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命からの発想

ここ広島で平和活動を熱心に進めておられる河内正臣先生は、
今はついに天(あま)の岩戸が開いた時だと語っておられます。

また別の知り合いは、岩戸開きとは、「言わん戸開き」だと解釈し、
ついに語られなかった真実が語られる時だと話しています。

文明法則史学の歴史の流れから見ても、
今という大きな転換期の前半は、
これまで隆盛を極めてきた旧来の価値観が崩壊する時であり、
これから新しい時代を迎えるにあたり、
これまでのことを贖罪、精算しなければなりません。

古いものを手放すから新しいものが手に入る。
手放すとは、これまで裏に隠れていたすべてのものを表に出し、
すべてを明らかにするという意味でもあります。


このたびの震災で、私たち日本人の心の根底には、
素晴らしい互助精神が宿っているということを知りました。

日本の国民全員が心をひとつにし、
被災地、被災者に向けて、必死に支援の手を伸ばそうとしています。
また電力不足という窮地に立ち向かうため、
個人レベルでもできうる限りの節電の方策を練ろうとしている姿には、
同じ日本人として心打たれるものがあります。

この日本人の持つ素晴らしい精神文化は世界に誇れるものであり、
今こそ私たちは、私たち自身が持つ根底文化を再び思い出し、
この互助、共生の価値観を世界に広めていかなければなりません。

これはこの時代の大転換期を無事に乗り切るため、
天が私たちに与えてくれた天命です。


それとはまったく逆に、福島第一原発の事故で明らかになったのは、
この日本の社会の根本を担ってきた政治、行政、大企業、マスコミ、
そういった世界が、いかに歪んだ形のまま放置されてきたかということです。

このたびの地震や津波は天災ですが、
原発の事故は明らかに人災です。
これは今や日本人の誰しもが認識することとなりました。

その人災を引き起こす原因を作った政治や行政、
東京電力という超一流の企業の人間たち、
また御用学者と称される一流大学の原子力専門家の学者の先生たち、
こういった人たちの、まったく無責任なご都合主義とも言える行いによって、
今、日本は大きな危機的状況に立たされています。

京都大学助教の小出裕章氏は参議院行政監視委員会でこう語っておられます。

東京電力に賠償をきちっとさせるという話もありますけれども、
東京電力がいくら賠償したところで足りないのです。
何度倒産しても足りないだろうと思います。
日本国が倒産しても、多分あがないきれないほどの被害が、
私は出るのだろうと思っています。


こういったことになる危険性を本来は予知することができ、
防ぐことができていたであろうに、
それができなかったことに対して、
また『しなかった』ことに対して、
激しい怒りを通り越して情けない気持ちでいっぱいです。





こういったことを引き起こした原因の根本は、
突き詰めれば、金であり利権です。

金は魔物と言いますが、その金の持つ恐ろしい力が、
金、物質中心主義の社会が崩壊する寸前の今になって、
本性を露わにしてきました。
これはある面では、時代の波が引き起こした必然と言えるものです。


次から次へと明らかになる醜い利権の構造、
原発利権の一環に組み込まれているマスコミは、
表だって電力会社や電力行政の暗部を報じることはできませんが、
今はネットの時代です。
インターネットに流れてくる情報によって、
原発社会の裏では、
これまでまさに人命軽視と呼べるような異常なことがまかり通ってきて、
また今もそれをごり押ししようとしているということを、
私たちは知ることができました。

原発利権を死守するため、
立地に関する不都合なテータを隠蔽し、数字をごまかし、
原発を推進する側と安全を監督する側が、
天下りの関係で互いに甘い蜜を吸い合い、
事故が起こってもその危険性をひた隠しにし、
今も賠償金を払いたくないばかりに、
最も放射能の影響を受ける子どもの被爆許容量を、
チェリノブイリの4倍に引き上げています。
  <浜岡原発元設計士「耐震強度データに偽装があった」と告発>
  <福島原発事故 子供の被曝許容量はチェルノブイリの4倍相当>

原発に関する愚行の例は数え上げればキリがないほどで、
知れば知るほど頭が痛くなりますが、
私たちはこの事実に真っ向から対峙していかなければなりません。

こういった事実をひとつひとつ追い続け、
私たちに原発、放射能の本当の姿を届けようと努力している
ネットジャーナリストの方たちには、
深く頭の下がる思いです。
私にはまったく真似のできないことです。

原発に関する情報は、以前も何度かリンクを張ったことがありますが、
主にこのふたつのブログから得ています。
  <きくちゆみのブログとポッドキャスト>
  <カレイドスコープ>


