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生命の時代<3>

西洋の時代の中心であった科学的思考が、
これからはじまろうとする東洋の時代には、生命学的思考へと推移していきます。

生命学的思考といってもピンとこないかもしれません。
今はまだ時代は科学中心であり、
私たちみんなが、新しい時代の科学と対極となる価値観を、
言葉としてまだ確立されていないのが現状です。

生命学的思考というよりも、
“学” を取った生命思考の方が的確かもしれません。

その特徴を表で対比してみました。

生命学 科学
東洋 西洋
すべてを統合的に見る 物事を分けて考える
対象物の周り、自然全体、
己の心の内を見る
対象物を深く観察、追求する
モノとの関わりに価値をおく モノそのものに価値をおく
すべてに共通した法則 個々における事実
すべての要素(部分)は、
共通の基盤の上にあり、
お互い深く関連し合っている
“全体” は、部分の集合体にすぎない
感じる 考える
知識はいらない 膨大な知識の集積の上に
成り立っている
モノやお金はいらない 立派な研究施設、莫大な
研究費が必要
子どもでも感じることができる 専門知識がないと理解できない
長い時の流れの中で
正しさが立証される
短時間で証明・検証できる
それぞれの結びつきを感じる 個々の違いを知る
繋がりを感じる女(?) 違いの分かる男
 (昔のネスカフェCMコピー)

ノーベル賞を取った科学的研究などは、
一般人にはまったくちんぷんかんぷんで、
その内容はもちろん、どこに価値があるのかすらなかなか理解することができません。

科学の分野で高い業績を残そうとするならば、
優秀な頭脳、高い学歴、長期間にわたる研究、実験が必要です。

ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊博士スーパーカミオカンデ
最近ヨーロッパに完成した超大型加速器LHC等、
莫大な費用がかかる実験も珍しくありません。


東洋的な生命思考、生命学はこれとはまったく対極です。
もっとも根本の深い真理である
すべてのものはお互いに共生しあい、
それが時の流れとともに循環し、
この共生・循環という法則が、小さな小さなミクロの世界から、
宇宙全体の大きなマクロの世界まで、
すべて時空間においてあまねく行き渡っている(フラクタル、自己相似形)という基本法則は、
簡単な例を示せば誰にでも容易に理解してもらうことが可能です。

それが理解できさえすれば、
遺伝子DNAも、東西の歴史の流れも、南北の気候変動(一年周期)も、
動植物の共生、食物連鎖の関係、太陽系、銀河の構造、素粒子の世界、・・・
すべてが同じ生命の法則の上に成り立っているということを感じ取ることができます。

DNAの二本の鎖は、AGCTと呼ばれる4種類の塩基で結びついています。
文明法則史学で解き明かされた文明サイクルは800年周期です。
800というのはきれいな4の倍数、そこにはどんな法則性が・・・、
といったようにいくらでも思考を広げていくことができます。

科学というものが、膨大な知識によって積み上げられた体系であるとするならば、
東洋の知恵は、自然のあるがまま、己の内のあるがままを感じ取って掴む世界です。

幼い子どもが驚くような感性で物事の真理を突いてくることがあります。
自然とともに暮らしている人は、移ろいゆく自然の中から様々なことを学び取ります。
生命的思考とは、追い求め、積み重ねていくものではなく、
自然の中、己の中に、ただあるものを正しく見つめるということが基本になります。


繰り返しますが、東洋の生命学的思考と、西洋の科学的思考は、
対極の関係にあり、お互いに相反する性質を持ちながら優劣はありません。
ただ役割が違うだけです。

遺伝子DNAの二本の鎖は、お互い対等な関係であるがゆえ、
きわめて長い二重らせんの構造を持ちえます。

遺伝子FNAの二重らせん構造

自動車のタイヤも、中心軸を重心として完全にバランスを取れているがゆえ、
スムーズな回転を保つことができます。
この重量バランスが少しでも崩れたら、タイヤは大きくブレながら回転し、
車の乗り心地はきわめて悪いものとなります。

鏡の法則でも書いたように、ご神体の鏡は拝む者を左右対称に映し出し、
拝む者の左右のバランスが完全に調和した時、
拝む者とご神体の鏡に映る姿が一致をします。
  鏡の法則 ・・・ <5>まであります。

お釈迦様の説かれた “中道” とは、
陰と陽、ふたつの対極となる価値観がバランスが取れ、
ふたつ合わせて中道となります。

キリスト教のシンボルである十字架、エジプトのピラミッド、
どちらも左右対称の形をしています。

神道、仏教、キリスト教、様々な教えの神髄は、
すべて調和、バランスの取れた世界を説いています。


宇宙の基本原則のひとつである共生とは、
ただ単にふたつのもの、あるいはいくつかのものが、
互いに協力し、補い合っているだけではなく、
その力関係がバランスの取れたものでなければなりません。

バランスの取れていない不調和なものは、
すぐに共生関係が壊れてしまいます。

バランスが取れているからこそ、時が流れてすべてのものの形は変化しても、
その共生関係は崩れることなく循環していくのです。

水と緑豊かな地球環境の中、
生命誕生から40億年もの間、すべての生命体がバランスを保ち、
共生関係は様々な形に変化しながら循環してきました。

しかし近年、急速な地球環境の悪化、多くの生物種の絶滅、または絶滅の危機を迎え、
この共生関係が壊れ、スムーズに行われていた循環のリズムが崩れようとしています。

これまできれいな形で回り続けていたコマが、
そのコマのいたるところにほころびがいき、重量バランスが崩れ、
回転に大きなブレが生じるようになり、
いつその回転が止まってしまうのか ・・・ というのが現在の地球、人類の姿でしょう。
  (回転のブレは、異常気象に相当するでしょう)


私たちはあまりにも長い間、科学的思考というものに慣らされてきたため、
その対極の価値観が、これからの時代の中心になると言われても
実感がわかないかもしれません。
けれどもこれは宇宙の法則、歴史の流れから見て間違いのない事実です。

まだ今はこの巨大なパラダイムシフトの前半期ではありますが、
すでに大きな役目を終えようとした西洋的、科学的思考のほころびが随所に現れ、
政治、経済、学問、・・・様々な分野で旧来の価値観が制度疲労を起こしてきています。

価値観の変革は一瞬にして起こるものではありません。
気がついた者が、できるところから、
そのパラダイムシフトへの引き金を引かなければならないのです。

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