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とらえ方

今日はヘミシンクやチャネリング、アセンションのことで有名な
坂本政道さんの本を読みました。

東日本大震災とアセンション―地球の高次意識からのメッセージ東日本大震災とアセンション
地球の高次意識からのメッセージ

坂本 政道

ハート出版 2011-05-18
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東日本大震災の直後に、
このたびの震災、これからの人類の行く末などについて、
地球の意識であるペレという存在と対話している内容です。

ここで書かれている内容は、私にとっては概ね納得できるもので、
自分の感じていることに、より深く得心することができました。

真理はきわめてシンプルです。
今は猛烈なスピードで時間がひとつの極に向かって流れていき、
その真理が持っているシンプルな姿が、
より明確に見えてくるようになりました。

私の感じている真理、
それとこの本で述べられているメッセージとで共通しているものを、
いくつか書いてみます。


起こってくる出来事すべてに必然性があり、
それがどんなことであろうとも、
究極は自らが望んでそれを引き寄せている。

それがどんなに辛く悲しいことであったとしても、
それに善悪という一元的な価値を付けることはできない。
すべて価値はそのとらえ方の中に存在する。

物質中心の経済社会は終焉を迎え、
原発事故で省エネルギー生活を強いられているのも必然であり、
これからは環境に配慮した、
低エネルギー消費社会を築いていかなければならない。

私たち人類はより高い精神性を持った次元へと進んでいく運命にあり、
それに至る過程では旧い価値観の崩壊により、
一時的な社会の混乱を経験するかもしれないが、
将来的には必ずよい方向へと向かっていく。


私にとってこれらはきわめて当たり前のことであり、
この時空の成り立ちや、生命を持った歴史の流れから考えて、
こう感じ取る以外の道はないと考えています。

たぶんスピリチュアルな世界に関心を持つ多くの人は、
同様の思いを持っておられることと思いますが、
総論としてのその思いを、個々の具体的事例に当てはめて考えるとなると、
人によって感じ取るものが大きく異なってきます。

これは震災直後に私が感じ、
多少心傷つきながらその思いを綴ったことと重複するのですが、
とても大切なことですので、再びここに書いてみます。


上記の本を読み、この本を読んだ他の人たちがどの様に感じたのか、
それが気になったので、Amazon のカスタマーレビューを見てみました。
予想した通り、本に対する評価は賛否がきれいに二分しています。

ここに否定的意見を書かれ、多くの方の支持を得ておられる
marantaranta さんという方のレビューをそのまま転記させていただきます。


< 震災便乗本 2011/5/28 評価は5段階で☆ひとつ >


これは酷い・・・。

今回、新品でこの本を購入しました。
まず、本の間に挟まっているヘミシンク・セミナーの案内やヘミシンクCDの案内にいやな予感がしましたが、本書を読んでその思いが的中しました。
(著者の坂本氏は日本で多くのヘミシンク関連事業をされている)

東日本大震災と関連付けて描かれているのは、最初の120ページ位で、その中でも数箇所へミシンクのPRが入ります。
たとえば、震災で身近な方をなくされた方は、へミシンクをすればいいとの事です。(P105)
親を亡くした乳幼児から、 身内を全て亡くされたご高齢の方まで???その費用と面倒は誰が見られるのでしょう?
それを得意げに「亡くなったご主人や家族に会いたい一心で、ヘミシンクを聞き始める方がけっこういらっしゃいます。
そして、私の会社のへミシンクのセミナーに何度も参加されて、ついに会えるようになり、人によっては、日常的に交信をされるようになる方もいらっしゃいます。」って・・・。
最後の20ページ位は、へミシンクや自著のPRです。一昔前の新興宗教の本を読んでいるようです。

そしてやはり仰ると思っていましたが、今回のことで亡くなられた方々は“みなそれを承知でこの生を選んできている”との事です。(P14)
こういった事はスピリチュアル好きな仲間内で話せばいいことで、まだ多くの痛みが残るこの時期に、得意満面に言うことではないと思います。
しかも震災を起こしたご本人(神?)が・・・。

今回の震災では、民間や団体を問わず多くの方々が現地に赴き支援活動をしております。
そういった方々は、現地の惨状を認識した上で黙々とそれぞれの役割をこなしておりますが、多くは語りません。
それは、人には共感能力というものがあるからです。時に圧倒的な痛みの前では言葉は無力であることに気付くこともあるからでしょう。
スピリチュアルであると言うことを履き違えた方が、タイミングも考えずこの様な広告だらけの卑しい便乗書籍を出すのは、ひとえに共感能力の欠如としか思えません。

