ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
 ヨガナンダ > 心とからだの健康レポート > 「健康食品ブーム」を嗤う<3>



ヨガナンダ



「健康食品ブーム」を嗤う<3>

「身体にいい食品」とは何でしょうか。

「飲んで元気になった」、「食べて病気が治った」、
だからそれを飲み、食べ続ければ生涯健康な身体を維持できる、
この発想は正しいのでしょうか。

風邪を引いた時、風邪薬で体調がよくなったからといって、
体調維持、健康のために風邪薬を常用する人はいません。

抗癌剤で癌細胞を駆逐できるのだから、
癌にならないために抗癌剤を定期的に投与してもらおうとは誰も思わないでしょう。

ちょっと極端な例かもしれませんが、
「健康食品」(と称されるもの。以下同)というものと接する時、
多くの人があまりにも短期的な「効果」に目を奪われすぎているように感じます。

アトピー性皮膚炎の特効薬として使われているステロイドは、
高い薬効とともに副作用の恐ろしさで知られています。

また体外から長期間副腎皮質ホルモンを投与され続けることにより、
自らの力で同ホルモンを作り出す力が弱まることが問題点として指摘されています。

「健康食品」に同様の危険性はないのでしょうか。

短期的に「効果がある」からといって、
長期間摂り続けることが、健康を維持する上でプラスになると言えるのでしょうか。

習慣的に摂り続けたものを突然中止した場合、
その後身体に変調をきたす恐れはないのでしょうか。

話題となっている「健康食品」の多くが
日本以外の国で取れたもの、普段口にすることができない貴重な食材、
高度な技術で精製されたもの等を原材料としています。

それらのものは、私たち人間、日本人の身体にとって
未知、未体験のものが多く、そういった「異物」であるからこそ、
生体が素早く反応するのではないかと考えられます。

短期的な効果というものは、簡単な実験や体験で判断することができます。

しかしながら、長期的視点からの身体に対する影響というものは、
「環境ホルモン」の例でも分る通り、
短期的な実験、体験や、「科学的検証」では推測することが大変困難です。

唯一判断材料となるのが「自然の理」です。

これに合致しているかどうか。
自然の理に適ったものは、長い目で見て人間を幸せに導くものであり、
そうでないものは、いつか必ず破綻をきたす、私はそう考えています。

そのひとつとして考えられるのが、高度に精製された「健康食品」は、
老化のサイクルを早めるのではないかということです。

食物は体内に入ってから、消化、分解、吸収、代謝、
大きな循環サイクルを描きながら、身体を作り、エネルギーとなっていきます。

精製された「健康食品」(高濃度のビタミン、ミネラル等)は、
この生体内の循環サイクルを短略化させるものですから、
即効性は期待できるものの、逆に長期間の摂取することによる
老化スピードの加速化が危惧されます。

「おしっこ」はなぜ汚いのでしょうか。
長時間外気に触れているとアンモニア臭がしてきますが、
成分的には人体に有害なものではありません。

「尿療法」というものがあります。
自分の排泄した尿を飲むことで、様々な病気を治すというものです。
たしかに卓効はあるようですが、一般の人には抵抗があります。

尿療法はなぜ効くのでしょうか。

尿や便、人体からの排泄物は大地に還り、
そこでバクテリアの栄養となります。
そのバクテリアを栄養として植物が成長し、動物の食料となり、
その動物の排泄物や死体はふただび大地に還る。

この大きな循環サイクルが自然の営みです。

この大きなサイクルを人為的に短略化させたものが尿療法であり、
短略化させているがゆえに効果も短期間で現れるものと思われます。

しかし人為的に自然の営みの仕組みを崩すことは、
必ず弊害が起こるものです。
昔の人はそのことを知っていて、「尿は汚いもの」というタブーを作り
自然の循環サイクルを壊すことを戒めたのだと私は想像しています。

「自然食品」の中には、「汚い尿」と同様に自然サイクルを無視したものが
数多くあるのではないでしょうか。

科学的に証明することは難しいですが、
「自然の理」とはどういったものなのか、今私たちは自らの身体を使って
長期的実験をしているのだと見ています。

敗戦後の貧しかった日本では、牛乳は栄養豊富な「健康食品」のホープでした。
アメリカの指導もあり、学校給食の飲み物として取り入れられ、
家庭にも広く普及しました。

現在出回っている「健康食品」の中にも、乳製品がよく見受けられます。

身体にいいと言われ続けてきた牛乳ですが、実際はどうなのでしょうか。
大企業の利権が大きく関わる問題ですので、合成洗剤と同様に、
マスコミで真正面からその弊害を取り上げられることはほとんどありませんでした。

けれども真実を明らかにしようという時代の流れには逆らえません。
いろんなところから牛乳の害を叫ぶ声が上がってきています。

  船越康弘さんのお話より
  最も過大評価されている食品?!

是非ともこの実態を知っていただきたいものです。

牛乳の人体に与える影響も、「自然の理」から考えてみれば簡単なことです。

人体が最も急激に成長するのは生まれてすぐ、乳児期です。
この時期に摂取する栄養は100%母乳からです。
(粉ミルクの場合もありますが)

ですから母乳の中には、人体が急成長するために必要な栄養素が
必要十分に含まれています。

けれども、いつまでもこの急成長栄養素である母乳を取り続けることは、
人体の成長サイクルから考えても不自然であり、
乳児から幼児への成長段階で自然と「乳離れ」が行われるのです。

牛は人間の数倍の速さで成長します。
その数倍の速さで成長する牛が最も成長する時期に飲むのが「牛乳」です。

つまり牛乳は、母乳よりも
はるかに急成長するための栄養素を含んだ食品といえるでしょう、

その牛乳を、「乳離れ」のすんだ、
成長速度が遅くなってきた人間が摂取するのですから、
いかに「自然の理」に反した行為であるかは誰の目から見ても明らかでしょう。

牛乳という急成長栄養素を摂り続けた結果、たしかに体格はよくなってきました。
小学校の高学年ともなれば、もう大人と見間違うほどの子供もいるぐらいです。
成長は早まりましたが、その身体を形作る骨格はもろいものです。

牛乳はカルシュウムの吸収を阻害するという
これまでの常識とは正反対の事実が最近の調査で明らかになってきています。

身体の成長と同時に「性」の成長も早くなり、
初潮年齢が早まり、アメリカでは3歳の幼児で初潮を迎えた子がいるとのことです。

若い女性の「巨乳化」が話題になりますが、これは明らかな人体の「乳牛化現象」です。
食べ物は人体を形作る「基(もと)」ですから。

一昔前までは「成人病」と呼ばれていた高血圧、糖尿病が小学生の間で広まり、
いまでは「生活習慣病」と名前が変わってしまいました。

成長の加速化は、老化の加速化に繋がります。

今の子供たちが中年、老年期を迎える頃には、
閉経の低年齢化、若年性アルツハイマー、・・・
様々な肉体的問題が顕在化してくるものと思われます。

自然の摂理に反した行いをした代償は大きなものです。
  
「健康食品」を摂るな、とは言いません。
ただその前に、本来の健全な「食」のあり方とはいかなるものか。

「自然の理」の中で、我々はどう生きるべきなのか、
そのことをまず考えるみる必要があるのではないでしょうか。


「食」は「人を良くする」と書きます。
「食」を通して、人として、より良い生き方を学びたいものです。
ひとつ前へ ホームへ メニューへ 次へ
Link Free
Copyright 2010 Sakai Nobuo All right reserved.