宝くじと人生<1>
高額宝くじで不幸に? 当せん男性が語る「悪夢の5年間」

ジャック・ウィテカーさん

米ウェストバージニア州マウントホープ(AP) 「当せん後の5年間で何もかも失ってしまった。賞金と引き換えに取り返せるものなら、すぐにでも返金したい」――当地在住のジャック・ウィテカーさん(59)は02年12月、米宝くじ「パワーボール」で大金を獲得した。だが幸運の女神は、まもなく悪魔に変貌する。当せんがもたらした騒ぎのなかで、妻は去り、最愛の孫娘が亡くなり、友人も背を向けていったという。

ウィテカーさんが当てた賞金は、3億1490万ドル(約363億円)。当時の史上最高額だった。一括払いによる減額分と税金を差し引いて、手元には9300万ドル(約107億円)が入った。

ウィテカーさんはそれまでに建設業などのビジネスでかなりの財産を築き、一家はもともと裕福な暮らしをしていた。だが、大当たりの賞金はけたが違う。一躍有名人となった一家は報道陣に追われ、泥棒に狙われ、友人たちは一斉に借金を頼んできた。

「だがいったん金を貸したら、友情は終わり。それが世の常だよ」――人間不信に陥ったウィテカーさんは酒びたりの日々を送るようになり、それをまた地元紙が書き立てる。飲酒運転でつかまったことや、カジノの女性従業員たちに暴行罪で訴えられたことも、格好の話題となった。すっかり悪者に仕立て上げられたウィテカーさんに愛想を尽かし、幼なじみだった妻は家を出た。

孫娘のブランディさんは、当時14歳。ウィテカーさんとよく似た実業家肌の性格だった。「ブランディが21歳になったら、すべての財産を譲り渡す手はずにしていたんだ」と、ウィテカーさんは振り返る。しかし、一家の金に目をつけた誘拐騒ぎなどで通学が困難になったブランディさんは、次第に年上の遊び仲間とつきあうようになり、ついには麻薬中毒に。3年後、遺体で発見されたブランディさんの体内からは、コカインが検出された。死因は確定されないままだという。

ウィテカーさんは今も朝5時に起きて、事業に打ち込む日々を送っている。「昔どおりなのは仕事だけ。ほかはすべて狂ってしまった」と、うつろな表情で語る。教会や学校にも気前良く寄付してきたが、賞金はそれほど減っていない。「私はただ、宝くじに当たった愚か者として語り継がれることだろう。できることなら、人助けに務めた人物として記憶に残りたかったのに」――ウィテカー氏はそう言って、深いため息をついた。


    CNN.co.jp 高額宝くじで不幸に? 当せん男性が語る「悪夢の5年間」より

ネットにこんなニュースが載っていました。

日本でも海外でも宝くじの高額当選者は当選後人生が大きく狂い、
交通事故、盗難、病気など、数年後にはほとんどの場合物質的にも人間関係の面でも
当選前より不幸な状態に陥っているという話をたびたび耳にしてきました。
たぶんこれは真実なのだと思います。

宇宙の三つの基本法則のひとつ共生、これはバランスの理です。
宗教的に言うならば因果応報、業(ごう)、因縁、カルマというのがこれに当たります。
  (循環も関係しています。共生と循環はふたつでひとつの共生関係ですので)

春先に種を蒔き、日々の手入れを怠らず秋という時を待てば、
蒔いた種の何倍もの量の実りを得ることができます。(一粒万倍)

木の枝に大きな果実をたくさん実らせたいのならば、
その前に、その果実に養分を与えられるように、また果実の重みに耐えられるように、
木の根っこをしっかりと大地に張り、幹を太く成長させなければなりません。

結果という実りを得るためには、その原因となる根や幹、養分、手入れが必要であり、
種を蒔かずして実りを得ることは自然界では絶対に不可能です。

何億円という高額な当選金を得るということは、
それが生まれる何らかのの原因があったということでしょうが、
コツコツと努力を重ね事業を成功させた場合などと違い、
かなり唐突でイレギュラーなものだと言えるでしょう。

