しあわせの青い鳥通信
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幸せの尺度


 杉井 保之氏の講述録『幸せに生きる秘訣』の冒頭では、「何のために働くのか?」「何のために学校へ行くのか?」と問いかけています。答えは「幸せ」になるためです。私が一生懸命働いているのも、子ども達に勉強をしなさいと口酸っぱく言っているのも、お金があれば幸せになれそうな気がする、勉強が出来れば幸せになるだろう、そう思っているからに他なりません。しかし、「幸せ」って、何だろうと考えたとき、私は「幸せ」というものを
うまく説明することが出来ませんでした。せめて「幸せの尺度」というようなものがあって、今の幸せ指数50%というふうに表すことが出来ればわかりやすいと思い、「幸せの尺度」について考えてみました。
 幸せが理解しづらいのは、 幸せの尺度がいくつかの要素を組み合わせて出来ているからだと思います。その一つ目の要素が「大きさ」です。例えばお金をどの位持っているかとか、
勉強や仕事の能力が高いか低いか、友達が多いか、少ないかなど。数量で表すことができるもので、私が最初に思っていたように、「大きさ」の要素=「幸せの尺度」と考えている方が多いのではないでしょうか。もちろんお金も持っていないよりは持っている方が良いですし、勉強も出来ないよりは出来る方が良いに決まっています。しかしその一方でお金持ちでも不幸な人はいますし、その逆に少ないお金でも幸せに暮らしている方もおられます。それは「幸せの尺度」が大きさだけの要素で決まっているのではないという証拠です。では第2の要素は何なのでしょうか。
 第2の要素は「方向」だと思っています。数学で習ったベクトルのように、幸せの尺度にも方向性があると。どんなに大きさの要素が大きくてもその方向がマイナスの方向を向いていると幸せにはなれないということです。ではマイナスの方向、プラスの方向とは何で決まっているのでしょうか。それは心のベクトル(方向)が内向き(自分へ向かっている)か外向き(他の人や物へ向かっている)かで決まっているように思います。心の向きが自分へ向かっているときはマイナス、心の向きが他人へ向かっているときがプラスです。例えば私が悩んでいる時の心のベクトルを考えてみますと、何で「あの人はわかってくれないのだろう(自分はこんなに頑張っているのに)」とか「疲れて帰っているのに何で自分が家事を手伝わなくてはいけないの」とか「折角お世話をしているのに何で自分が怒られなければいけないの」とか常に心のベクトルが、内向きです。その心のベクトルを「あの人にわかってもらうにはどうしたらいいのだろう」「いつも家事をしていただいている妻に少しでも楽をしてもらおう」とか「お世話させていただいた方に喜んでもらおう」といった具合に外向きにした時、悩みは霧散してしまいました。 私はすぐに心のベクトルを内向き(自分向き)にしてしまいます。しかしそれでは幸せにはなれませんので、心のベクトルを外へ(自分以外の人や物へ)向ける訓練をしています。その訓練が「掃除」であり「おハガキ」です。学校でトイレ掃除をしている時は、常に便器やそのトイレを使う人のことを考えていますし、おハガキを書かせていただいているときは、相手様のことを思いながら書いています。心の向きは常に外向きです。悩んでいる時に掃除をしたり、おハガキを書くと心が落ち着くのは、内向きの心のベクトルが外向きに修正されるからだと思います。
 「人は幸せたから感謝するのではない。感謝する(他人や物に心のベクトルを向ける)から幸せになれる。」日本を美しくする会(掃除に学ぶ会)の唱和の一節を思い出し、改めてその大切さを認識させていただきました。もし皆様が怒ったり悩んだりした時には、心のベクトルが内向きか外向きかチェックしてみて下さい。もし内向きになっていたら、外向きにかえてみて下さい。きっとあなたの悩みや怒りは静まっていることでしょう。

 ありがとうございます。    

 佐々木 一幸 拝

     呉掃除に学ぶ会

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