壁を越える | ||||
どんな人でも長い人生の中で、 「壁を乗り越えた」と思える経験が何度かあるでしょう。 子どもの頃に鉄棒の逆上がりの練習をし、 何度も何度も失敗を繰り返し、 ようやっとできるようになった後は、 それまで苦労していたのが嘘のように、簡単にできるようになります。 壁とは一度乗り越えると、それはもう壁ではなく、 単なる通り道のひとつとなります。 自分を律し、自ら目標となる壁を設定し、 それを次々と乗り越えていける人は本当に立派だと思います。 超グータラ者の私は、そういったことがまったくできません。 子どもの頃から家で学校の宿題まったくやったことがない人間ですので、 「やらなければならないこと」を真面目にやるということが、 まったくもってダメなのです。 以前「時間の第二領域」ということを書きましたが、 時間の第二領域である「重要だけれども緊急性がないこと」をコツコツできる人は、 私にとってまさに尊敬の対象です。 けれども心の奥が何かを学ぶことを望み、 そのために壁を乗り越えることが必要だとしたならば、 自分の意思に関わらず、その壁を乗り越えざる得ない状況になるでしょう。 その場合も当然ながら、 無理矢理乗り越えさせられるよりも、 自ら進んで乗り越えていく方が楽なのは間違いありません。 私もこれまでの人生で、 いろんな苦労をしてきましたが、 その多くは苦労ではなく難儀というものです。 自ら進んで何かをつかむため行うのが苦労、 自らの怠慢で招くのは難儀と呼ぶそうです。 壁を乗り越えるには、 具体的な目標をキチッと決め、できれば周りに宣言してしまうのがいいですね。 これまで七号食という半断食を二回経験しました。 これは一回10日間で7キロほどやせるハードなものですが、 一日に口にできる量が決まっているので、 「これだけしか食べられない」ということをしっかりと頭の中にインプットしておくと、 意外と食べるのを我慢できるものです。 ところが少し食を控えようと 「できるだけ食べないように」と中途半端に考えても、 それを我慢するのはかなり困難です。 目の前に食べるものがあったら、 「ちょっとならいいか」とすぐに心が動いてしまいます。 食べる量をきちんと決めていれば我慢できるものが、 できるだけ ・・・ というように基準をあいまいにすると、 選択の余地という誘惑と常に戦わなければならないのです。 人は性格タイプによって、物事に対する動機付けのされ方は様々です。 いいか悪いか、損か得か、正しいか正しくないのか、楽しいか楽しくないか、・・・ どういった価値観を最も尊重するかは人によって異なります。 ( けれどもつい他人も自分と同じように考えているはずだと思い込みがちです (^^;) ) ボランティア精神旺盛なエニアグラムタイプ2「愛を与える人」である私は、 人様に喜んでいただけるかどうかということが、 何よりも大きな価値基準であり、 最も大きな動機付けされる事柄です。 つまり人のお世話をするのが何より好き、 自分のためには動けなくても、人様のためならがんばれる、 期待されると絶対にそれに対して応えようとする、 そういうタイプです。 性格タイプはいろいろありますが、 どれがいい悪いということはないのです。 どのタイプにもいい面、悪い面があり、 それを知り、できるだけ悪い面が出ないよう心がけていこうというのが エニアグラムの知恵です。
約二ヶ月ちょっと前の2月2日からホームページを毎日更新するようになり、 普段の生活や考え方が少しずつ確実に変わってきました。 自分にとっての「心の壁」をいくつも乗り超えることができました。 毎日更新するようになり、アクセス数が増え、 読まれた方からメールをいただく機会も、 これまでと比べて急に多くなってきました。 毎日更新していると思って日々アクセスしてくださる方がいます。 そう思うとそれに応えないわけにはいきません。 「ああ、今日はアップされていないのか・・・」 そう思われ期待を裏切ることが何より辛いタイプ2の私には、 アクセス数が増え、メールをいただくということが、 大きな励みであり喜びであり、プレッシャーであり動機付けでもあるのです。 もっとたくさんいろんなことをホームページに書いていきたいという思いは、 以前から強くあったものの、 それはあくまでも「できるだけ」の世界であり、 それだけでは怠惰な私の体が動くことはありません。 昨年の秋は、被爆者である知り合いが入院をして、 そのお見舞いのため、ほぼ毎日病院に通っていたので、 一ヶ月半もの間更新をストップしていました。 今では考えられないことです。 毎日更新するのは大変です。 けれども期待されたらやらざる得ないのです。 毎日どんなに忙しくても疲れていても、 何か書かなければいけないと思うと書けるのですね、 自分の限界だと思っていたボーダーラインが、 これまで考えていたものよりずっと高いところにあるということを知りました。 これは私にとって大きな壁を越えた体験です。 「毎日よくそんなに書くことがありますね♪」 と言われることもありますが、 心の中の思いを形ある文字にする過程で、 自分自身とても深い気づきを得ることができます。 だからこそまた新たな気づきが生まれてくるのでしょう、 心の中のものを引き出せば出すほど、 在庫が減るのではなく増えてくるといった感覚です。 「バランス」にも書いたように、 現代人はインプット過多となっていてアウトプットが少ないので、 日々のアウトプットでよりバランスが取れてくるのです。 ホームページを読んでいただいた方から、 毎日何通かのメールをいただきます。 グータラだけれども筆まめな私は、 それに対して極力丁寧な返事をお返しするようにしています。 中には深刻な悩み相談といった内容のものもあり、 そう簡単に返事を書くことができません。 一通のメールを書くのに三時間以上かかることもあります。 けれどもそれは「その人のためだけ」にしているのではありません。 その人の心の痛みを共有し、私も真剣に対処法を考えるので、 自分の中にある思わぬものを引き出すことがあり、 後で読み返してみて、 我ながらほれぼれするようなことを書いていると感心することが多々あります。 これってまさに引き受け気功ですね。 メールでのやり取りを、できればホームページで公開できたらな・・・、 そう思うことも正直何度もありました。 ホームページの更新とメールでのやり取りは、 パブリックなものとプライベートなものという違いはあるものの、 私にとってはどちらも自分の中のものを引き出してくれる内観法であり、 貴重な財産です。 この間自分の心の中を探っていく作業をずっと続けてきて、 一言でうまく表現できませんが、心の持ち方が大きく変化してきました。 それは何万円も払ってセミナーを受講するよりも、 はるかに大きなものです。 そういった関係で、最近は睡眠時間が激減しました。 日本人の平均睡眠時間は7〜8時間といったぐらいでしょうか、 怠惰な私はこれまでの人生で、 その平均よりも確実に多くの時間を寝て過ごしてきました。 ところが最近は寝る間がありません。 このページも一日遅れでアップということになりましたが、 昨夜強烈に眠たくなり、電気を点けたまま布団に入り、 三時間ほど寝た後でこのページを書いています。 今は間違いなくこの50年間で最短睡眠時間保持期間でしょう。 これは私にとってはとてもとても大きな壁を乗り越えたことになります。 壁はいったん乗り越えると、 後は別にどうということはないですね。 しばらく経つとそれが当たり前になります。 壁は乗り越える前は壁であり、 乗り越えた後は飛躍のための大きなステップとなります。 2010.4.10 Saturday |