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能力開発

その時々で学習意欲に大きな波はあるものの、
英語の学習を続けている中での最も大きな楽しみというのは、
その学習効果を感じることができた時です。

以前はまったく聴き取ることのできなかったナチュラルスピードの英会話が、
今はほんの少しずつ聴き取れるようになっています。
それも一気に聴き取れるようになったわけではなく、
0.5段ずつぐらい階段を昇るように英語耳が発達し、
それを感じるたびに自己の再発見と言っては大げさですが、
そんな喜びにひたっています。

話す方も、中学校程度の内容なら、
かなりスラスラと英語に訳せるようになりました。
これは短期間に集中して和文英訳のトレーニングをし、
ごく短期間に効果が表れました。
それは現在の学校英語教育が、
まったく実用的ではないという証でもあります。


書店に行けばCDやDVDなどの音声、映像教材のついた英会話テキストが、
数え切れないぐらい並んでいます。
インターネットでもポッドキャストでも、
英語を学習するための教材に不自由することはまったくなく、
英会話学校や通信教育も多種多様です。
こんな恵まれた英語学習環境は日本が世界最高でしょう。

英語に限らず、私は人から教えてもらうのは苦手で、
何事も自分から習得していきたいタイプですので、
たくさんある学習教材の中、どのような方法で学習するのが最も効率がいいのか、
もっとも楽しく学んでいけるのか、
そんなことを考えながら学習プランを立て学んでいくのが何より楽しいのです。

これは「学ぶ喜び」とはちょっと違うかもしれません。
「学び方を追求する喜び」というのが近いですね。


昨日「基本の習熟」という英語学習のページを書きながら、
そんなことを思い、それと同時に「能力開発」という言葉が頭の中に浮かびました。

能力開発という言葉、最近あまり耳にしませんね。
以前はかなり頻繁に
雑誌や一般書籍等マスコミで取り上げられていたような気がします。
私の頭の中にも最近この言葉は浮かんでいませんでした。

私は二十数年前、能力開発ということにとても興味を抱き、
それをテーマにした本を何十冊も買いそろえ、
カセットテープの教材なども買った記憶があります。

人間の脳はα波の状態の時に最も高い能力を発揮する。
オリンピック選手も瞑想し、α波が出ている時にイメージトレーニングを・・・、
そんなことがよく話題になっていました。

私は何事にも真理を追求したいタイプであり、
「学び方を追求する喜び」を大いに持っているので、
この能力開発の手法探求ということに一時すごくはまっていたのです。


けれども昨日久し振りに能力開発という言葉を頭に浮かび、
今も過去の延長でずっと真理を追い求めてきているのに、
なぜ能力開発という言葉がスルーされてきていたのか、
とても不思議な気分になりました。

そして考えてみると、これはすごく時代の流れというものが
反映されているのだということに気がつきました。


能力開発というのは、潜在意識活用といったこともありますが、
基本的には、今現在持っている能力を、
その延長としていかに高め、活用するかということだと思います。

経済が上り調子で、現在の自分や社会の価値観を
疑うことなく受け入れることのできる時代ならば、
その時代の延長としての未来を望み、
自らもその道を邁進するための能力を向上させたいと願うでしょう。

けれども今はもうそういった時代は過ぎてしまいました。
私たちが築き上げてきた物質的繁栄(途上国は貧困問題を抱えていますが・・・)、
その負の遺産としての環境破壊、人心の荒廃、
こういった今の社会がこのまま形を変えることなく、
これから何百年も続いていくとはほとんどの人は考えていません。

今私たちが求めているものは、
今の社会、自己の延長線としての能力開発ではなく、
もう一度原点に戻った上での「自己の再発見」であり、
旧来の価値観やとらわれを手放すためのクリーニングです。


社会も個人も課題は同じなのですが、
今の私たちは地盤がぐらつきはじめた不安定なところに
家を建てて住んでいるようなもので、
いつそれが崩壊してしまうかもしれない不安を常に抱えています。

こんな状態のところに高層ビルを建てようという人はいないでしょう。
もし建てたとしてもそれは労力の無駄であり、
高いビルは崩壊の危険性をより一層増すだけです。

まずは地面を掘り下げて、
安定した岩盤はどこにあるのかを探すべきです。
そしてその岩盤を見つけた後で、
そこになにがしかのものを築き上げていけばいいのです。


能力開発は上に向かって築き上げること、
私たちが今求められているのは、下に向かって掘り進むこと。

新たなものを築くことではなく、
今あるものを見つけ出すことです。

それがこれからの時代の真の能力開発です。


多くのスピリチュアルな世界の方が語っておられるように、
自分を掘り下げていった先に見えるのは、
自らの神性でしょう。

私たちに求められているのは、ただそれに気づくこと、
すべてはそれに至る道です。

* とても分かりやすく真理が説かれた素晴らしい本です。 *

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2010.11.4 Thurseday  
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