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うたかたの夢
私たちは何のために生きているのでしょうか。
喜びあり感動あり、四苦八苦あり、
様々な人生の経験から何かを感じ、学び、気づきたい、・・・
そんなことを望み、自らがすべてをプロデュースし、
この人生というものを創造しているのだと思われます。
すべてのものを創り出しているのは自分であり、
引き寄せているのも自分自身です。
自らの内なる世界は大宇宙の縮図である小宇宙であり、
内なる世界(小宇宙)と外なる世界(大宇宙)はまったく相似、
あるいは同一と言っていいものです。
ですから周りの人やものを変える唯一の方法は、
外なる世界と鏡の存在である内なる世界の自分自身を変えることです。
<鏡の法則>
今は多くの人がこのことを知るようになりましたが、
頭で知ることと体で理解し、日々の生き様でそれを体現することでは、
天と地ほどの大きな差があります。
生きるとは、ある意味それを深く理解するための魂の旅路なのかもしれません。
映画に例えるならば、
主演は自分自身であり、監督も脚本もすべて自らの手で行っているということです。
何かの事故で瞬間的に死と対面した人は、
過去それまでの人生が走馬燈のように目の前に現われるといいます。
嬉しいこと悲しいこと、愛し合った人、憎しみ合った人、
その時はきっと目の前に現われるすべての出来事や人々を懐かしく、
そして深い慈しみを持って感じられるようになっているでしょう。
またそうありたいものです。
昨年アカデミー賞8部門を獲得した「スラムドッグ$ミリオネア」を映画館で観ました。
インドの貧しいスラムで暮らす無学な少年ジャマールがクイズ番組に出演し、
それまでの半生を振り返るようにして次々と正解を導いていくストーリーは、
息をつかせぬスピード感にあふれ、
約二時間、食い入るようにスクリーンを見つめ続けていました。
そしてラストシーンはハリウッド映画であるにも関わらず
インド映画のオマージュとして
出演者全員が登場するダンスシーンで締めくくられていて、
映画の中での役を超え、悪役も子役もみんなが笑顔でダンスを楽しむ姿は、
さながら人生の幕引きの舞台と同じように感じられ、
深い感動とともに涙しました。
永遠の魂の歴史から一回の生と死というものを眺めると、
きっとそこにあるのは善悪や喜び悲しみといった道徳や感情を超越した
ただ体験のみが存在する世界なのだと思います。
人生とはまるでうたかたの夢のようなもの。
その夢をいかに楽しみ、じっくりと味わうのか、
それが私たちが自らに課したテーマでありチャンスなのだと思います。
2010.7.12 Monday
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