そもそも今回チャネリングされた大地の女神“ペレ”(名前は重要ではないとの事)も言ってることが所々矛盾しています。
最初にペレは人々の意識の発展の為に今回の地震を起こしたと言っています。(P14)そして続けて「悲しみに包まれている方々にはお気の毒ですが、ご理解願います」と言っています。
えっ・・・理解する前に亡くなられた大勢の方々は・・・?
そしてこの後この神様は、自分が起こした震災を通して人々の心に思いやりの心が生まれた事に大変ご満足されているようです。
しかもこの神様は、映画の『アバター』もご覧になっているようです。(P74)また、バシャールと同じ事を仰っていたり(P93)、へミシンクに関してもお詳しいようでモンロー研究所に関しても言及し、PR活動に一役買っています。(P57)
もちろん分かる方にはわかると思いますが、地球を司る神様はこんなことは言いませんし、興味の対象外でしょう。

今回、なぜこの様な震災が日本で起こったかについても、プレートにストレスが溜まっていた物理的な理由もあるようですが、日本人は精神的に優れた特質を持っており、世界の規範になる事ができるからだそうです。(P18)
他の災害が起こる理由としては、地域の住民のネガティブな感情が災害を引き寄せる場合もあるそうです(これもよく言われてますが・・・)。
要するに精神性が優れていても、ネガティブでも災害に見舞われるのですから救いようがありません。
なんせ今回の震災を起こした神様が仰っているのですから・・・。
これは言い替えると、天災は忘れた頃にやってくるってことでしょうか?実はこれは何も言ってないのと同じです。
バシャールのパラレルワールドの理論と同じです。(細かい説明は省きますが、個人的にはバシャールのチャネリングも宇宙存在にしてはそれ程クオリティーは高く無いと思います)

また、津波に会われた地域の復興に関しては、海岸沿いは仕事をする場とし、住居は高台に作るべきだとか、過去にTVで解説者が言っていたことをそのまま言っていたりします。
スピリチュアルな言及に関しましても特に目新しい事は無く、世界の動向についてはある程度冷静に社会情勢を見られる方なら思いつくことばかりです。

2012年に関しても取り上げていますが、もう来年の話だからでしょうか、こんな情報もあります、こんな情報もありますとどうとでも取れる曖昧な言い回しに終始しており、とても地球を司る神様には思えません。
2012年をタイトルに冠して書籍を売ってきた坂本氏の責任回避の布石でしょうか?

正直申しますと、坂本氏がチャネリングされている存在は大地の女神などではなく、氏の分裂した自己であると思います。
私は、チャネリングを否定する者ではありません。国の内外を問わず素晴らしい書物はたくさんあります。
ただ、その質は問われるべきであり、明らかに過去の焼き直しや経済的な広告活動には注意すべきだと思います。

書籍のタイトルは『東日本大震災とヘミシンクのすすめ』なら納得できますし、私も購入しなかったでしょうからこんなレビューを書かずに済んだのですが、あまりにも酷い内容だったので同じ思いをされる方が増えないよう書かせていただきました。



この方の意見は多くの人が共通して感じているものだと思います。
私の感じ方はこの方とは大きく異なりますが、
この方の意見の方がより一般的なものでしょう。

勝手に転記させていただいて申し訳ないのですが、
対比させて述べた方が、より違いが明確に分かると思いました。
ご了承ください。


まず最初に書かれているヘミシンクについてですが、
耳から音を入れ、変性意識状態にした上で体外離脱状態へと導き、
そこで様々な意識的体験をするこの手法は、
とても面白いものだと思い、興味を持っています。

私はそのCDを買ったり、お金を払ってヘミシンクを体験しようとは思いませんが、
もしそれが本当に傷ついた人の心を癒す力があるのであれば、
それを本の中ですすめることは、まったく何の問題もないことだと思います。

もしそれが何の効果もなく、
ただ商売として利益を上げたいがため、
本の内容と無理に辻褄を合わせて紹介しているのであれば、
それは震災に便乗した悪徳商法ということになるのでしょうが、
ただ本の中で紹介しているだけで、
否定的な考えを持たれるのは、
うがった見方であるように感じます。

著者が本当にヘミシンクが震災に遭われた人たちに役に立つと
考えているのであれば、
どんどんと自著で紹介すべきだと思います。
それをどうとらえ、受け入れるかは、読み手一人一人の問題です。

私はヘミシンクを用いて人類の救済をしたいと考えている坂本氏の思いに、
嘘はないものと感じます。


もしこれが無料のものであれば、まったく問題はないのでしょうか。
有料のものでも、安ければ問題はないのでしょうか。
また自分に利益が行かないものだとしたら、どうなのでしょか。

