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手放す<2>

「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんは、
不可能と言われてきたリンゴの無農薬栽培に挑戦し、
長年にわたって収穫ゼロ、家族全員極貧の生活を強いられ、
いよいよ万策尽き果て縄を持って山に登り、
首をくくろうとしたその時に、
目の前にある青々とした葉っぱを茂らせたリンゴの木(実際はドングリ)を見つけ、
雑草が生い茂るふかふかとした栄養豊かな土壌こそが大切であるということに
気づかれました。

ギターのトップブランド フジゲンの創業者横内祐一郎さんは、
若かりし頃ギター数本を抱え営業のため単身渡米するも英語ができず、
三ヶ月たっても一件の商談もすることができなくて途方に暮れ、
NYのセントラルパークで一人ベンチで男泣きに泣いているところを
親切な老紳士に声をかけてもらい、英語のトレーニングを受け、
少しずつアメリカで商談の機会を得られるようになり、
その後会社を世界に冠たるトップブランドにまで成長させました。

私の友人はあることでとことん苦しみ抜き、
もうどうしようもないというところまで行って体調がおかしくなり、
手元にあったゴミ箱の中に嘔吐しようと思ってゴミ箱を引き寄せたところ、
そのゴミ箱の中に捨ててあった紙切れに、
問題解決のヒントが書かれていたと語ってくれました。


こういった徹底的に努力をしても成果が得られず、
いよいよもうダメだと思った瞬間に、
ようやく救いの手がさしのべられるという話はよく耳にします。

長期間の努力が実る瞬間は、
残酷なことにとことん苦しみ抜いた先に来ることが多いようです。

とことん苦しみ抜き、
もうダメだとあきらめた瞬間、何か心が吹っ切れて、
その吹っ切れた思いが新たな運を引き寄せるのだとし思われます。

これはひとつの思いを “手放す” ということでしょう。


引き受け気功では、どんな災難や不幸でも、
それを “引き受ける” ことによってその災難をクリアーしようという方法です。

災難を引き受けるとは、
その災難から逃れたいという思い、あるいは囚われを手放すということです。

引き受け気功の藤谷康充先生は、
『宇宙はたらいの中の水である。
 その水を向こうに押すと、こっちに返ってくる。
 こっちに引くと去っていく』

という たらいの法則の話をよくされます。

これは古いものを手放すから、新しいものが入ってくる。
という考え方にも通じます。


とことん苦労をして、その果てに何かを手放す、
引き受け気功やセドナ・メソッドのような心理的方法、
またはガラクタというモノを処分することによって心の囚われを手放す。
手放し方は様々です。

私たちの人生の歩みという運命が、
魂の奥深い場所にある “意志” によって大筋が決まっているとするならば、
その人生の過程で手放さなければならないものは、
どのような策を講じようとも変えることはできません。

だとしたら、無理矢理に運命によって手放さざる得ない状況になるよりも、
自らの思いと行動で手放すことをした方が、
より苦しみを味わうことが少ないのではないかと思われます。
  (これは大変難しい問題ですが ・・・ )

いずれにしてもこれは自らが選択することです。
もし自分の心の中、身の回りのもので、
何か手放した方が望ましいと思われるものがあるならば、
自らの意志でもって、
何らかの方法で手放すことを選択、行動されてはいかがでしょうか。

手放した先には、まだ見たことのない新しい世界が待っています。 

2010.2.21 Sunday

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