ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
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ヨガナンダ



転機

生物の進化は、なだらかでゆっくりした変化の積み重ねではありません。
長い沈滞した時を経て、その間に進化のためのエネルギーを蓄え、
ごく短期間の内に一気に大きな進化をとげ、
そのサイクルを繰り返し、階段状に進化をしていきます。

植物の中で最も成長の早い竹は、
その茎に数多くの節を持ち、その節から枝となる芽を出します。

『節から芽が出る』、
人間の人生でも大きな節目となる人生の転機、苦節の時、
そういった時に将来に繋がる大きな芽が出てくるものです。

私たちの長い人生において、節目となる時には、
それを祝い、心構えを新たにする通過儀礼(イニシェーション)を行います。
七五三、成人式、近世武家社会の元服などがそれにあたります。

そういった通過儀礼の時、新たに進学、就職、結婚をした時、
またはお正月、
そんな新たな気持で物事に取り組むことのできる時は、
大きく自分を変え、飛躍させるチャンスです。

男にも女にも、それぞれ厄年というものがあります。
知り合いのある超能力者の説によると、
この厄年では、それまで蓄えられてきた経験や知識というデータを
今後も役立てて使えるよう、いったん脳の中でデータ圧縮を行うのだそうです。
だから厄年には様々なトラブルが起こりやすいのだとか ・・・ 。
真偽のほどは分かりませんが、
なんとなく納得できなくはありません。

歴史の生命学「文明法則史学」によって
東西二つの文明波が二重らせんという生命構造を持つことが明らかになりました。

今はごく短いスパンで見ても800年に一度の文明の大転換期です。
これは人間で見れは厄年に相当する時であり、
植物の節に当たる大切な期間です。
この時に旧文明の禊(みそ)ぎをし、
新たなる文明を受け入れる準備をしなくてはなりません。

地球人類は今、大きな通過儀礼、イニシェーションの時を迎えています。


私も昨年、大きな節目の時を迎えました。
その節目の時を節目だと分からせてもらえる、
それが前項で書いた「神のご守護」だと感じ、
目に見えない力に対して心から感謝をしています。

19歳の時に天理教と出合い、
すぐに熱烈なる信仰の道に入り、
二年後、父の胃がんをキッカケに神の道を志す決意をしました。

その後周りの人たちからストップを受け、
「大学だけは出ておくように」との言葉に従い大学を卒業し、就職をし、
広い世間を知るにつれて宗教の世界から足が遠のいていきました。

けれども一度神前で誓った神との約束は私の胸で “神因縁” として生き続け、
これまで様々な宗教家、超能力者の人たちとごく親しい関係をいただき、
いい面、悪い面、いろんなことを学ばせていただきました。

そういった人たちとの出会いは数え上げればキリがありません。
ある日ふとしたキッカケで出会い、
私の持ち前の明るさ、人なつっこさ、真理を追い求める情熱、
そして旺盛なボランティア精神、
そんなところが気に入っていただけるのでしょう、
いつしか偉い先生方の最も身近なところにいるということを
幾度となく繰り返してきました。

立派な先生方の手助けをしたい、
その先生の素晴らしい教えを広めるお手伝いをしたい、
そこから何かを学びたい、
そんな気持ちで接してきました。


昨年夏、ある女性のスピーチを聴く機会がありました。
とても爽やかなその女性の話を聞いて
「心というものを大切にされている方なんだな」
という風に感じていたのですが、
あるキッカケで彼女に手紙を書くことになりました。

手紙を書いた数日後、彼女からお礼の電話をいただきました。
彼女に対しては、スピリチュアルなことに関心がある方なのだろうな
という程度の認識だったのですが、
個人的に話をしてみると、
彼女はとてつもなく深い精神世界を持った宗教家であるということが分かりました。

ある戒律の厳しい伝統宗教を信仰する彼女は、
その道に一生を捧げる決意をし、
心を澄ませば “神からのメッセージ” を言葉として受け取る能力を持ち、
今も人を神の道へと導く活動をしているとのことです。

そんな一般的には奇異とも受け取られかねない不思議な話を、
彼女は電話口の向こう側で目に見えない存在と対話をし、許可を得ながら
私に語ってくれました。

思いがけずものすごいことを語り出した彼女でしたか、
そのものすごさと反比例するように、
私の心は少しずつ穏やかな感情に支配されていきました。
「またこういう方と出会ってしまった・・・」
なにか魂の故郷にでも帰ったかのような深い安堵感を覚えました。

私は男性です。
これからの新しい時代の理を理論から説き明かしていくのが天命です。
彼女は女性で感性の人、自分なりに感じたり、
または神から与えられたメッセージを自分の指針としているようです。

その彼女が今年のテーマとして
「清流のごとく」というメッセージが与えられていると語りました。

清流とは水です。
水はこれからの時代、数千年は続くであろう大切なキーワードです。
そして私が最も力を入れて追い求めているテーマのひとつでもあります。

けれども彼女の信仰している伝統的宗教は、
完全なる金属の理で成り立っているもので、
これからの時代の理である水とはまったく相容れない存在です。

そのことをたぶん彼女は理解していないでしょう。
水という大切なキーワードを耳にし、
私の心は一気にヒートアップしました。

「なんとか彼女に水の理というものを伝えたい」
その思いで胸がいっぱいになり、
水とは、自然とは、真理とは、 ・・・ そんな単純に答えのでない命題が、
頭の中を、それこそ24時間破裂するほどに駆け巡りました。