私は「放射能除去」のページで、
放射能の不安を取り除くためにも、
一個数千円の美波動を購入していただくことをおすすめしています。

これも便乗商法になるのでしょうか。
美波動が本当に人を救ういいものだと思っても、
お金のかかるものは一切勧めないのが尊い行為なのでしょうか。

被災地に赴き、ただ黙々と支援活動をしている人を尊いように書かれていますが、
その人たちと、
自らが信頼し、勧めている商品を用いて救済をしようとしている人とを、
比べることなどできないと思います。

肉体という物質によって命を保っている私たちは、
モノやお金との関わりから多くのことを学びますが、
それに囚われてはいけません。


誤解されたり非難されることを承知で書かせていただきます。

昨日のページでも書いたように、
私は死に対する恐怖はありません。
逆に憧れがあるぐらいです。

肉体的な死がすべての終わりだと思っていません。
もっと正直に言うと、肉体的な死は、
永遠の命におけるひとつの区切りのようなものに過ぎないということを、
自らの体験を通して「知って」います。

すべての体験は、最も深い部分の自らが望んだものだと信じています。
ですから、たとえどんな死であっても、
無駄死にというものはあり得ないと考えています。
それは当然震災による死もまた然りです。

震災による死を、自ら望んだものであると評するのが不謹慎だと言われる、
その気持ちはよく分かります。
またそれは、私たちの心の中にある良心や美徳というものにも通じる、
素晴らしいものであると感じます。

多くの日本人が同様に感じているでしょう。
震災を機に、世界中の多くの人が日本人の持つ精神文化に心打たれました。

けれども私はそれを理解した上で、
それとはまったく異なった考え方を持っています。
肉体的な死は、顕在意識のレベルでは苦痛であり、
まだまだやりたいことを残しての死は、さぞ無念であったろうと思います。

しかしその奥のもっと深い意識レベルでは、
必ずそうなることを望んでいたはずです。
私は、人間、そしてすべての生きとし生きるものが共通して持つ
最も根底の意識体は、
最高の英知に満ちた全知全能の存在だと信じています。

肉体や表面の意識レベルでは、
死とは苦しく、悲しく、無念なものかもしれません。
それに対して心を寄せ、ただ黙ってその死を悼むのは尊いことだと思います。

そしてそれとはまた別に、より深い意識レベルに目を向けて、
その自らの意志による死という選択に対し、その価値を認め、
その意志を評価することがあっても、おかしくはないと感じます。

これはどちらか一方を選ぶべきものではなく、
また他方を否定すべきものでもありません。

正直に言って、多様な意見の存在が認められない全体主義的ムラ社会には、
恐怖を感じます。


この本の中のメッセージが、
「これもよく言われてますが・・・」、「過去にTVで解説者が言っていたことを」、
というように、
既知のことが多いという否定的感覚を持っておられるようですが、
ここも私とはまったく考え方が異なります。

冒頭にも書いたように、
真理はきわめてシンプルです。
ごくごく身近なところにこそ、深い真理が潜んでいるものです。

ですからこのメッセージを伝えてくれた存在が、
どんなに素晴らしい存在であったとしても、
斬新で驚くような内容がたくさんあるはずだとはまったく考えません。

私たちにとって本当に必要な情報や知識は、
すでに十分与えられているのだと思います。
今求められているのは、それをいかに心の中に刻み込み、
実践として活かしていくかということだと思います。


大切なのは本に書かれている内容ではなく、
それを自分自身がどうとらえるかということです。

本の中でメッセージを伝えている存在は、
大地の女神などではなく、
著者である坂本氏の分裂した自己ではないかとレビューに書かれていますが、
私にとってそれはまったく興味のないことです。

そのメッセージの尊さとは、
そのメッセージの中身にあるのではなく、
それを受け取る私たちの中、そのとらえ方そのものにあるからです。

これもこれまで繰り返し何度も書いていることですが、
そのメッセージが最高の存在からのものであったとしても、
それを信奉し、丸信じしてしまい、自己というものをなくしてしまっては、
何の意味もありません。

たとえそれがペテン師の言葉であったとしても、
それを自己を律する糧として活かす方が、
ほるかに価値のある尊いものなのです。


この世は相対の世界、
自分とは異なった人様の考え方を知ることにより、
より自己を深く知ることができます。

だから自分の考えも、またそれとは異なる他人の考えも、
それはそれで価値があるのです。


価値、それは自分の中にのみ存在します。

2011.7.20 Wednesday  
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