ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
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対極のジレンマ

時代は今ものすごいスピードで変化してきています。
数日後の世界情勢はどうなっているかも分からないような
緊迫した状勢が続いていますが、
大きな流れは確実に陰の時代、水の時代へと向かおうとしています。

その新しい時代への変化のキーワードのひとつが、
絶対から相対へという価値観の推移です。

金属のように硬く、形式張り、
それぞれの差異を明確にすることによってその存在意義を示していくという
絶対の時代から、
水のように固体、液体、気体、変幻自在に周りの状態、形に合わせて変化をし、
いろんなものと融合し、時には雫のように優しく、時には濁流のように激しく、
周りのものとの関係性によって自分の役割を果たしていく
相対の時代へと変ろうとしています。

そのことは、「我が心の遍歴と新しい時代の理」に詳しく書いています。
まだお読みでない方は、是非そちらをご覧ください。


現在スピリチュアルな世界でリーダーとして活躍している人たちは、
当然ながら、この大きな時代の流れは体で感じておられることと思います。

けれども新しい時代への流れを感じ取り、
そこから得た素晴らしい知恵を人々に説いておられるリーダーの中には、
自らの組織を運営する際に、旧態依然とした価値観や方法のまま、
自らの提唱するものがあたかも “絶対” であるかのように
語っておられる方が少なくないことをとても残念に感じています。

けれどもこれは、今の時代の過渡期には、
生まれるべくして生まれた必然的な問題なのだと思います。

本当に価値あるものは、例えばホ・オポノポノの四つの言葉、
ありがとう、ごめんなさい、許してください、愛しています、
のように、きわめてシンプルです。

真理とはきわめてシンプルで、簡単で分かりやすく、
本来深い真理を理解するために、
高額なセミナーを受講したりする必要はありません。
また自らが持っている生命の輝きを取り戻すために、
お金をたくさんかけ、人にヒーリングしてもらう必要などまったくないのです。

この考え方は、正しいとか間違っているとかいったものではなく、
真理というものの究極のひとつの姿であり、
これからの時代は、
その理想ともいえる究極の姿が現実化していく時代だということです。

けれども、その理想の姿をそのまま人に伝えてしまうと、
それを伝える人は、
職業としての自分の役割を維持することができなくなってしまいます。

本当に深いことを知りたければ、
自分の主催するセミナーを毎回受講しなければならないんだよ、
輝く心と体を取り戻すには、
有料のヒーリングをたくさん受けた方がいいんだよ、
こう語らざる得ないのです。

相対の時代は、自分というものを主体として価値を判断します。
ホ・オポノポノでも引き受け気功でも、またはセドナメソッドでも、
真理に近づく方法はいろいろあって、
それを自らの判断で選ぶことに価値があります。

けれどもやはりそんなことを言っていては、
スピリチュアルな世界でプロとして働いている人たちは、
生活をしていくことはできません。

言葉では相対ということを語っていても、
実際には自らのものを絶対であるかのように人々を信じ込ませ 、
本来最も尊ぶべき判断力を人から奪い、
いわゆる信者のような盲目的人間を作りだしてしまわざるえないのです。

スピリチュアルな世界のリーダーがこういう人たちばかりだとは言いませんが、
実際こういう人たちが多いのは事実です。


相対というのは周りとの関係性から生まれます。
その関係性を知るためには、
主体となる自分の中に確固たる価値観を認めなければなりません。

自己をしっかり確立しているからこそ周りのものを正確に見極めることができ、
判断力が培われます。
これは何か外部のものを絶対だと信じ込んでいるのとは対極の世界です。


今ネットの世界では、たくさんの名も知らぬ人たちが、
自らが感じた素晴らしいメッセージを発信しています。
インターネットが発達し、
誰しもが簡単に情報発信できるようになったということも大きな原因でしょうが、
今の時代のエネルギーを受け、
多くの人たちが精神的に目覚めてきているのでしょう。

広くあまねく、まさに水の時代の象徴的な流れです。

これからは自らの心の中に神性を見いだす時代ですので、
そこで必要となってくるリーダーの役割は、
これまでの時代のリーダーとは大きく異なってきます。

これまでの時代は、突出した能力を持っていたリーダーが、
多くの人を引っ張っていくことが求められていましたが、
これからの陰の時代、水の時代のリーダーの役割は、
一人一人の人たちの心の状態に合わせ、
その人の持っているいいものを引き出してあげること、
そしてその手助けをするといったものへと変っていくでしょう。

これまでの価値の主体は、
宗教の教組のように絶対的権威を持った存在にありましたが、
これからは、価値の主体はあくまでも自分自身です。


金属と水は性質が大きく異なります。
お金儲け自体が悪いことではありませんが、
水の時代に金属の理でもって、
スピリチュアリズムという水の象徴ともいえるものをテーマに金儲けしようとしたり、
宗教家というのもひとつですが、
スピリチュアリズムを職業として生きようとすることが、
難しい時代へとなってきたのです。

ですからスピリチュアリズムの世界に生きるリーダーと呼ばれる人の中には、
その絶対と相対、金属と水とのジレンマに苦しみ、
少し追求すれば矛盾ともいえるような真理の説き方をせざる得ないのです。


私たちが目指すべきは自らに神性を見いだす目覚めた人です。
外の世界の人や手法に絶対的価値を求める依存した人ではありません。

大切なのは、どんな人を信奉しているか、
どんなことを実践しているかではなく、
それをどう活かし、自分の生き様に反映させているかということです。

どんなカリスマと呼ばれるような立派な人でも、
究極だと思われるような素晴らしい手法でも、
その立派さ、素晴らしさは、その人や手法の中にあるのであって、
自分のものではありません。

自分にとっての価値とは、
それらとどのように関わるのかという関係性、
それをどう生き様として活かしているかという自己の内面性にしかないのです。

現在多くのスピリチュアルリーダーたちが、
移ろいゆく価値観の中でジレンマに苦しんでいるように、
近い将来、依存心が強く、外にばかり目を向けて生きてきた人は、
その価値観の転換を迫られることとなるでしょう。


内面の輝きとは、求めたり、学んだり、人から教えられるものではありません。
ただそこに目を向け、そこにあるという、その存在に気づくことです。

これからの時代のキーワードは、
求め、学ぶ、ではなく、気づく、感じるです。
そして得るのではなく手放すです。

これは現代人にとっては難しいことですが、
本来人間にとって最も簡単なことのはずです。
だから誰にでも、志さえあれば、至ることのできる道なのです。

2010.11.26 Friday  
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