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過去は変えられる

前項でも書いたように、人間の想念は時空を超えています。
「Aさんどうしているのかな? Aさんと会いたいな ・・・ 」
と願えば、そのすぐ後に街角でバッタリ会うかもしれません。

このような偶然を超えた共時性現象(シンクロニシティ)は、
誰しもが経験していることだと思います。

Aさんと街角で会うという “果(結果)” を導いた “因(原因)” 、
“街角に向かって歩いて行く” という行動は、
「Aさんと会いたい」という想念を抱く前から
予定として決まっていたことかもしれません。

数日前から買い物に行く計画を立て、
その買い物に行く途中で二人が出会ったとするならば、
会いたいと願った、それよりも時間的に前の時点にさかのぼって
想念の力が働いたと考えるのがより自然です。

これまで数多くの共時性現象を体験してきて、
そのいずれもが、
思いを抱いた時点より前から、そうなることは決まっていたのではないかと
感じることがほとんどです。

私たちが宇宙の果てを想像すれば、
思いは瞬時に大宇宙の端っこまで飛んでいきます。
それと同じように、想念というものは、
過去でも未来でも好きなところに飛んでいくことができ、
時間軸を超えたところの現象をも左右するのではないかと思われます。


「過去は変えることかができない」
ということをよく聞きますが、
想念の力で過去に新たな因を作り出すことは可能です。

けれども過去の具体的事実は変えることはできません。
自分はどこで、どんな両親の元に生まれたのか、
どんな学校を卒業し、どんな仕事をしてきて、そして誰と結婚したのか、・・・。

今現在、そしてこれから現れるであろう未来は、
過去という因の上に成り立っています。
過去積み上げてきたひとつひとつのもの、その流れの向こうに
現在と未来は構築されます。

その現在、未来を構築する過去とはどういうものなのか、
その過去をどういうものとしてとらえるのか、
それが新しい未来を創造するためにきわめて大切な課題です。


これまで何度も同じことを書いてきましたが、
形あるモノ、現象、そういったもの自体に価値はありません。
そのものとどう関わるか、どう受け取るか、
そういった、ものと自分との関係性の中から価値というものは生まれてきます。

これもたびたび述べてきたことですが、
私たちはあまりにも物質中心の資本主義的価値観に毒されてきていて、
モノやお金そのものに価値があり、
モノやお金がたくさんあることが豊かであり、
幸せになるためにはそれが絶対条件であるかのように洗脳され続けてきました。

けれどもその価値観はまもなく終焉を迎えようとしています。
今急速にものの時代から心の時代へと移りつつあります。

けれども心の時代になったからといって、
肉体を持つ私たちが物質なしで生きていくことはできません。
ただ価値観の主流がものというハード自体にあったものが、
それをいかに使うかというソフト、
あるいはそれをいかに自分の生き方のプラスにするのかという
使う人自身の心の中にあるものとの関係性が、
そのものの価値を決める大切な要素となってきているのです。


断食をしてみればよく分かります。
断食明けに飲む一杯の水、リンゴのすり下ろし汁、具のない味噌汁、・・・
それらは普段口にするどんな豪華なご馳走よりも美味この上ないものです。

ご馳走の美味しさとは、その食材自体にあるのではなく、
それを口にするその人自身の体の状態が決めることです。
最高級のキャビアやフォアグラでも、
それが嫌いな人にとっては何の価値もありません。


価値というのは形あるもの、現象自体にあるのではなく、
それに関わるその人自身が決めるものです。
ですから過去に起こったひとつひとつの出来事も同様です。
過去の出来事は、形としては変えることができなくても、
その意味合いは、その人の思いひとつでいかようにも変化させることができます。

事業に失敗し大きな借金を抱え、
それを苦に自殺をしてしまったら不幸なことですが、
そんな苦境をバネとして一念発起し、
人生を立て直した方も数多くおられます。
これらの本はすべてホームレスから社長になった方たちが書かれた本です。

    ぼく、路上系社長―ホームレスからでも立ち直れるから大丈夫!
    ホームレスから社長になった男の逆転法則
    ホームレスからのリベンジ―あるIT社長の独白 (小学館文庫)
    野良犬の成功法則 (サンマーク文庫)

逆に数億円の宝くじに当選し、
それをキッカケに不幸のどん底に落ちていった人たちの話もたびたび耳にします。
    宝くじと人生<1>  宝くじと人生<2>  宝くじと人生<3>


私たちにとって大切な過去とは、
その “形” ではなく、その “意味合い” です。

過去に起こったことの形は変えることはできません。
けれども最も大切な意味合いは自分の思いひとつで変えることができます。

だから 『過去は変えることができる』 のです。


過去の意味合いは自分の思いが創ります。
ですから未来も同様に、
その人の思いで自由自在に創り上げることができるのです。

2010.2.28 Sunday  
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