彼女には私なりに考えた
水の理につして記した長文メールや手紙を何度か送りました。
けれども何を書いても書き足りない気分です。

そんな頭が破裂しそうな日が続いた八月のある日、
お風呂でのんびりと足湯をしている時、
「自分の身の回りのものはすべて自分が創り出した幻想(マーヤ)なんだ。
 今追い求めている言葉で表現できる真理は本当の真理ではなく、
 真理の絞りかすのようなものに過ぎないんだ」
そんな思いがフッと浮かんできて、
あんなにヒートアップしていた頭が一気にクールダウンしました。

その間は、はじめたばかりのトイレ掃除で様々な奇跡とも出合い、
いろんな面で頭も心も混乱を極め、苦しい思いもしましたが、
それまで積み重ねてきたたくさんのことが整理統合できたのではないかと感じます。

彼女と出会い、自分をとことん突き詰めることをしなければ、
それまで学び、感じてきた自然の摂理、新しい時代の理をまとめた
あの「我が魂の遍歴と新しい時代の理」を書くことは絶対にできませんでした。


彼女は私に大きな転機を与えてくれました。
それまで私が出会ってきたスピリチュアルリーダーの方たちは、
みな私より年上で、私はただそこで学び、その方たちのお手伝いをしたい、
その一心でした。

彼女は私が必然の出会いとして交わってきた
スピリチュアルリーダーの一人であることは間違いありませんが、
初めての年下の人であり、
初めて私が求めてきたものを伝えたいと思った、
明らかにこれまでの出会いとは対極のものを持つ人でした。

私の天理教にはじまったスピリチュアルな道のりも、
もう三十年にもなります。
年齢も昨年末で五十になり、今ようやっと遅すぎた転機の時を迎えました。

これまで学び、手助けするばかりだった人生を、
私の意志で彼女という幻想を創り出し、
今がいよいよ学んできたものをアウトプットする時だと知らせてくれたようです。
そういう意味で、彼女は私にとって最高の属性を持ち、
最高の働きをしてくれた恩人であると、心から感謝をしています。


また彼女が私に転機を与えてくれるメッセンジャーだということを
天はささやかなサインでもって知らせてくれました。

私が天理教の布教師としての神の道を志した時、
説いて聴かせるように説得してくださったのは、
天理市の町中にある立派な教会の会長であった村上忠雄先生です。

あのサムシンググレートで有名な筑波大学の村上和雄先生の弟さんである
忠雄先生は、紳士然とした立派な風格と人格を備えた、
当時の私にとってはまぶしいばかりのあこがれの存在でした。

あの忠雄先生の説得がなかったら、
親の反対を押し切ってでも大学を中退し、布教師の道に入り、
そしてたぶん布教師としての挫折の道を歩んでいたでしょう。

その忠雄先生からスピリチュアルな広い道を歩むキッカケをいただき、
その後インプット一辺倒だった私のスピリチュアル人生を、
彼女が約27年後に現れることによって
アウトプットの道へと方向修正してくれました。

忠雄先生も彼女も、
私の人生の大きな舵取りをしてくれたかけがいのない存在ですが、
「我が魂の遍歴と新しい時代の理」を書き自分の過去を振り返っている時に、
二人にはある共通点があることに気がつきました。
二人とも、同じ某有名企業のご出身だったのです。

「自分が感じていたことに間違いはない」、
それを知らせてくれたこの偶然の一致も「神のご守護」なのでしょう。


神のご守護、あるいはサインと言ってもいいかもしれません。
それを与えていただけるということは、
人生という道を歩む上での何よりの励みです。

私はインドの聖者ヨガナンダ師にあこがれ、
恐れ多くもヨガナンダという名前を
ハンドルネームとして使わせていただいています。

私がヨガナンダを知った翌年、初めてアメリカを訪ねました。
着いたところがロサンゼルス、
そこで由緒あるビルトモアホテルという大きなホテルに三連泊しました。
帰国して気がついたのですが、
そこがヨガナンダがこの世の肉体から離れ、入滅した場所だったのです。

そのことを後になって知り、偶然という奇跡に魂が震えました。


これからアウトプットするべき転機を迎えたということを知っても、
グータラ者の私は、なかなか具体的行動を取ることができませんでした。
けれども先月初めから、何がキッカケだったのか忘れましたが、
このホームページを毎日更新するようになり、早一ヶ月半です。
少しずつアクセスしてくださる方も増え、
メールや掲示板でいろんな人たちから相談や悩みのメッセージを
送っていただけるようになりました。

これはとても嬉しいことであり、また私が望んだことであり、
今これからやらなければならないことに対して
これが大きな足かがりになるのだということに気がつきました。


人間であれ、他の生物であれ、歴史であれ、
ひとつの時の流れの中に生命を宿している存在には、
必ず転機というものがやってきます。

今この時代がそうであるように、
転機とは、己の可能性を試し、大きく飛躍できる絶好のチャンスです。

節から芽を出せる、逞しき存在であることを願います。

2010.3.18 Thursday  
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