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ローフード

太陽系、銀河系、 ・・・ 天空に果てしなく広がる宇宙を大宇宙と称するのに対し、
60兆個の細胞を有し、日々神秘な生命の営みを続けている私たちの人体は、 
ひとつの小宇宙であると語られています。

科学、医学が著しく発達した現代でも、
私たちの人体の生命メカニズムは分からないことだらけ、
神秘の生命世界は、まさに未知の大海のようです。

その生命を司り、健康を維持するために最も大切なものが食です。
何をどのように食べるのか、
人体はそれまで口にしてきた食べ物が変化したものであり、
その食べてきたものによって人体の働きが大きく変ってくるということは、
誰にとっても自明の理です。

もちろん人体は、その人が住んでいる土地の気候風土、
また先祖から受け継いできた肉体的特質に大きく影響を受けるため、
一概に何をどのくらいの割合で摂ることが理想だと言うことは困難です。

けれどもそういったことを考慮しても、
世間の人たちが信じる「食の健康法」というのは多種多様を極め、
その中にはまったく相反することを唱えているものも珍しくありません。

栄養豊富な肉、牛乳や卵は、健やかな肉体を育てるために大切なものである。
また食品は毎日最低三十品目食べることが理想である。

動物性タンパク質は血を汚すものであり、
野菜や果物だけで生きていくために必要十分な栄養素は摂ることができる。
粗食こそが健康の源であり、生命ある食べ物をきちんとした形で摂るならば、
限られた食品のみを口にしていてもまったく問題がない。

どちらが正しいのか、またどちらも何らかの真理を含んでいるのか、
私たち一人一人が正しい判断力と、
自らの体の変化を感じ取る鋭敏なセンサーを持っていなければ、
ただ頭の中が混乱するだけで、何が何だか分からなくなってしまいます。


私自身が理想と考える食事法は、
これまでこのホームページでも紹介してきたような
マクロビオティック食事法の考え方に近いものです。
  <食についての考え方><食生活の注意点>

『身土不二』
身体と環境は切り離すことができない。
理想的な食は、その人の暮らしている土地にその時期採れたものである。
つまり地元産の旬のものが理想ということです。

『一物全体』
食べるとは、食物の部分、要素を食べるのではなく、
その食物の持つ生命をいただくということ。
野菜の皮や葉っぱ、穀物の皮や胚、魚の頭と尻尾、
すべて残すことなく全体を食べるのが、
生命という観点から見た唯一のバランスを取る方法である。


マクロビオティックは、元々はこの宇宙(時空)を司る基本原理について説いた法則であり、
そのきわめてシンプルで明快、かつどこまでも奥深く真理の実相に迫る宇宙観は、
他のどんな思想、哲学よりも価値あるものであると感じ、
また信じています。

無双原理・易―「マクロビオティック」の原点
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マクロビオティック食事法というのは、
そのマクロビオティックの思想から生まれたもので、
すべてのものには生命が宿っているという思想を基に、
宇宙の一造物である私たち人間と自然との関わりの中から食のあり方を説き、
その東洋的自然観はとても分かりやすくまた納得できるものです。

このマクロビオティック食事法は、マクロビオティックの宇宙哲学同様、
とても素晴らしいものだと感じてはいますが、
これが唯一絶対のものであり、これだけを知り、これだけを実践していれば大丈夫とは、
知った当初から考えてはいませんでした。

それは自分自身、絶対と言い切れるまで食についての体験がないということと、
理論ではとても納得できるものの、
マクロビオティックを実践している人たちの中に、端から見て、
心身ともにあまり健全ではないように見受けられる方が少なからずおられるからです。

マクロビオティックの宇宙哲学は、
この宇宙(時空)全体を生命という愛の価値観で、
どこまでもシンプル、自由、しなやかに説いているにも関わらず、
その食事法を実践している人たちの中に、
権威主義的、教条主義的、排他的、
精神的に健全ではないように思える人たちをたびたび見かけることに、
ずっと疑問の念を抱き続けていました。

このことは私一人の疑問ではないようで、
今まで多くの人にこの疑問をぶつけてきましたが、
私と同じ思いをもたれている方が大半でした。

マクロビオティックの宇宙哲学は、まさに真理と呼ぶにふさわしい価値あるものですが、
その実践法のひとつであるマクロビオティック食事法は、
どこかその根本に何かしらの誤りがあるのではないか、
それが私の長い間持ち続けている疑問です。


マクロビオティック食事法の大切な基本のひとつに、
体を温める陽(Na)の食と体を冷やす陰(Ka)の食とのバランスというのがあり、
その考え方から、身体を冷やしすぎるということで、
生野菜や果物は、ほとんど摂ってはいけない、
また摂る必要のない食物であるとされています。

ところがこのマクロビオティック食事法の考え方とある意味対極とも言える
ローフード(Raw Food 生の食事という意味)、生の野菜や果物をしっかりと摂りましょう、
という食事法と最近出合い、その効果のほどを周りの人の話や本で知り、
また自分自身で体感し、
マクロビオティック食事法に対する疑念がますます大きくなってきました。

マクロビオティック食事法では、
体を温めるのはナトリウム(Na)、冷やすのはカリウム(Ka)とされていますが、
ローフードの考え方では、カリウムの多い野菜や果物でも、
生(ロー)の食品には、生体酵素が多く含まれ、
それが食物の消化や燃焼を助けるので、
体を冷やすことがないという考え方です。

私の知識と経験から、どちらが正しいのかという結論を出すことはできません。
マクロビオティック食事法の中でも、
先に書いた「身土不二」や「一物全体」という考え方は、
正しい、是非知っておくべき事柄だと思います。
ただすべてが正しいわけではなく、
まったく異なる考え方の中にも真理があるのではないか、
今私が語れるのはこれだけです。

自戒の念を込めて、前置きが長くなりました。

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2009.6.16 Monday
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