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身体との対話<5>

「身体との対話」をはじめて約十年、
途中マンネリに陥ることもなく続けてこられたのは、
その効果が大きいのと同時に、
日々身体が自由に動くことに対する喜びと、
畏敬 ・・・ というと大げさに聞こえるかもしれませんが、
それに近い感情を己の体や生命に対して抱き続けてこられたからです。

私はもともと数学や物理といった科学が専門で、
何事にも真理や原理・原則といったものを深く追求するタイプです。

それでもこのホームページの中に不可思議で荒唐無稽と思われるようなことを
たくさん取り上げて紹介しているのは、
たとえスプーンが曲がろうが、瞑想中に体か浮かび上がろうが、
手のひらから仏像が出現しようが ・・・ 、
どのような超常現象、超能力と呼ばれていることよりも、
私たちが日々肉体を持ち生命を維持しているという、
この事実に勝る驚異的なことはないと考えているからです。

すべての超常的な物事を盲信するわけではありませんが、
この素晴らしい生命の神秘、宇宙の摂理の元に我々は存在するのですから、
どのような超常的なことが起ころうが、
それを一概に否定することはできないと思います。


水の中に暮らす魚は水の存在が、陸に暮らす私たち動物には空気の存在が、
あまりに身近すぎるがゆえ普段気がつかなくなってしまっています。

私たちが今存在しているこの時空に、
どんな理由、どんな現象でもって、この生命システムが誕生したのかは分かりませんが、
一年で四季が巡り、動植物が最適のバランスで存在し、
お互いの循環システムの中で生命を維持し合い、
時を経て個体の生命が滅した後も、種としての生命は維持し進化し続けるという
この地球上、宇宙の中での生命維持システムは、
驚異という言葉をはるかに超越したまさに奇跡であり、
限りなく偉大で敬虔なものです。

これだけ科学技術が発達し、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーと騒がれていても、
ごくごく単純な生命(システム)ですら手を加えることはできても、
人為的にいちから作り出すことはできません。

私たちは朝がきて目覚めれば、目を開き、
手足、指の一本一本を自分の意志で自由に動かすことができます。
お腹がすいて食べ物を口の中に入れれば、それが胃や腸を通り、
自らの肉体の血となり肉となります。

それがいかにすごい、素晴らしいことなのか ・・・ 、
体に手を当て、感謝の言葉をかけていくにつれ、
このことが自然と頭に深く刻み込まれていくのです。


「身体との対話」を続け、体を愛おしむ気持ちが高まれば高まるほど、
自分自身の思考と肉体は、パートナーとしては一体であっても、
お互いに陰と陽、対をなす関係を持った別の存在であるという認識が芽生えてきます。

それは言葉と手当てとで常に体とコミュニケーションをとることにより、
己の肉体を “ひとつの意識ある存在” としてみるようになるからです。

それと何より、この肉体生命を司っている偉大な生命システムを
常に意識することにより、
この偉大な生命システムを具現化した己の肉体は、
自らの “思考” という意味での狭い “己” という枠を超え、
何らかの縁があって、より偉大ななにか(存在)から
借り受けているものではないのかという意識が生まれてくるのです。

こんなすごい肉体、生命というシステムは、
とても人智でもって作り出すことは不可能です。
この “当たり前の事実” を常に意識することは、
周りの様々なものに対する見方を大きく変えるきっかけとなってきます。


今は意識の力(マインドパワー)の大きさが見直され、
潜在意識を活用し、重病を克服したり、ビジネスを大成功させたりする話しが
大きな話題となり、そういった成功哲学、プラス発想関連の書物が山のように出ています。

これはひとつの時代の流れであり、
それはそれでとても素晴らしいことなのですが、
私たちの持つ生命の根源は、こういった意識、思考の世界を超えたものです。

偉大な意識、想念の力は、末期のガン細胞をも消滅させることができます。
けれども私たちが日々当たり前に行っている、
口や鼻から入る水や食べ物、空気を生命エネルギーに変えるといった
最も根源的な生命作用には、思考エネルギーはほとんど関与していません。
普通の人は、こんな偉大な生命活動が自分の体の中で
日々営まれているという事実を認識することは、
病気にでもならないかぎりまずほとんどないはずです。

愛する男女が結ばれて、女性の胎内に新しい命が萌芽し、
人類のこれまでの進化を辿るがごとく、目や脳、手足が発育していく課程で、
母親や周りの人間がどれだけその意識の力でもって成長をコントロールしたでしょうか。
私たちはただ健やかな成長を願い、
無事十月十日の時を経てこちらの世界に生まれ出てくれることを祈るだけです。

『人間の想念というものは、宇宙の偉大なる英知と直結し、
   すべてのものを引き寄せる力を持っている』
これは事実だと思うのですが、私たちのコントロールしうる想念の力というのは、
この生命の持つ、生命を律している根源的な力と比べると、
まったく取るに足らないものだと感じざる得ません。


これはもう言葉で表現できる世界を超えたものなので、
うまく言い表すことができません。(不立文字)
「身体との対話」は、言葉、思考、感情というったものを通して
肉体と心とのコミュニケーションをはかる方法ですが、
結果的には、その先にある思考を超えた生命の根源を感じ取ることができるのです。

それはやはり己の肉体というものが、
自分自身にとって、この世の中で最も身近なパートナーであるから
ストレートにいろんな真実が伝わってくるのでしょう。

これからの時代の主流となる東洋的な生命哲学は、
身近、簡単、手軽、
こういった条件の中に深い真理と価値を見つけていきます。

そういった意味でも、「身体との対話」は、
身近、簡単、手軽、そして深く、
究極の心と体の、生命、宇宙の神秘に気づかせてくれる
大きな鍵となるものです。

言葉というのは不自由ですね。
こんな小難しい言葉を弄しなければ、真理を表現できないのですから。
けれども実際の真理はきわめて簡単です。
ただ実践すれば自分の体で感じ取ることができます。

真理は言葉(思考)を超えたものです。
それを最も身近なパートナーで、あなたにとっての「幸せの青い鳥」である
あなたの体が、きっと気づかせてくれるでしょう。

  Don't think.. Feel.    考えるんじゃない。 感じるんだ。
       〜 ブルース・リー  「燃えよドラゴン」 〜




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  身体との対話<6>

2008.08.29 Tuesday

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