金や利権が絡んだら人間はここまでできるのか ・・・ 、
自分たちの利権を守るためだったら、
万が一の際、多くの人たちの生活や命が脅かされようが、
そんなことは問題ではありません。
今ばれなければ、自分たちに責任を問われることがなければ、
自分たちの利権さえ守れれば、それでいいのです。

本当に情けないことですが、
これが日本の社会の根幹を担っている一部の人たちの行動原理です。


本当に情けない ・・・ 、私は日本人として『恥を知れ!』と言いたい。
経済的に恵まれた社会のエリートと呼ばれる人たちが、
幼稚園児ですら分かるような当たり前の道理を守ることができないのですから。

これは心の貧しさです。
社会的地位や豊かな経済環境に恵まれているからこそ、
それを捨てることができず、それを必死に守ろうとし、
逆に心が貧しくなっていくのです。

私はインドの孤児院を訪問し、
ものがないにも関わらず心豊かな笑顔の日々を過している子どもたちを見て、
「ものがないにも関わらず」ではなく、
「ものがないからこそ」豊かなのだという事実に気づくことができました。
これはやはり真実だったのですね。
このたびの原発事故に接し、そのことを再び実感しました。

ばれなければ、責任を問われなければ、それでもって利権を維持できれば、・・・
そんな価値観を持つことは恥だということを知ってください。

人に迷惑をかける行為を恥とする概念は、
日本人が持つ素晴らしい基底文化です。
けれども社会が高度にシステム化し、人やものとの関係が複雑に絡み合ってくると、
ひとつひとつの物事の責任の所在が分かりにくくなり、
誰もが恥を感じることなく、
このたびの原発事故のような『集団犯罪』が起こってくるのでしょう。


ならばその上に、本来恥の文化と対極の関係であるとされる
『罪というものを知れ!』と言いたいです。

罪(sin)は犯罪(crime)とは異なります。
犯罪とは法律で規定された概念ですが、
罪とは西洋では神、東洋では天地自然、
そういった絶対的、超越的な存在に対して畏敬の念を持ち、
その摂理を尊び、宗教的、民族的戒律のような抽象的な規範、
自己の良心に基づくものです。

犯罪とは自分の外部から明確な規定でもって私たちを拘束する概念であり、
罪とは、もっとゆるやかに、しかし厳しく、自分自身を問い詰めていくものです。

義務教育の場においては、生徒は様々な校則で行動を規制されますが、
大学に入ると、学生には自主的な学習態度が求められます。

犯罪と罪とはこの関係と似ています。
犯罪とは人としての最低限の良心的行動を求めるもの、
それが達成されると、より抽象的な罪という概念が大切になってきます。

今は五行でいうと、金属から水への時代の転換期です。
これは硬い法律で規制された犯罪の時代から、
より自由に解釈のできる罪の時代へと、
私たちの行動規範がより成熟したものへと変化していく時でもあります。

原発事故に関わった多くの人たちは、
現行の法律に照らし合わせると、たぶん犯罪者とはならないでしょう。
けれどもきわめて大きな罪を犯したことになります。

先の小出裕章氏の言葉です。

日本はもんじゅという高速増殖炉の原型炉だけでも、
すでに1兆円以上の金を捨ててしまいました。
現在の裁判制度で行くと1億円の詐欺をすると1年実刑になるんだそうです。
では1兆円の詐欺をしたら何年の実刑を喰らわなければいけないでしょうか。
1万年です。

原子力委員会、原子力安全委員会、あるいは経産省、通産省、等々、
行政に関わった人の中でももんじゅに責任のある人は
いったい何人いるのか私はよく知りません。
でも、仮に100人だとすれば、
一人ひとり100年の実刑に処さなければいけないというそれほどのことを
やってきて、結局誰も未だに何の責任もとらないままいるという、
そういう事になっているわけです。
原子力の場というのは大変異常な世界だと私には思えます。



今、原発事故を機に、これまでの旧体制を支えてきた勢力の中に潜んでいた
暗部、恥部、罪というものが一気に表に吹き出してきています。
これは時代の必然であり、今はこれまでの罪をすべて表にさらけ出し、
そのことについて根本から正していかなければなりません。
これは新しい時代へと進むために避けては通れない道です。

自らの暗い部分を見つめるのは、誰にとってもつらいことです。
原発利権に絡む深い罪の構図を見ていると、
これが今後容易に変わっていくとは思えず、暗澹たる気分になります。

けれど見つめなければなりません。
まずは罪を知るということです。
実態から目をそらしてばかりいては、先に進むことはできません。

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2011.5.28 Saturday  
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