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七夕

今日7月8日、ここ広島、中国地方は、
例年よりだいぶ早い梅雨明けとなりました。

昨日の七夕はあいにくの雨が降ったり止んだりの空模様でした。
七夕は梅雨のまっただ中ですから仕方がないですね。
天の川はなかなか見ることができず、
織姫と彦星も容易に叶わぬ恋だからこそ、
人の心を引きつけるのかもしれません。

七夕に降る雨は、織姫と彦星が流す涙という意味で、
催涙雨(洒涙雨 さいるいう)と素敵な呼び名があるそうです。


七夕を一日過ぎた今日、七夕のことを書くのもおかしなことですが、
七夕、7月7日は、私にとってとても思い出深い日なのです。

94年、14年前の七夕の日に土木の仕事を始めました。
前日6日に電柱にぶら下がっている求人紙を手にし、
土木事務所に足を運び、翌7日から仕事をさせてもらうことになりました。

早朝7時に事務所に行き、
オンボロのボンゴに作業員数名と乗り込み、
仕事をもらえる現場に向かいます。

仕事は朝8時から夕方5時まで、
体のできていない私は仕事が終わるとくたくたになっていて、
帰り道による酒屋で、
みんなで缶ビールを買って車の中で飲むのが最高の楽しみでした。

事務所に帰り着いて、玄関のところで日当9000円を裸のまま手に握らせてもらうと、
その日一日の仕事が終わったようでホッとしたものです。

そこで人夫出しの仕事をし、その後住宅の基礎工事、電話の配管、
家屋の解体と土木の仕事をいくつか転々とし、
いよいよもう本当に自分のやりたいこと、やれることをしようと思い、
土木の世界から抜け出たのが2002年です。

やめた後に日数を計算してみると、
七夕の日からはじめた土木の世界に、
ちょうど7年7ヶ月と7日いたことになり、
その数字の偶然にとても驚きました。

ですから7月7日は私にとっては思い出深い特別な日で、
少し前までは7月に入ると、七夕まであと何日かな ・・・ 、
と指折り数えたりしていたのです。

けれど今年は何の感慨もなく一日が過ぎ、
翌日の今日になっていろんなことを思い出すのですから、
もうその当時のことは遠い過去になってしまったんだなと、
別の意味で感慨深くなってしまいました。


やはり今の時代、14年という歳月はあまりにも長すぎます。
そして大切なのは今、この瞬間です。
過去の自分は過去の自分、
本当に大切なのは、今この瞬間を生きている、今の自分なのです。

ここ数年でこの考え方がすっかりと身に付いたのでしょう、
過去の様々な出来事を、感傷や多少の後悔を持って振り返るということが、
ほとんどなくなりました。

過去の連綿たる歴史が今の自分を作っているというのは一面真実です。
特に肉体面ではそうでしょう。
ほとんど運動をせず、100mを20秒かけて走る人が、
ある日突然オリンピック選手のように走ることはできません。

思考にももちろんその過去の歴史ということは当てはまりますが、
本当に過去を払拭し、今を生きようと心に決めたならば、
その瞬間から思いが大きく変わることも事実です。

これが想念の持つ偉大な力であり、
その力が近年きわめて大きくなってきているのは、
誰しもが感じることだと思います。

感情を手放す、今この瞬間に集中する、
これが大切であることは今も昔も変わりませんが、
例えばセドナメソッドの解放のテクニックも、
今と14年前とでは、その効果に大きな差があるのではないかと思われます。


過去の歴史が今の自分を作る、
それは言い換えれば、
過去に対する自分の思いが、今の自分を作っているということです。

けれども最も大切なのは、今現在の自分自身の思いです。
その今の思いを、過去の自分の思いが拘束しているのであれば、
過去の思いは、自分にとっての囚われに他なりません。

感情を手放し、囚われを手放すことが可能なように、
過去の思いという囚われも、解放することが可能です。

過去の歴史を振り返ってみると、
ひとつの大きな流れというものがあるのは事実です。
けれども過去は過去、
これから目の前に現われてくる未来は、今の自分の思いが創るのです。


たいぶ前に「過去は変えられる」というページを書きました。
だいぶ前とはいっても、まだ一年半も経ってはいないのですね、
大昔のように感じられます。

「過去は変えられる」という認識は、
過去、そしてその対称形としての未来を考える上で、
忘れてはならないものだと考えています。

過去は変えられるもの、未来は自分で創り上げるもの、
大切なのは今、この一瞬、
過去、現在、未来は、連続したひとつの流れのものではなく、
すへでては独立した、今という瞬間の集合体なのです。

その真実は、時代が成熟し、時間の流れが加速化し、
人の持つ想念がより強大になりつつある今だからこそ、
より明確に感じられるようになってきています。


七夕という私にとっての節目の時に、
過去という14年前の “現在” を振り返り、
今の自分を鏡のように見ることができました。

七夕の夜空を彩る天の川、
その壮大なスケールのドラマを眺めると、
自分という存在や今という瞬間が、
いかにちっぽけなものかがよく分かります。

今この場所、今この瞬間、
私たちに与えられているのはこれしかありません。
たったこれだけがすべてであり、
これが何より最高のものです。

それは知ることではなく感じること、
見つけるものではなく、ただそこにあるものなのです。


私はインドの子どもたちから教えてもらいました。
生きる上での喜びとは、見つけるものではなく、
ただ生きていることそのものが喜びであり、幸せである、
それを感じることなのだということを。

天の川の動画をご覧ください。
できれば全画面にし、解像度を高くして、
その美しさを体で感じてください。
  (全画面を終了するには「Esc」キーを押してください)







スペイン・テイデ山で撮影された美しい天の川の映像



2011.7.8 Friday  
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