これを木に例えるとどういった状態でしょうか。
なんらかの突然変異で、まだ弱々しい根や幹の上に、
突然巨大な果実が実ってしまったようなものなのかもしれません。

その果実という福音を味わおうと思ったならば、
時は前後してしまいますが、
その重みに耐えかねている根や幹をしっかりと育てなければなりません。

私たちは、人生に於いて、家庭、仕事、健康、人間関係、趣味、・・・
様々な面で喜び、幸せというたくさんの果実を得て、それで暮らしているとも言えます。
それが突然巨大な果実が出現したことで、
すべての養分がその果実に集中してしまうかもしれません。

私たちの身の回りにある目に見える自然界では、
時間の流れというのは絶対です。
種を蒔くから実りがあるのであって、この順番を変えることは不可能です。

けれども人間の運命を決める想念の世界では、
時間、そして空間の制約を超越しています。
本当に心を改め、生き方を変える決心をしたならば、
その瞬間から身の回りすべての現象世界が変化していくのもその表れです。

高額な当選金というのは、もしかしたら未来の種まき、日々の手入れというものを
時間的に先取りして得られた果実かもしれません。

想念が時空を超えるということは、この本を読めばよく理解できます。
スピリチュアルなことに関心のある方には、絶対のオススメです!

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しかし実際に高額な宝くじに当選した人はどういった行動を取るでしょうか。
分不相応とも言える巨大な果実を得て、
その分一生懸命木の手入れをするでしょうか。

ほとんどの場合、得られたお金という果実を使い、
さらに美味しい果実を求め奔走することとなるでしょう。

つい最近他のところで見た100億円を超す当選金を得た家族は、
当選が分かった瞬間に、家族三人全員がそれまで勤めていた職場を退職した
と書かれていました。

彼らが今後どういった運命を辿るのか、
自然の法則に照らし合わせてみると結果は明らかです。


高額な宝くじに当選するというのは、人間誰しもが描く夢であり、
人間とお金との関わりをきわめて象徴するものです。

ですから高額当選者のその後の人生を知るということは、
私たちに生きるための大切な指針を与えてくれるものとなります。

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けれども日本で国の許可を得て宝くじを販売している銀行は、
宝くじを買い、当選すれば夢のような生活ができると宣伝するだけで、
高額当選者のその後の人生というものを、たとえ一般論としても明らかにしようとしません。

宝くじは競馬、競輪、競艇などの公営ギャンブル、パチンコと比較しても
ほるかに還元率が低く儲からないギャンブルです。

    競艇・競馬 還元率 75%
    パチンコ・パチスロ 還元率 80%
    カジノ 還元率 95%
    宝くじ・toto 還元率 45%

つまり100円使って宝くじを買っても、平均すると45円しか返ってこないということです。
もちろん当選しても低額だからと換金しなかったり、
一等が当たっても期限までに当選金を受取りに来ない人もいるわけですから、
実際に受け取るであろう期待値はさらに低いものとなります。

そして高額当選金には税金がかかり、
不幸になる人も多いということになれば、
なんのために宝くじを買うのかまったく分からなくなってしまいます。

強いて言うならば、一瞬の夢を見るため・・・なのでしょうか。


国家(宝くじの場合は総務省)が管理し、
銀行という社会的に認められた企業が運営している宝くじというシステムに、
なんら法律的な問題点があるわけではありません。

しかしお金やモノとの関わり方を知るための貴重な情報を隠蔽し、
「宝くじに当選すれば夢のような暮らしが待っている」
というまったく虚偽の情報を流布することは人道的に許されない
  (それが虚偽であるということは銀行が一番よく知っているはずです!)
大きな罪悪であると私は考えています。


資本主義、商業主義というものは一種の麻薬のようなものであり、
人の欲望を肥大化させ、自然破壊、人心荒廃、・・・
様々な悪果をこの地球上に積み上げてきました。

宝くじというもので人々に一瞬の幻想を見させ、
莫大な利益を得ることは、
商業主義というルールの上では“善なること”なのでしょうが、
夢をたくさん見させるだけで結果的に誰も幸せにならないというのは、
商業主義の悪い面での象徴のような気がします。


ではどのような生き方、社会的ルールが望ましいのか・・・。

それは誰しもが身近な自然を見て、そしてそこから考えれば分かることです。
このホームページのタイトルの下に書いている
スペインの著名な建築家アントニオ・ガウディの言葉を記します。

自然にあるものこそが素晴らしい、我々はそこから学ぶだけである。

2007.9.17 Monday


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