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「健康食品ブーム」を嗤う<2>

私の周りには「健康食品」(と通常呼ばれるもの)を
熱心に売っておられる方が星の数ほどおられます。

かなり差しさわりのあることを書いているな、と感じている今日この頃です。

けれども思っていることを書くとスッキリします。
これも「精神の健康」を保つ大切なポイントですね。

繰り返しますが、今は時代の大きな転換期です。
800年に一度、またはそれ以上、
有史以来最大の変革期を迎えてるといっても過言ではありません。

新しい時代のスタートに向けて、政治、経済、教育、医療、プロ野球(!)・・・、
ありとあらゆる分野で旧来の価値観、構造が崩壊し、
新たなるものが生まれようとしています。

新たなる価値観が創造される際は、これまでのものの延長線ではなく、
過去の体制の問題点を洗い出し、贖罪、禊(みそぎ)をし、
一度原点に立ち返っての再スタートが求められます。

価値観、体制、・・・すべてのモノに構造改革、意識改革が求められており、
それをいかにスムーズに行うかが私たちに与えられた最大の課題であると言えるでしょう。

「食」の問題に関しては、前項で述べた日本人としての伝統食に立ち返るということと、
高度に発展した経済、流通システムによってもたらされた「食の多様化」(?)を捨て、
身土不二、地産地消の原点に戻ることが絶対に必要です。

本来、多様化(性)は、環境に適応し、生命を維持し、種を存続していくために
必要不可欠な条件です。

しかしながら現在の「食の多様化」は、自然の摂理に反した
健全な食のあり方からは程遠いものです。

真冬に南国の果物を食べ、大量の飼料穀物を消費する肉類を常食し、
自然の中にはそのままの形では存在しない高度に精製、濃縮された栄養素を摂る。

これは「非自然的多様化」と称するのがふさわしいものです。

身土不二、
 人の身体と生まれ育った土地、気候風土は一体であり、
 食に関して言えば、 普段生活している土地で取れたものを、
 その時期(旬)に頂くのが最も自然の理に 適ったものであるという意味です。

地産地消、
 その土地で取れたものを、 その土地で消費するという意味で、
 身土不二を実践すると、 必然的に地産地消ということになります。

身土不二、地産地消、理想的な食の流通、経済のシステムは、
現在の投機的資本主義とは、根本から相容れないものであり、
その原点から遠く離れてしまった現状は、必然の結果といえなくもありません。

しかしながら、この食の原点から外れてしまったことによって生じた問題点を、
南米○○の秘薬、高濃度必須栄養素××、といった<同根>のもので解決しようとしても、
短期的に「健康を取り戻す良薬」となっても、本質的な問題解決にはなりえないのです。

誤解なき様にしていただきたいのですが、
現在のように「自然な食品」が手に入れにくく、野菜等の食材が、
昔のものと比べて栄養素、エネルギーが減少してしまっている状況では、
「栄養補助食品」というものも必要性が高いと考えています。

癌、腎臓病、・・・現代医療で匙を投げられた人たちが
ある特別な「治療食品」を摂ることで一命を取り留めたという話もよく耳にします。

そういった人たちにとっては、その食品はまさに
「神様からの贈り物」に違いありません。

ただ現在のように根底から食のあり方を見直さなければならない時期に、
付け刃的ともいえる対症療法で問題を先送りし、
「享楽的で誤った食習慣の改善」という最も大切なところに目が向かなくなってしまったのでは、
かえって逆効果な面があると言わざる得ません。

我々が正しい食のあり方を取り戻すのは容易なことではありません。

  先進国中最も低い食料自給率40%という
  危機的状況からの脱出するための第一次産業の復興、規模の拡大。

  健全な食材、食品を生産、提供するための農業、産業の構造改革。

  正しい食のあり方の指導、啓蒙。
  学齢期の子供たちを対象とした「食育」の実施。

早急に取り組まなければならない課題が山積しています。

「健康食品産業」に従事されている方たちには、
お仕事に費やす労力の何分の一かでも、この正しい食のあり方を取り戻す運動に
お力添えいただければと切に願っています。

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