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「健康食品ブーム」を嗤う

肥満、高血圧、糖尿病、
現代の生活習慣病とよばれるものの多くが食生活の乱れが原因となっています。

ジャンクフードにファーストフード、農薬まみれの野菜に、
添加物たっぷりの加工食品、都会で生活していると
「自然な食品」というものを口にするのは極めて難しい状況です。

そんな中、巷では「健康食品」というものがブームとなっています。

健康食品といっても様々なものがあります。
無農薬、有機栽培の野菜、果物、身体にいいとされる薬草茶、栄養ドリンク、
ミネラルウォーター、粉末、錠剤になった各種サプリメント、
高濃度のビタミン、ミネラル、昔懐かしいスッポンやマムシのエキスまで。

健康食品類だけで一軒のデパートがオープンできるほど
多種多彩を極めています。


健康食品がこれほどまでのブームとなっているのは、
食生活の乱れとともに、現代医療に対する根深い不信感があるように
思われます。

3分間診療に薬漬け、対症療法でその場の症状は治まっても、
真の健康が得られない。

元々西洋医学に「健康」という概念はありません。
「病気」というものを調べ、それに対処するための治療法を研究、実践し、
病気の症状を抑えるというのが根幹です。

強いて言うならば、「健康とは病気ではないこと」
と言う程度のものなのです。

真の健康とは何か、心も身体も健康で幸せな生活を送るには、
病気にならない身体を作るには。
こういった考え方は、西洋医学の最も苦手とするところです。

「文明法則史学」で示されているように、今は時代の大きな転換期です。
西洋から東洋へ、大きく時代の価値観が移ってきています。

その流れの中、西洋医学の抱える問題点が
大きく浮かび上がってきているのです。

病気を治療する医学から、病気にならない身体を作る予防医学へ。
身体の病的症状だけを診る治療から、心と身体のバランスを考えたホリスティック医学へ。
症状を抑えることを第一に考える対症療法から、
そうなった原因を考え、それを取り除く原因療法へ。
医療における考え方も180度変わろうとしています。


食生活の乱れ、西洋医学への不信に対するアンチテーゼとして生まれた
健康食品ブームではありますが、
今はまだ転換期における一過性の現象にしか過ぎず、
新しい時代の「真の価値観」となるには様々な問題点があるように思えます。

まず言葉の定義から考えてみましょう。
「健康食品」とは何でしょうか。

これからの時代、医療における原因療法と同様、
食の乱れに対しても、その原点を見つめ直し、
乱れる前の健全な食生活を取り戻すことが最も大切なことです。

乱れる前の食生活、私たち日本人においては、
伝統的な和食、これしかありません。

お米、雑穀類の穀物を主食とし、おかずは少量、煮炊きしたものを中心に、
味噌汁、漬物等の植物性の発酵食品を摂り、硬いものをよく噛んで食べる。

つい数十年前まで日本人が普通に行っていた食生活です。
これが敗戦後急激に変化し、病気の種類が変わり、
日本人の体型も大きく変化しました。

背が高く、手足が長く、胴が短く(腸が短い、肉食の影響)、
顎が細く(よく噛まないから)、女性は巨乳(あきらかに乳製品の摂り過ぎ)。

この体型の変化を見ただけで、肉体形成における食生活の影響が
いかに大きいものかお分かりいただけると思います。

伝統的な食生活から離れ、西洋的な食文化の影響を受け、
肉食中心の享楽的な美食を日常的に摂るようになった、
このことが問題の根本であり、これを解決することが
健全な食生活を考える上での原点となります。

つまり本来的な意味で「健康食品」とは、
日本人にとっては、伝統的な日本の食生活そのものなのです。

パン中心でご飯をほとんど食べない人にとっては、お米、穀物が健康食品であり、
肉、魚をたくさん食べる人には、野菜や植物性の発酵食品が健康食品となるのです。

そういった観点からみると、ほとんどの「健康食品」と称されるものは、
対症療法的な「栄養補助食品」であったり、
特効薬的な「治療食品」と呼ぶのがふさわしいものです。

現代の食の乱れはすさまじく、
そういった食品類で健康を取り戻せるということも事実としてありますが、
本質的な問題解決には、原因療法、原点回帰、伝統的食生活の復活ということが
絶対に欠かせないものであります。

この「食の原点」に目をつぶり、
安易なる栄養補助食品で問題解決しようというのは、
人間が本来持っている自然治癒力を無視し、
薬漬け医療に頼っている現代医療と本質的には何ら変わりがないように思えます。

もう問題点を先送りしている時間的余裕はありません。
「臭いものに蓋」をせず、
正しい食の原点を見つめ直すことが急務です。
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