
膨張は陰性であり、ですからこの宇宙は陰性優位で、
陰陽というのが順序の理になっています。

これからは東洋の時代、
すべてがリセットされ、新たな陰の時代、心の時代がはじまります。


これから衰退していく西洋の文明は、
西側の地域だけの問題ではありません。
その文明を繁栄させているすべての地域に関わってきます。

それは今現在世界すべての地域、国々と言ってもいいぐらい深く広範囲であり、
もちろん西洋合理主義が根付いている日本もそのひとつです。

日本はこれから世界のひな形としての役割を果たしていかなければなりません。
日本はそれだけの力と役割を持つ国です。

ですから日本からいち早く西洋的な価値観、
これまで人類が誤って持ち続けてきた常識を崩壊させ、
世界に範を示す意味で、
新たなるこれからの人類の生き方を提示する義務があるのだと考えます。

それには多少の苦難が伴うでしょうが、
考えようによっては、
それは自然の中に暮らす人間にとって、
きわめて当たり前の価値観を取り戻すだけのことです。

これもやはり、新たに何かを学ぶのではなく、
ただ心の中を見つめ、思い出せばいいものです。


新しい時代が幕を開けたなら、きっと多くの人がこう語るでしょう。

「やっと素晴らしい世の中が実現したね。
 けど考えてみれば、これが本来当たり前の姿なんだよね ・・・ 」

当たり前の世の中を目指し、
当たり前と思えることをひとつずつ実行していきましょう。

2011.4.14 Thurseday  
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